ジュネーブの新進“マニュファクチュール”ブランド

“適正価格で楽しめる高品質なスイス時計”として、ヨーロッパはもちろん日本でも評価の高いフレデリック・コンスタント。現在もCEOを務めるピーター・スタースとその妻アレッタ・バックスが1988年にジュネーブで設立した新進ブランドだ。時計の心臓部であるテンプ部分をシースルーにして、もっともアクティブなこのメカニズムの動きを目で楽しめるようにした「ハートビート機構」を搭載したモデルでブレイクした。その後、オランダの工科大学と共同で、この機構を設計段階から組み込んだオリジナルの機械式ムーブメント「ハートビート・マニュファクチュール」シリーズを開発し、2004年から搭載モデルを発売。若いブランドながら機械式ムーブメントをジュネーブの自社ファクトリー内で開発・製造・組立できる“マニュファクチュール”、つまり本格時計ブランドとして発展をつづけている。

“古いクルマ”好きのCEOならではの新コレクション

ブランド最大のアイコンはもちろん“ハートビート機構”を搭載した腕時計だが、フレデリック・コンスタントの製品ラインナップで毎年、必ず注目を集めるのがクルマ、それもクラシックカーやヴィンテージカーに関連するモデル。これはCEOのピーター・スタース自身がこうした古いクルマの愛好家であり、世界各国でおこなわれているイギリスの名車 オースティン・ヒーリーのイベントのスポンサーを務め、ヒーリーやイベントを記念する限定版の腕時計を企画・発売してきたという経緯があるからだ。

2011年のいちばんの注目作は、このクルマ関連の新作機械式クロノグラフ「ヴィンテージ レーシング コレクション 北京パリ リミテッドエディション」。これは2010年9月10日から10月16日にかけて開催され、同社がオフィシャルタイムキーパーを務めた、総行程1万4300キロに及んだクラシックカー、ヴィンテージカーによる大陸横断長距離ラリー「北京－パリ」へのオマージュとして製作されたもの。シリーズ名にふさわしい、クラシックな3つ目（インダイヤルが3つ）の端正な機械式クロノグラフで、レトロクラシックという今年の時計界のトレンドをまさに体現したモデルだ。

もちろん価格も、ブランドのポリシーそのままに非常に良心的。クラシックカー、ヴィンテージカー好きはもちろん，機械式クロノグラフの購入をお考えのすべてのひとに自信をもってお薦めできる1本だ。

ヴィンテージ レーシング コレクション 北京パリリミテッドエディション
歴史的な名車につうじるヴィンテージ感が魅力

クラシックカー、ヴィンテージカーと同様の“優雅な機械らしさ”を体現した機械式クロノグラフの新作モデル。文字盤カラーは、シルバーの文字盤にブラックスティールまたはローズゴールドプレートのインデックスと針、シルバーの文字盤にブラックのインダイヤルとアウターリングという3タイプ。ケース裏はシースルーバック仕様で、自動巻きローターも「北京－パリ」ラリーのオリジナルロゴをあしらった特別なものがセットされている。2010年に参加者が走破したルートを刻印した記念プレートがセットの特別ボックスが付属する。

自動巻き、直径43mmのステンレススティールケース、耐水加工されたクロコ型押しのカーフストラップ、シースルーバック、世界限定1888本、29万4000円（予価）。8月発売予定。

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