ルノー カジャー 限定車を先行販売|Renault
Renault Kadjar|ルノー カジャー
ルノー カジャー 限定車を先行販売
ルノー・ジャポンはCセグメントSUVの「カジャー」を来年1月より販売を開始する。それに先立ち、8月31日よりBOSEサウンドシステムとパノラミックルーフを装備した限定車、「カジャー Bose」を100台限定で発売した。価格は344万円。
Text & Photographs by UCHIDA Shunichi
これまでのルノーデザインを踏襲したエクステリア
2015年のジュネーブショーで、CセグメントSUVとしてデビューしたルノー「カジャー」。そのプラットフォームは日産「キャシュカイ」等と同じルノー日産アライアンスのCMFを使用している。
日本に導入されるモデルは1.2リッター直噴ターボエンジンを搭載した前輪駆動で、最高出力は131ps、最大トルクは205Nmを発生。オーバーブースト機能により、2速と3速の低速域でのトルクが増大し、2リッター級の加速感が味わえるという。
組み合わされるトランスミッションは、デュアルクラッチ電子制御7段AT(7EDC)。これまでの6段から7段へ進化したとともに、クラッチを乾式から湿式変更し、よりスムーズな変速とトルク伝達が行われる。
エクステリアデザインは、デザインスケッチを忠実に実車に落とし込むことを目指し開発。これまでのSUVのような直線中心ではなく、多くの曲面で構成され、アスリートの筋肉質な力強さを表現している。同時に「ルーテシア」などのドア周りの曲線と近似性も持たせている。
また、フロントフェイスも近年のルノーデザインのモチーフを踏襲しているが、メッキ部分をLEDヘッドライトへつなげてさらに幅広く見せることで、安定感を強調している。
インテリアは、直線基調で構成され、質感の向上が図られた。具体的にはサイドやドアトリム等にソフトパッドを採用。また、メーターはフルカラーのTFTを搭載し、5色(レッド、ブルー、ブラウン、グリーン、パープル)のカラー変更ができるとともに、表示も4種類から選ぶことが可能。
センターコンソールには、7インチのマルチファンクション タッチスクリーンを装備。「ルノーR-Link2」により、ラジオ、Bluetooth、USB、AUXを介した再生等ができるマルチメディアをはじめ、運転支援システムなどの車両の機能設定、スマートフォンに搭載されたAndroid AutoやApple Carplayを介して、スマートフォンの画面を表示。タッチスクリーンから直接スマートフォンの操作が可能だ。その動作もiPadのように非常にスムーズだという。
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長距離バカンスも得意なカジャー
ルノー「コレオス」と比較し10cm低い車高ながら、前席905mm、後席910mmとほぼコレオスと同等の室内空間を確保。室内の左右幅はセグメント最大だという。
シートは部位により弾力性の異なるウレタンを採用。特に背もたれと腰は強くサポートし、サイドサポートも適度で、乗り心地は良好。「平気で3~4時間ぐらいノンストップで運転ができるシートに仕上がっています。これは前後席問わずで、カジャーのコンセプト、アクティブ バカンスに貢献しているのです」と乗り心地の良さを強調するのは、ルノー・ジャポンマーケティング部マネージャーのフレデリック・ブレン氏だ。
トランクの容量は527リッター。6:4 分割可倒式リアシートは、ラゲッジ両サイドにあるハンドルを引くと、それぞれ別々に倒すことができる。そのラゲッジには、前後2枚のラゲッジボードが開口部と同じ高さに設置される。
通常時、ラゲッジは上下2分割されており(イージーフォールディング機能)、この状態でリアシートを倒すと、フルフラットのラゲッジスペースとなる(フラットモード)。 そこから、2枚のラゲッジボードをラゲッジ床面に設置し、リアシートを倒すとラゲッジ容量はさらに1,478リッターに拡大(最大積載モード)。 また、リアシートを起こした状態で、2 枚のラゲッジボードのうち奥側1枚をラゲッジ床面に設置し、手前の1枚をラゲッジ中央に垂直に設置すると、ラゲッジが前後に2分割させることができる。
