次世代コンパクト メルセデス「Aクラス」国内導入開始|Mercedes-Benz
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2018年12月6日

次世代コンパクト メルセデス「Aクラス」国内導入開始|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz A Class|メルセデス・ベンツ Aクラス

次世代コンパクト メルセデス「Aクラス」国内導入開始

メルセデス・ベンツ日本は4代目となったコンパクトモデル「Aクラス」を発表した。納車開始は12月以降を予定しており、価格は322万円から。

Text & Photographs by UCHIDA Shunichi

「ハイ!メルセデス」で会話が楽しめる

先般ティザーCMなどでおなじみとなった新型「Aクラス」。その注目はやはり“Hi Mercedes(ハイ、メルセデス)”ではないだろうか。これが起動キーワードとなるMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)という新開発の対話型インフォテインメントシステムから解説を始めよう。

その特徴のひとつが、人工知能による学習機能で、特定のユーザーに適応する個別対応能力を備えていることだ。それにより、クルマとドライバーや乗員の間に“心の結びつき”が育まれるという。その他にも、高精細ワイドスクリーンコックピット(10.25インチワイドディスプレイでタッチスクリーン操作対応)や、自然対話式音声認識機能を備えたボイスコントロールなどもある。

このボイスコントロールは「ハイ、メルセデス」をキーワードとして起動する。これにより、インフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)に加え、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様なセッティングが可能となる。ここで面白いのは、従来の音声認識機能は命令語が決まっており、ユーザーがそのとおりに発話する必要があったのに対し、MBUXの音声認識機能は、自然言語認識機能の搭載により、事実上ほとんどの命令に従い、インフォテインメントおよび車両操作関連の文章を認識・理解できることだ。例えば「ちょっと暑い」といえばエアコンの設定温度が下がる仕組みだ。

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また、学習能力も備えており、クラウド上のソフトウェアモデルによって新しい流行語を覚えたり、時代による言葉の用法の変化を学習したりもするという。対話の出力においても、これまでのように定型文言ではなく、受け答えがさまざまに変化もするので、使えば使うほど、多様な“会話”が楽しめそうだ。

MBUXは高度な個別対応能力と学習能力を備え、ユーザーに合わせて適応もする。MBUXに備わる予測機能は、人工知能を利用して、ユーザーが次に何をしたいかを予測するのだ。例えば、定期的に決まった電話番号へ電話をするユーザーに対しては、その時刻になるとディスプレイに相手の電話番号を“おすすめ”として表示するなど、ユーザーごとの特徴を認識・判別しそれに合わせた対応を行う。

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同様にナビゲーションシステムでは、ユーザーがよく通行するルートを検知すると、そのルートを使った際の目的地への案内をバックグラウンドで開始。ナビゲーション画面に、“おすすめ目的地”として表示する。さらにそこへ行くことを確認するだけで、渋滞に関する警告など、ルートに関するあらゆる情報をすぐに得ることができる。

このほかにも、個別認識によって、それぞれのユーザーの好みのシートやドライバーズシートポジションをはじめ、メーター表示などがセッティングされ、仮に誰かとクルマをシェアした場合でも、即自分の好みの仕様に戻すことが可能だ。

ダイムラー車研究開発部門MBUXユーザーインタラクションコンセプト担当マネージャーのトビアス・キーファー氏は、開発のポイントについて、「ドライバーとクルマとのやり取り、インタラクションを進化させるということでした。我々のアプローチは人を中心に考えているイノベーションで、このシステム自体はユーザーの個人的なニーズを満たすためのシステムであるべきだという考えからスタートしています」と “人”を中心に開発が行われたことを明かした。

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次世代コンパクト メルセデス「Aクラス」国内導入開始(2)

モデルバリエーションは1エンジン、2グレード

日本に導入されるモデルは「A 180」のみで、「A 180」と「A 180スタイル」の2つのグレードが設定される。そのパワートレインは1.4リッター4気筒ガソリンエンジンでM282型と呼ばれるものだ。先代に比べ重量が削減されたこのエンジンは、同時にパフォーマンスも向上し、先代の1.6リッターエンジンよりも14psアップした136psを発生。CO2の排出量は15パーセント削減された。ターボチャージャーは電子制御ウェストゲートを搭載しており、フレキシブルな過給圧制御により、低負荷域においても最適な過給圧を設定することができる。

そのほかにも「M282型はさまざまなNVH対策を施すことにより、メルセデスのユーザーが期待している快適性を担保しています」と、ダイムラー車研究開発部門コンパクトモデル開発プロジェクトリーダーのオリバー・ゾルゲ氏は語った。具体的には、吸気ダクトにヘルムホルツ共鳴機を採用。触媒コンバーターには遮音シールを施したほか、ヘッドカバーもノイズ低減の役目を果たしているとした。

