松浦俊夫|話題のパンケーキ・プロジェクト“SUNDAY JAM”のおふたりを迎えて
松浦俊夫|from TOKYO MOON 9月9日 オンエア!
話題のパンケーキ・プロジェクト“SUNDAY JAM”のおふたりを迎えて(1)
日曜の夜、上質な音楽とともにゆったりと流れる自分だけの時間は、おとなたちの至福のとき。そんな時間をさらに豊かにするのが、DJ松浦俊夫によるラジオプログラム『TOKYO MOON』――。彼が世界中から選りすぐったすばらしい音楽や知的好奇心を刺激するおとなのためのトピックスを、毎週日曜日Inter FM 76.1MHzにて24時からオンエア。ここでは、毎週放送されたばかりのプログラムを振り返ります。今週は、まもなく原宿に2号店をオープンする、逗子発の話題のパンケーキ・プロジェクト“SUNDAY JAM”のおふたりを迎え、じっくりとお話をうかがいました。
Text by MATSUURA Toshio
草原を流れる風のように心地よい楽曲たち
4年後のオリンピック開催に向けて盛り上がりをみせる南米、ブラジル。サン・パウロ、リオ・デ・ジャネイロに次ぐ第三の都市、ミナス(・ジェライス)地方は、われわれ日本人には馴染みが薄いところ。しかしながら、ブラジル音楽を愛する人にとって、このミナスの音楽は欠かせないものとなっています。
それはポルトガルやスペインなどのヨーロッパや教会の音楽の影響を強く受けた、独自のとても美しいメロディーとハーモニーが特徴の音楽。ミルトン・ナシメント、トニーニョ・オルタ、ヴァグネル・チゾなど、数多くの素晴らしいアーティストが、この地方から世界に羽ばたいてきました。
オープニングを飾った「Rama」は、今年出会った音楽のなかでも一、二を争う美しい楽曲ですが、これは、そのミナス出身のベテラン・ベーシスト、ユーリ・ポポフの手によものです。その流れで同じくブラジルの至宝と呼ばれるエルメート・パスコアル作、アイアート・モレイラ演奏による幻想的な「Bebe」を。そして、ブラジル音楽に多大な影響を受けたであろうシンガー・ソングライター、ケニー・ランキンの変拍子の名作「In the Name of Love」。さらには、ノルウェイの70年代フォーク・ジャズの蔵出し音源まで、残暑の厳しいなか、草原を流れる風のように心地よい楽曲群を紹介しました。
REVIEW|TRACK LIST
01. Yuri Popoff / Rama (panai / Nature Bliss)
02. Airto Moreira / Bebe (Buddah)
03. Kenny Rankin / In the Name of Love (Little David)
04. That's Why / Children Of The Future Age (Jazzman)
05. RT / A Nocturne (333 discs)
06. Kenji Jammer / Dreamer's Dream (UUTWO)
07. Azymuth / Morning (Far Out)
08. Evan Voytas / I Took a Trip on a Plane (Tugboat /P-VINE)
松浦俊夫|from TOKYO MOON 9月9日 オンエア!
話題のパンケーキ・プロジェクト“SUNDAY JAM”のおふたりを迎えて(2)
食も音楽も感動を受けることは共通すること
松浦俊夫(以下、松浦) 日曜日だけオープンしている、逗子にある話題のパンケーキ店「SUNDAY JAM(サンデージャム)」。主宰されている中本わかなさん、そしてDJ PANCAKEMIXさんのおふたりに来ていただきました。こんばんは。
中本わかな&DJ PANCAKEMIX こんばんは。
松浦 じつは、2年半この番組をやっているんですけど、女性のゲストってはじめてだとおもうんですよね。
中本わかな&DJ PANCAKEMIX 光栄です。
松浦 なぜいままでいらっしゃらなかったのか、よく考えると不思議ですよね(笑)。とにかく、今年の夏にDJの仕事で葉山に行ったとき、たまたま入ったこのお店(サンデージャム)のパンケーキがとてもおいしくて。「おいしいなぁ」とおもったのはたしかなんですけど――ってすいません。ぼくの想いを先にお話しさせてもらいますね。東京に戻ってから数日すると、「また食べたいな」って想いがフツフツと沸き起こってきて「次いつ行けるかなぁ」って考えていたんです。でも、日曜しか営業されていないというのもあって、それからしばらくたってもタイミングがなかなか合わなかったんですよね。で、先日「もうこの日にしか行けないな」とおもったので、2回目におじゃまして、あらためてちがう種類のパンケーキをいただいてきたんです。そのとき「これは紹介するしかないな!」って。
もうすでにパンケーキ好きの間では話題のお店なんですけど、これほどまでに虜にさせるというのはすごいとおもうんです。これまで、パンケーキを食べ尽くしてきたってわけではないですが、フワッとしているパンケーキっていっぱいありますよね。でも(サンデージャムのパンケーキは)フワッとしているのに、なかはしっとりしていて。さらに、フルーツとかもなかに入っていたりするので、とてもジューシーなパンケーキなんです。これが、ほんとにいままで食べたことのないものだったので、ぜひ番組でみなさんにもご紹介したいとおもって、葉山からおふたりにお越しいただきました。
そもそも「日曜日だけパンケーキを」ってはじめたのは、どういうきっかけだったのでしょうか?
