MUSIC|デヴィッド・ボウイ10年ぶりのニュー・アルバム 『ザ・ネクスト・デイ』
MUSIC|突然発表された10年ぶりのニュー・アルバム
デヴィッド・ボウイ 『ザ・ネクスト・デイ』
移り変わるロック・シーンのなかで常に孤高の存在として時代の先端を突き進む、デヴィッド・ボウイ。自身の66回目の誕生日である2013年1月8日(火)に、ニュー・シングル「ホエア・アー・ウィー・ナウ?」の配信とともに、2003年の『リアリティ』以来、10年ぶりとなるニュー・アルバム『ザ・ネクスト・デイ』のリリースを、何の前触れもなく発表。アルバムは全世界で3月12日(火)に、日本盤は3月13日(水)に発売予定。
Text by IWANAGA Morito(OPENERS)
超極秘で進められたレコーディング
ニュー・シングル「ホエア・アー・ウィー・ナウ?」が全世界のiTunes Storeでいっさいの事前発表なく配信開始された。同時に、10年ぶりにして30作目のスタジオ・アルバムとなる『ザ・ネクスト・デイ』の予約の受付を急遽開始。なんと、24時間以内に27カ国のiTunes Storeのアルバムチャートで1位となってしまった。
レコーディングスタジオを出入りする彼の姿を見かけた者はいない。ツイッターで口を滑らせた関係者もいない。音源のリークももちろんなかった。大物アーティストが新作を発表する際、通常であれば事前告知やヒントを出すことで、大勢のファンが「待っている」状態を作りあげようとするもの。
ボウイはこれらの行為をいっさいおこなわないことで、『ザ・ネクスト・デイ』を2013年最大の注目作品にした、ともいえる。
過去と未来を繋げる先行シングル
ニュー・アルバムのプロデューサーは、ボウイの多くの作品を手掛けてきた、トニー・ヴィスコンティ。彼がBBC(英国放送協会)に語ったところによると『ザ・ネクスト・デイ』はロック色の強いアルバムで、ボウイがシングルに「ホエア・アー・ウィー・ナウ?」を選んだのは意外だったとか。
でも、デヴィッドは自身の人生を巧妙に切り開いてきた人間だからね。この曲を選んだのはじつに鋭い選択だったし、過去と未来を繋げる作品になっている。きっとデヴィッドが次に作る作品は、これまでとは相当にちがうものになると予感させる内容なんだ」
名盤『ヒーローズ』のジャケット写真を大胆にアレンジ
公開されたジャケット写真は、名盤『ヒーローズ』のジャケットの上に、白枠で新作タイトル「THE NEXT DAY」の文字をシンプルに載せたデザイン。本来、表記されているはずの「HEROES」の文字は消されている。果たして、何を意味しているのか?
「なにか、ちがうことをやりたかったんだ――あらゆることがやりつくされた分野ではとても難しいことだが、僕らはあえてこれをあたらしいと考えている。
過去のデザインを使う場合、たいてい“リサイクル”や“グレーテスト・ヒッツ”を意味する。でも、僕らはタイトルの『ザ・ネクスト・デイ』をしたかった。それに『ヒーローズ』のカヴァーを白枠でおおったのは、“いま現在の”素晴らしいポップ、もしくはロックのスピリットの象徴であり、過去を忘れる、または抹消することを意味する。僕らは過去をうしろに、絶えず次の日へ向かって進みつづけている。それしか選択がないからね」
全世界の音楽シーンで、驚きとともに大絶賛の声で迎えられた今回の「事件」。アルバムの音が待ち遠しいかぎりだ。
『ザ・ネクスト・デイ』(日本盤)
デヴィッド・ボウイ
3月13日(水)発売
完全生産限定盤「デラックス・エディション」
2800円(SICP-30127)
全18曲(ボーナストラック3曲+日本盤ボーナストラック1曲収録)
Blu-Spec CD2仕様
通常盤「スタンダード・エディション」
2520円(SICP-3788)
全15曲(日本盤ボーナストラック1曲収録)
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
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