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運転支援システムを搭載
さて、カジャーには、初めて運転支援システムが導入された。日本に導入されるシステムは、本国と同様のものが装備される。
ひとつはエマージェンシー ブレーキ サポートだ。停止までの機能はなく、30km/hから140km/hのあいだで作動。緊急を感じた場合に警告灯やブザーによるドライバーへの回避操作を促し、最終的には最大2秒間ブレーキが作動し、衝突時の被害を軽減する。
レーン デパーチャー ワーニングは、70km/h以上で作動。主に高速道路などで、右車線にはみ出しそうな時には右スピーカーから警告音が、左の車線の場合は左のスピーカーから音を発し、警告を促すシステムだ。
そして、ブラインド スポット ワーニングは、30km/h以上で作動。ドアミラーにオレンジのライトがつき、後方車両がブラインドスポットに入っていることを知らせ、ウィンカーを出すと点滅し警告を促す。
イージー パーキング アシストは、12個の超音波センサーが駐車スペースを検知。ドライバーはアクセルとブレーキ、シフト操作のみで、車側がステアリングを操作し、半自動運転で縦列や並列駐車を行うものだ。
そのほか、対向車や先行者をカメラのセンサーが検知し、自動的にハイビームとロービームを切り替えるオート ハイ ロー ビームも装備された。
さて、今回の限定車に搭載される「BOSEサウンドシステム」は、カジャー専用に設計されたもので、9つの高性能スピーカーにより室内をコンサートホールのような音響空間を再現している。
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1月発売を前倒しにしたわけ
このカジャーのコンセプトは“人生に、アクティブ バカンスを”というものだ。
「フランス人のバカンスは結構長く、その間、アクティブに楽しみ、生きています。パリから地中海まで約1,000km、アルプスまでは5,00kmぐらいなので、家族での移動は主にクルマです。その移動にカジャーがもってこいなのです。ファミリーで海や山へ行き、さまざまなアクティビティを存分に楽しみ、バカンスを過ごしているのです」とし、そういったすべての面でカジャーは実力を存分に発揮するとコメントした。
現在ルノー・ジャポンの販売状況は好調で、9月時点で昨年1年間の販売台数(5,303台、JAIA調べ)を超える勢いだ。これは「トゥインゴ」のヒットによるものと同時に販売ネットワークの拡大が大きく貢献している。
ルノー・ジャポン代表取締役社長の大極司氏は、「Aセグメント(トゥインゴ)とBセグメント(ルーテシア、キャプチャー)では確実な成長を遂げていますが、ひとつ上のCセグメントになると、メガーヌはすでに生産が終了しており新型を待っている状況。つまりインポーターとしてのメインストリームであるCセグメントのモデルは手薄になっている状態です」と明かす。
そこで、「本来の開発、生産計画では来年1月の販売を予定していましたが、より早い時期に日本のユーザーにルノーのCセグメントSUVを紹介、乗ってもらいたいという思いから、フランス側と厳しい交渉をしました。その結果100台のみ、今回日本向けに作ってもらえました」と、このモデルへの想いを語る。そして、「ここから我々はCセグメントにおいてもさまざまな新型車を投入し、インポーターのメインストリームを攻めて行きます」とした。
Renault Kadjar Bose|ルノー カジャー ボーズ
ボディサイズ|全長 4,455 × 全幅 1,835 × 全高 1,610 mm
ホイールベース|2,465 mm
トレッド前/後|1,560 / 1,560 mm
車両重量|1,420 kg
エンジン|1,197cc 直列4気筒DOHCターボ
ボア×ストローク|72.2 × 73.1
圧縮比|9.5
最高出力|96 kW(131 ps)/5,500 rpm
最大トルク|205 Nm(20.9 kgm)/2,000 rpm
トランスミッション|7段AT(7EDC)
駆動方式|FF
サスペンション前/後|マクファーソン / トーションビーム
タイヤ|225/45R19
最小回転半径|5.6 メートル
最低地上高|200 mm
限定台数|100 台
価格|344 万円