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感情に訴えるエクステリア

最新のメルセデス・ベンツのデザインをまとったAクラスは、「スポーティでダイナミック、そしてエモーションという言葉に象徴されています」とゾルケ氏。メルセデス・ベンツのデザイン思想“Sensual Purity(官能的純粋性)”をさらに一歩進め、コンパクトな2ボックスデザインをベースにサイズやプロポーションを最適化している。

先進的なフロントデザインは、低い位置にあるボンネット、クロームで縁取られたLEDヘッドランプ、トーチのようなデイタイムランニングライトにより、「心に響く魅力的なエクステリアを担保しています」と話す。また、スリーポインテッドスターを配したフロントグリルのシルエットは末広がりとなっており、先代のデザインを踏襲。ダイヤモンドグリルとシルバーのルーバーがスポーティさをより強調している。さらにインレットの部分は、バンパーより低いところにあり、ラジエーターグリルと同じシルエットが施されている。

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リアはより広くなった印象を与えるが、これはショルダー部を強調したグリーンハウス下のくびれが大きくなったことと、モジュール型に分割したリアバンパー内臓のリフレクターの間隔が広くなったことによるものだ。またスリムな2分割リアコンビネーションランプは「感情に訴える魅力的な外観が特徴です」とゾルケ氏。そしてハイグロスブラックのスポイラーは大きく空力性能を改善しているものだ。

もうひとつエクステリアでは、オプション設定のマルチビームヘッドランプが特徴といえる。「これまでのコンパクトカーからラグジュアリーへのテクノロジーの移行を象徴しています」とゾルケ氏がいうこのヘッドランプのコントロールユニットは、光の調整をミリ秒以内で行い、前方の道路は明るく精密に照らす。このヘッドランプには18の個別に作動するLEDが入っており、さまざまな交通状況に順応する。アダプティブ ハイビーム プラスでは、対向車に幻惑を与えないためにここのハイビームモジュールを部分的に遮光。街灯などのない暗い道路を30Km/h以上で走行中に機能する。

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アバンギャルドなインテリア

「モダンでアバンギャルドな見た目です。全く新しいアプローチによって、コンパクトクラスに中身から革命を起こしているのです」とゾルケ氏がいうインテリアは、特にダッシュボードのアバンギャルドなデザインが特徴的だ。通常のメーターカウルなどを廃し、羽の形をしたインストルメントパネルが、両側のドアをシームレスにつなげている。ワイドスクリーンディスプレイはオンダッシュで、タービンを想わせるスポーティなエアアウトレットも特徴的だ。

トランクも刷新された。積載容量が拡大し、積載自体も容易になっている。容量は先代モデルよりも29リッター大きい370リッターへと拡大。前述のとおりリアコンビネーションランプを2分割したことでテールゲートの開口部がこれまでより20cm広くなったほか、ラゲッジルームフロアの長さも11.5cm拡大している。

もうひとつ、今回の開発で力を入れたのが視界の向上だ。ドアミラーの配置をピラーからドアに変えたほか、A、B、Cの各ピラーを細くすることで10パーセントも向上したという。

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根本から手を入れたボディ

ボディは剛性向上のために素材の厚さをはじめ、その品質、最新技術を組み合わせることで高い剛性を確保。特にテールゲート周りでは「Eクラス ステーションワゴン」で長年にわたって大きな成果を上げてきた構造コンセプトを採用。具体的には、テールゲート開口部を取り巻くDリングの独自形状によって、シーリング下部を完全にリアフロアより下に置きながら、先代と同様の優れた剛性を維持することが可能となった。その結果、積載容量を増やすとともに、積載エリアの拡大にも貢献した。

新型Aクラスでは安全性強化としてアクティブ ボンネットを採用したほか、「Sクラス」と同等の安全機能を備えており、特にAクラスではアクティブブ ラインドスポット アシストに降車時の警告機能が追加された。降車時にドアを開けるタイミングで、後方から歩行者や自転車等が近づいてきた場合に警告を発するもので、これはまだSクラスでも採用されていない技術である。このように、メルセデスではヒエラルキーではなく、そのクルマのデビュータイミングに合わせて最新の安全に関するシステムを搭載しているという。

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800台以上の予約受注で順調な滑り出し

Aクラスは1998年にコンパクトモデルとしてデビュー。2013年のフルモデルチェンジでは、「新世代のスポーツコンパクトとして大幅な進化を遂げ、メルセデスのエントリーモデルとして多くのお客様に親しんでもらい、日本では累計4万5,000台を販売しました」とは、メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏の弁。そして、「我々のフラッグシップモデルであるSクラスとほぼ同等の最新の安全運転支援システム、そしてメルセデス初の対話型インフォテインメントシステム、MBUX(メルセデスベンツユーザーエクスペリエンス)を搭載した新しい時代を切り拓くモデルです」と期待を寄せる。

また、「9月3日よりスピーディーかつ特典付きの購入が可能なオンラインプログラム、プレオーダーメルセデスにて新型Aクラスの予約を開始。すでに800台オーバーの注文予約をもらっています」と、好調な滑り出しであることを強調した。

問い合わせ先

メルセデスコール

0120-190-610

           
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