POGGY’S FILTER|vol.7 DABOさん、MACKA-CHINさん、XBSさん(前編)

POGGY’S FILTER|vol.7 DABOさん、MACKA-CHINさん、XBSさん(前編)

左からMACKA-CHIN氏、XBS氏、POGGY氏、DABO氏

POGGY’S FILTER

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これまで国内外のファッション関係者を中心にゲストに迎えてお届けしてきた、小木“POGGY”基史氏がホストを務める『POGGY’S FILTER』。第7回目となる今回は趣向を変えて、日本のヒップホップシーンを代表するグループ、NITRO MICROPHONE UNDERGROUND(ニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンド、以下ニトロ)からDABO氏、MACKA-CHIN氏、XBS氏の3人が登場。7年間の活動休止期間を経て、今年、ついに再始動を果たし、この対談の数日前には新曲「LIVE19」を発表したばかりの彼らだが、実はストリートファッションシーンとも繋がりが深い。ヒップホップとファッションを軸に様々なテーマについて語ってもらったこの対談の、まず前編ではPOGGY氏とニトロの意外な繋がりから話がスタートした。

Interview by KOGI “Poggy” Motofumi|Photographs & Text by OMAE Kiwamu

オオスミ君がしていたことが、世界的にも流行りだした

POGGY DABOさんとは以前、自分がディレクターを務めさせてもらっていたLiquor,woman&tears(リカー、ウーマン&ティアーズ)に来ていただいたり、一度お誘いいただいて二人で飲みに行ったりもしましたよね。

DABO ありましたね。

POGGY DABOさんみたいに、リアルに日本のヒップホップシーンで活躍している方にお店へ来ていただいたっていうのが、自分たちにとっても、とてもありがたくて。改めて、あの当時、何でリカーに興味を持っていただいたのか教えていただけますか?

DABO 「スニーカーの感覚で革靴を」っていう、明確なコンセプトがあったお店だったじゃないですか?

POGGY’S FILTER

POGGY そうですね。「革靴を磨くことと、スニーカーを磨くことは同じ」っていうのがコアコンセプトでした。

DABO それが面白いなって。あと、今でこそ普通だけど、ストリートとハイブランドを混ぜたりっていうのをやっていたから。あの頃、そういうことをしていたのが小木ちゃんとかオオスミ(タケシ・元SWAGGER/PHENOMENON、現MISTERGENTLEMANデザイナー)君、あとVERBALとか、そのくらいしかいなくて。そういうのが全部、感覚として面白いなと思って飛びつきました。

POGGY 今でも覚えているんですけど、リカーでDABOさんにTANINO CRISCI(タニノ・クリスチー)の革靴を買っていただいて。確かご自身の曲でも「タニノ・クリスチー」って言ってましたよね?

DABO 言ってる(笑)。ヒップホップ側の人はほとんど誰も分からないブランドなんで、「何言ってるんだ?」って、みんな思うじゃないですか。

MACKA-CHIN 俺も知らない(笑)。

POGGY すごくクラシックなイタリアの革靴ブランドでして。

DABO 当時、確か、祐真(朋樹)さんに「それってどこの靴?」って聞かれて、「タニノ・クリスチーです」って答えたら、「ラッパーってそんなに儲かるの?!」って言われて。

POGGY (笑)たしかに結構高かったですよね。そういうDABOさんはニトロのほかの方たちからはどう見えてましたか?

