BMW i3 の詳細を公開|BMW
CAR / MOTOR SHOW
2015年4月7日

BMW i3 の詳細を公開|BMW

BMW i3|ビー・エム・ダブリュー i3

BMW i3の詳細を公開

BMWはBMW初の市販電気自動車「i3」のプリプロダクションモデルの国際試乗会を開催。これにあわせて、これまで、明かされていなかったBMW i3の詳細を公開した。

Text by SUZUKI Fumihiko(OPENERS)

レンジエクステンダーも登場

ついに、市販モデル寸前のBMW i3が公開された。いまだ、ボディの一部にカモフラージュが施されているものの、コンセプトモデルからのルックスの変化を知ることができる。大きく変化したのは、ドアのサイズで、観音開きのコンセプトはコンセプトモデル同様だが、後ろ側のドアがかなり短くなっている。

クルマの駆動、走行を担当するアルミニウムを多用したドライブモジュールの上に、人間と荷物が乗るCFRP製のライフモジュールをのせる構造は、すでに渡辺敏史氏のリポートにもあるとおり。

BMW i3|ビー・エム・ダブリュー i3

BMW i3|ビー・エム・ダブリュー i3

ドライブモジュール中央、低い位置には、重量230kg、容量22kWhのリチウムイオンバッテリーパックが置かれる。走行可能距離は130kmから160kmだ。

わずか50kgの電気モーターは、リアアクスル直上におかれ、最高出力は125kW(170ps)、最大トルクは250Nm。0-60km/h加速で3.7秒、0-100km/h加速ならば7.2秒、トップスピードは150km/hだ。バッテリーパックの配置と、軽量のモーターの恩恵で、BMWらしい、50:50の前後重量配分を実現しているという。重量は1,195kgと電気自動車としては、すぐれて軽い。

BMW i3|ビー・エム・ダブリュー i3

BMW i3|ビー・エム・ダブリュー i3

また、噂されていたとおり、発電用エンジンを追加したレンジエクステンダーバージョンも登場することが正式に明かされた。こちらは650ccの2気筒ガソリンエンジンが、電気モーターのすぐ横に設置され、25kW(34ps)の出力をもって、充電を一定レベルにたもつ。この場合、走行可能距離は約300kmまで延長される。

走行関係でもうひとつ特徴的なのは「シングルペダルコントロール」とBMW iが呼ぶ発想で、ブレーキペダルはもちろん存在するものの、通常の走行はアクセルペダルだけで、ほとんどのコントロールができるという。

サポートも充実<

充電にかんしては急速充電であれば80パーセントまで約30分、「BMW iウォールボックス」という、専用の家庭に設置する充電器を使用した場合は満充電まで約6時間、家庭のコンセントからであれば8時間程度とされ、これまでの電気自動車と大きくはちがわない。

ネットワーク機能については、かなり力をいれており、欧州ではSIMカードを標準装備。「BMW ConnecteDrive」サービスに接続し、コンシエルジュ サービス、エマージェンシーコール サービス、スマートフォンとも連携する駐車場から目的地までの車外でのナビゲーションサービス、公共交通機関の利用までふくめた旅行行程のガイドなど、フルスペックのサービスをうけることができる。

さらに、電気自動車らしく、i3は、スマートフォンからのエアコンのリモートコントロールが可能なほか、目的地にあわせて、バッテリー効率を優先する走行モードであるECO PROやECO PRO+の使用をうながす、効率のよいルートを再検索する、立ち寄るべき充電施設を指示するといった機能、目的地到着後のバッテリー残量を予測する機能などをもつ。

そのバッテリーだが、保証は、8年あるいは10万kmとされている。

BMW i3|ビー・エム・ダブリュー i3

BMW i3|ビー・エム・ダブリュー i3

また、電気自動車の走行可能距離の短さや、充電インフラの不自由さを理由に、普及がすすまない状況を生み出さないためか、BMW iは今回、360° ELECTRICというサポートパッケージを用意し、おもに4つの施策を提示している。

ひとつは、プライベートなパーキングスペースに設置するウォールボックスをふくめた家庭での充電サポート。

ふたつ目は、公共充電施設との連携。これは、公共充電のサービスプロバイダーの数が多く、かつ、支払いや利用方法が、プロバイダーによって、まちまちなことに対応するもので、「ChargeNow カード」というカードを用意して、プロバイダー問わず、支払いや利用手順を統一してしまおうという試みを中心に据える。

みっつ目は、i3ではできない長距離移動の際などには、一時的にBMWのほかのモデルを使うことができるサービスや、カーシェアリングを利用しやすくするといった対応策。

そして、最後が、万一の不具合や故障といった緊急時に、電気自動車固有の問題までふくめて対応できる、レスキューサービスの用意だ。

もちろん、こういったサービスは、国によってこまかく展開の仕方が変わるだろう。しかし、BMWがこのi3にかける意気込みが伝わってくる。

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BMW i3|ビー・エム・ダブリュー i3
全長|3,999 mm
ホイールベース|2,570 mm
最小回転直径|9.86メートル
重量|1,195 kg
モーター最高出力| 125kW(170ps)
モーター最大トルク|250Nm
駆動方式|RR
タイヤ|155/70R19
0-100km/h加速|7.2 秒

           
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