中本わかな(以下、中本) もともと、いまサンデージャムをやっているお店の場所は、わたしが5年前から“パンカフェ”をやっている場所なんです。もともと、10年ぐらい前にはじめたパン屋の、イートインもできるお店としてオープンしました。
(5年前に“パンカフェ”をオープンした当初は)子どもが小さかったので、ずっと日曜はクローズしていたんです。それをそろそろ開けたかったっていうのと、パンでいろいろやるのはそれはそれで楽しかったんですけど、なんかこう「心からワクワクするような、ちょっとちがった方面からのお店を展開したいな」なんていろいろ悩んでいたときに、こちらのDJ PANCAKEMIXさんにそういう話を聞いてもらっていたんですよ。そのうち、彼女は前から「パンケーキをやりたい」っていうのがあったのを、「そういえば、そうだったよね!」って話になって。
わたたち、ふたりとも子どものころからパンケーキの思い出があったりとかして、これはもう「“日曜日の幸せなプロジェクト”として “パンカフェ”をクローズしている日曜に、このプロジェクトをやるしかない」ってなったのが、サンデージャムのスタートなんです。
松浦 DJ PANCAKEMIXさんは、DJをメインに活動されてたわけじゃないですか? いまもDJはつづけてらっしゃるんですけれども、プラス“パンケーキ”っていうことでそこに踏み込まれたのは、それまでのパンケーキにたいする情熱があったからという感じなんですかね?
DJ PANCAKEMIX(以下、PANCAKEMIX) 情熱はありましたね。ほかのみなさんもそうかもしれないですけど、わたしもかなりのパンケーキ好きで「どこそこのお店のパンケーキがおいしい」って聞けば、すぐ出かけていって食べてみる。そういうことをずっと繰り返してきたんですね。さっき彼女の話にもありましたけど、わたしの実家では、母が毎週日曜だけはパンケーキを焼いてくれていたんですよ。まあパンケーキというか、正確にはホットケーキ。やっぱり、わたしたち日本人はパンケーキっていう概念よりも、ホットケーキが染み付いているとおもうんですけど、うちも例に漏れず。
たとえば、みなさんご存知の某社のホットケーキミックス。それを使って母が焼いてくれる。で、朝みんなでホットケーキを食べるっていう。「そういう幸せがあったな」っていう話を彼女としていて。日曜にパンケーキを食べる――パンケーキ自体が幸せの象徴だとおもうんですけど、さらに、それを日曜の朝、家族だったり友達だったり、恋人だったり、大事な人と食べるっていうのがいいよねって。「そういう幸せな時間を再現したいね」っていうことで、日曜に当て込んでやってみようということになったんです。
松浦 今度の月曜(9月10日)、原宿に2号店をオープンするということなんですが、ここは毎日通常営業なんですよね? どういうきっかけでオープンすることになったんですか?
