特集|2013年国際映画祭速報|第12回トライベッカ映画祭
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2014年12月4日

特集|2013年国際映画祭速報|第12回トライベッカ映画祭

MOVIE|第12回トライベッカ映画祭

各部門の受賞作品を最速レポート!

トライベッカ映画祭は、毎年春にアメリカのニューヨークで開催される、世界各地より応募作品が集まるインディペンデント映画の祭典だ。4月28日(日)、第12回トライベッカ映画祭の授賞式が行われた。各部門の優秀作品を紹介する。

Text by OPENERSPhotographs by the Tribeca Film Festival

『The Rocket』が作品賞と観客賞の2冠に輝く

ラオスの田舎を舞台にした、オーストラリア監督の『The Rocket』が国際長編部門の最優秀作品賞と観客賞を受賞した。また、アメリカ兵の犯罪を題材にして話題となった『The Kill Team』が、ドキュメンタリー部門の最秀作に。そして若手俳優の注目は最優秀俳優賞を獲得したシティフォン・ディーサモー。彼は素人の役者として受賞し、今回の映画祭で脚光を浴びた。


トライベッカ映画祭 02

Photo Credit: Tom Greenwood

国際長編部門 最優秀作品賞

『The Rocket』

製作国:オーストラリア
監督:キム・モーダント

ロケットが少年の運命を救う!?

ラオスの小さな村に、村人から「不幸を呼ぶ疫病神」とさげすまれている少年がいた。彼はある日、孤児の少女と、ぶっ飛んだ彼女のおじ“パープル”に出会う。“パープル”は紫のスーツを身につけた元兵士で、日本酒とジェームス・ブラウンをこよなく愛している。家を失ってしまった少年は、このふたりの友人と家族を引き連れ、あたらしい家を探す旅に出るも、道中は災難つづき……。ぼくは疫病神なんかじゃない──村人にそのことを証明するため、少年はラオスでもっとも過激で危険と言われている「ロケット祭り」に挑戦する。ロケット作りの行方は? そして少年は汚名をそそぐことができるのか?


トライベッカ映画祭 03

Photo Credit: Thomas Dhanens

国際長編部門 主演女優賞

ヴァルル・バーテンス
『The Broken Circle Breakdown』

製作国:オランダ、ベルギー
監督:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン

ふたりの願いはただひとつ──娘の命を救うこと

タトゥーショップを営むエリーズと、ブルーグラス・バンドでバンジョーを演奏しているディディエは、付き合いはじめて7年目を迎えるカップル。メイベルという名の娘にも恵まれ、幸せの絶頂にいた。だが娘が癌に侵されていることを知ったとき、平穏だったふたりの関係に危機が訪れる。言う争う間にも病気は進行していく。お互いを想い合う気持ち、娘を愛する気持ちを再確認したふたりは、娘を闘病生活から救うために立ち上がる。愛さえあれば、きっと乗り越えられるはずだから……。


トライベッカ映画祭 04

Photo Credit: Dan Krauss

ドキュメンタリー 監督賞

ダン・クラウス
『The Kill Team』

製作国:アメリカ
監督:ダン・クラウス

戦争犯罪をテーマにした話題作

アフガニスタンを舞台にした『The Kill Team』は、若いアメリカ軍人アダム・ウィンフィールドの実話ドキュメンタリー。彼は当地のアメリカ軍人が起こした虐殺事件を発見し、軍部に報告しようとした。しかし、正義を貫いたはずの彼が、戦争犯罪者として告発された。

南アフガニスタンに駐在するアメリカ軍人のグループは、地元の市民をターケットにして殺害した。 それ以来、彼らは「The Kill Team(殺人チーム)」と呼ばれるようになる。アダムは父親を通じて彼らの殺人行為を軍の本部に報告したが、回答はなかった。「The Kill Team」はアダムの行動に気づき、「密告すれば殺す」と脅した。2010年5月、「The Kill Team」は再び殺人を企る。今回はアダムの目の前で犯行を行うという。アダムの選択肢は2つ、殺されるリスクを背負い通報するか、彼らの仲間になり市民の死を無視するか。決断を迫られ、アダムは自分の命を選んだ。数週間後、アダムはワシントン州の裁判に謀殺犯として告発される。彼は軍人にも関わらず、道徳より自分の命を選んだという理由で謀殺罪の判決を受けた。


国際長編部門 俳優賞
シティフォン・ディーサモー『The Rocket』
製作国:オーストラリア
監督:キム・モーダント

国際長編部門 最優秀新人監督賞
エマニュエル・ホス=デスマレ『Whitewash』
製作国:カナダ
監督:エマニュエル・ホス=デスマレ

短編部門 最優秀ドキュメンタリー賞
『Coach』
製作国:アメリカ
監督:ベス・カーグマン

           
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