MACKA-CHIN 正直、引いちゃってましたね。

全員 (笑)

MACKA-CHIN 俺は高校の時にはアメカジにハマっていて。卒業してからも、STUSSY(ステューシー)の店長やったりとか、そういうのは経てるんで、ファッションが面白いのもすごくわかるんですよ。ただ、自分はある意味、ヒップホップっていう呪縛みたいなものに取り憑かれていたんで、アメリカのブランドにしか興味がなかった。でも、DABOはヨーロッパブランドのローファーとかツンツルテンのズボンとか、そっちのほうにドンドンと行っちゃって。石田純一みたいな(笑)。けど、これはディスじゃないよ。

DABO はいはい(笑)。でもそう見えてたんだね。2004年とか2005年くらいに、サイジングが一気に小さくなったタイミングがあるじゃないですか? それまでXXLとかXXXLのTシャツを着てたのが、その当時はMとか着て、乳首浮いちゃうみたいな。

POGGY (笑)

POGGY’S FILTER

DABO それに関しては、ニトロのお洒落番長のGORE-TEXとかも、「DABOがそこいくとは!」って意外がっていましたね。今はまたXXLとかに戻ってますけど。

POGGY パリのエレクトロミュージックがヒップホップにも取り入れられていった時期に、ヒップホップファッションにもヨーロッパのハイブランドが取り入れられるようになっていって。それでパンツがスキニーになっていくような流れがありましたね。

DABO そうですね。

POGGY オオスミさんも、あの時、結構いきなりスキニーになって。海外の人に「そんなのヒップホップじゃない!」って言われたそうです。でも、そう言ってた人がその半年後にスキニー履いてたみたいな(笑)。

DABO オオスミ君がしていたことが、どんどんと世界的にも流行りだすっていう。あの当時は、そういうのをまざまざと見せつけられたね。オオスミ君が着ていた2年遅れぐらいで、サテンのジャケットが流行りだしたり。「わー、スゲェ!」って思いました。

MACKA-CHIN 東京人っていうか、日本人のファッションがパリコレとかNYコレクションの先を行っていたってことですか?

POGGY 今もそうですけど、ストリートファッションシーンで日本人のファッションが世界的に受け入れられていってる感じはありましたね。それから、今はパリのメンズファッションウィークもアメリカ化していて。最前列にヒップホップのアーティストが座っていたり。

MACKA-CHIN それこそ、Alexander Wang(アレキサンダー・ワン)がニューヨークでよくヒップホップのイベントをやっているっていうので、俺もアレキサンダー・ワンの青山店のイベントでDJをやったことがあって。「ヒップホップセットでやってくれ」ってリクエストで、Cypress Hill(サイプレス・ヒル)をかけているところに、キラキラしてる女の子のお客さんがスマフォで自撮りとかしていて何だか申し訳ないなって(笑)。

全員 (笑)

MACKA-CHIN アレキサンダー・ワンっていうブランド自体もそんなに知らなくて。その時のコレクションのテーマが90年代のヒップホップにインスピレーションを受けて作ったものっていう話だった。そういうハイブランドとかも、今やヒップホップに影響を受けている世代の子たちがやってるんだっていうのは、そのパーティで体感しましたね。

POGGY’S FILTER

POGGY ここで改めて、ファッションに関して、みなさん、どういうところから影響を受けたのかを教えてください。

MACKA-CHIN ヒップホップのミュージックビデオを観て、アメリカのアーティストのファッションをチェックしてましたね。Busta Rhymes(バスタ・ライムス)がMARITHÉ + FRANÇOIS GIRBAUD(マリテ+フランソワ・ジルボー)のジーンズを履いてるのを見て、当時、代官山にあったショップへ行ったら、あまりにも高くてズッコケた(笑)。

XBS ビデオから受けたニューヨーク感という意味では、TIMBERLAND(ティンバーランド)のイエローヌバックのイメージは一番大きいかもしれないですね。

DABO でも90年代は正規で売ってるティンバーがめちゃくちゃ高かったんで、全然買えないんですよ。

XBS だから、あの当時は並行屋(並行輸入ショップ)で買ったりして。アウトレットで大量に買ってきたのがあるから、それを安く買うっていう。

MACKA-CHIN 当時は原宿のPROPELLER(プロペラ)にNEW ERA(ニューエラ)がいっぱいあった。

DABO プロペラもそうだけど、ヒップホップファッションのアイテムを買うのにアメカジ屋には助けられたよね。

MACKA-CHIN 俺もそうだけど、やっぱり世代がアメカジだからね。

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