PANCAKEMIX そもそも2号店、しかもいま“パンケーキ激戦区”と言われる原宿にオープンするというのは、まったくわたしたちの考えにはなかったんです、正直なところ。運営は、いま(“世界一の朝食”を提供するシドニー発の人気カジュアルダイニング)「bills(ビルズ)」なんかを運営してらっしゃるトランジットさんがやってくださるんですけど、社長の中村さんは去年の夏にオープンしてから、けっこうはやい段階でサンデージャムに食べにきてくれて。で、うちのパンケーキを絶賛してくれて、何回も足を運んでくださったんです。
今年の2月のことなんですけど、トランジットさんが運営されている「Sign(サイン)」っていうカフェの代官山店に、一日だけサンデージャムを持ち込んで、メニューも全部サンデージャムのものにして、「サンデージャムのパンケーキを食べられますよ」という、一日限りのイベントをやったんですよ。
松浦 お話を聞きながらちょっと記憶をたどっていたら、ぼくその告知拝見した気が……。そのとき見過ごしてしまったこと、いまさらながら、ものすごく後悔しています。
PANCAKEMIX わたしたちのお店ではガスの鉄板を使っているんですけど、それをそのまま持ち込みまして、わかなとふたりでならんで、朝から夜まで焼きましたね。そしたら、かなりたくさんのお客さん来ていただいて。中村さんのなかでは、そのときの盛況のイメージが大きかったとおもうんですけど、今年の春ごろに「原宿に出店しませんか」っていうお話をいただきました。
中本 そうですよね。わたしたちは、もちろん原宿ができても、逗子は“はじまりの場所”ということもありますし、海の近くで海の風が吹いてというスタイルを大事にしたいとおもっています。原宿には海の風が届かないですけど(笑)、わたしたちのはじめたお店の雰囲気はなるべく持ち込んで、そういう感覚を味わっていただけたらなっていう気持ちではいますね。
松浦 原宿の方は、夜も営業されるということで、夜も楽しめるメニューが追加される予定はありますか?
中本 そうですね。この間ハワイまで行って、わたしたちなりにメニューをいろいろ考えてきて、夜は特別にタパスメニューというのができました。
松浦 もともと逗子にお住まいだったわけではなく、移り住んでお店をされたのだとうかがいました。(逗子は)すごく魅力的な場所だとおもうんですが、ひとことで言うならば、おふたりにとって逗子・葉山の魅力ってなんですかね?
PANCAKEMIX 自然に囲まれているというところと、やはり完全に田舎じゃないので、1時間くらいで都内にも行けることでしょうか。便利ではないですけれども、ちょっとした1時間くらいの距離で、自然を大いに楽しめる場所というところかな。それが一番の魅力だとおもいますね。
中本 わたしはやっぱり海ですね。毎日海に行っているわけではないんですけど、わたし海がない場所で生まれ育ったんです。大人になってから、海の見える場所とか、海にすぐ行ける場所に移り住むようになって、毎日海に行かなくても“海のある街”というのはすごく居心地がよくて、体が休まるなっていうのを感じるようになりました。いい意味での楽さ加減があって。一度住んでしまうと、これなしの生活はなかなか考えられなくなるというか。
松浦 原宿には海がないけれど、海にない楽しさをおそらく演出してくれるでしょうし、逗子・葉山のほうは、2店舗に増えたあとのオリジナルの1号店ということで、さらに楽しくなるんじゃないかなと個人的には期待しています。これからも通いつづけようとおもっているので、がんばってください。
中本&PANCAKEMIX ありがとうございます。
松浦 今夜はサンデージャムを主催しているおふたり、中本わかなさん、そしてDJ PANCAKEMIXさんにお越しいただきました。
SUNDAY JAM Zushi
住所|神奈川県逗子市新宿1-5-14
JR逗子駅より徒歩10分
または京急新逗子駅より徒歩12分
Tel. 046-872-4262
営業時間|パンカフェ「wakanapan&Double Sandwich」 水曜~土曜 11:00~17:00(L/O 16:30)
SUNDAY JAM 日曜のみ 8:00~17:00 (L/O 16:30)
定休日|月曜・火曜
SUNDAY JAM Harajuku
住所|東京都渋谷区神宮前4-28-28 Lucessimoビル 2F
JR原宿駅より徒歩10分
地下鉄神宮前駅より徒歩5分
Tel. 03-3478-5707
営業時間|9:00~22:00 (L/O Food 21:00、Drink 21:30)
問い合わせ
info@wfactory.jp
http://wakanapan.com
毎週日曜日24:00~24:30 ON AIR
Inter FM 76.1MHz
『TOKYO MOON』へのメッセージはこちらまでmoon@interfm.jp
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