MaxMara｜ブランド創設60周年記念“Coats!”展詳細リポート

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ハイライトはモスクワ！　マックスマーラ創設60周年記念

“Coats! MaxMara, 60 Years of Italian Fashion”

5年間、世界中を旅してきた展覧会“Coats! MaxMara, 60 Years of Italian Fashion”が、モスクワで開催中だ。マックスマーラの伝説のキャメルカラーコート“101801”からインスパイアされたアート作品など、見どころは満載。公開前日おこなわれたガラパーティでは、ロシアを代表するセレブリティが集結した。

写真＝Guindani/Lucat©SGR文＝高山裕美子

最終開催地のモスクワで、有終の美を飾る盛り上がり

現在、モスクワの赤の広場にある国立歴史博物館で開催中の“Coats! MaxMara, 60 Years of Italian Fashion”。2006年にマックスマーラ創設55周年記念プロジェクトとして企画され、ベルリン、東京、北京と各国を巡回してきた同展覧会は、最終開催地のモスクワで有終の美を飾るにふさわしい盛り上がりを見せている。

“Coats！”展は、マックスマーラの代名詞であるコートの形やシルエットの変遷を中心に、イタリアファッションの歴史をたどるもの。1950年代以降に制作された希少価値のあるコート70点にくわえ、マックスマーラのアーカイブからはデザインスケッチや写真が数多く出展。なかには、1981年にはじめて制作されて以来、欠かさず秋冬コレクションに登場している伝説のキャメルカラーコート“101801”、トレンチコート、そして女帝エカテリーナが愛したといわれるファーエッジのハーフコート、さらにマックスマーラ歴代のデザイナー、カール・ラガーフェルドなどが手がけたコートも展示されている。

「我われのブランドの象徴である、“コート”をもっとも必要としている国であり、多くの文学作品においてもコートが描かれてきたこのロシアこそ、“Coats!”展のクライマックスにふさわしい。多くのクリエイターたちがコートのデザインを考えるとき、決まって頭に描く情景は真冬のロシアだろうからね」とマックスマーラのルイジ・マラモッティ会長は語る。

フォトシリーズ“ALBATROSS”のメイキングシーンも公開

5年前にベルリンでの初公開以来、そのたびに新作を伴ってアップデートされてきた“Coats！”展だが、アートをテーマにした展示セクションでは、サンクトペテルブルグ出身の有名アーティスト、ヴァレリー・カツバによる新作が公開。マックスマーラ創設60周年記念のアートワークとして特別に創作されたのは、伝説となったマックスマーラのコート“101801”を用いたフォトシリーズ“ALBATROSS（When memories are awoken by birds）”だ。

カツバは撮影場所としてボリショイ劇場の隣にある、19世紀の石造建築、スピリドノフ邸を選び、コールド・ド・バレエの振り付けや動きをみずからの目で確認するために、ボリショイ劇場のリハーサル室を何度も訪れた。あるリハーサルで、アンナ・ナカペトワというバレリーナに出会い、作品の主人公に抜擢。共演する男性3名は、ソリストで「スパルタクス」の主役を務めるユーリ・バラノフ、そしてボリショイのニュースターマキシム・スーロフとアントン・サヴィチェフがコール・ド・バレエのメンバーから選出した。

※動画の公開は終了いたしました。

ストーリーボードには、かつて家族と暮らし、今は寒々しい廃きょと化した家にもどってくるヒロインが登場。家のなかを歩きまわるうちに、ヒロインはベッドルームでコートを見つける。そのコートを纏うと、彼女の脳裏には子供のころからの思い出の日々がフラッシュバックし、友達や初恋の人とともに、ときには無垢な、あるいは世俗的な彼女のイメージがつぎつぎにあらわれる……。

「インパクトの強い結果と完璧な美的バランスを得ることが、物理的にとても大変な作品でした。撮影では完璧なバランスを描いたショットを撮るために、ダンサーにはひとつひとつの動作を50回以上繰り返してもらったのです」とカツバ。

また、モスクワでの“Coats！”展開催を記念して、1880年代に建てられた「文豪の館」と呼ばれる会員制クラブ“House of Literature”でガラディナーを開催。「文豪の館」と呼ばれる“House of Literature”は、ロシア文学界を代表する多くの文豪たちが集った由緒ある館。パーティにはロシアを代表する著名人が多数参加し、ウクライナの民族舞踊団によるサプライズ・パフォーマンスが会場を湧かした。