PORSCHE 911 Black Edition|ポルシェ 911 ブラックエディション 登場
PORSCHE 911 Black Edition|ポルシェ 911 ブラックエディション
1,911台限定の「911」
ポルシェAGは「911 ブラックエディション」を発表。1,911台限定で生産され、今春から世界各国のマーケットに導入するとアナウンスした。
文=松尾 大
ほぼ、最終型?
今年中のフルモデルチェンジが噂されるポルシェ 911。997ボディの生産ももはやあまり長くないはずだが、そんななか、997のひとつの完成形ともいえる限定モデルが登場する。ブラックエディションと名づけられた、世界限定1,911台の911はその名のとおり、ブラックのみで覆われたボディに、豪華な装備があたえられたクーペとカブリオレからなる。
この限定モデルに特徴的なボディカラーは、ソリッドブラックが標準で、オプションとしてバサルトブラックメタリックと呼ばれるより光沢のあるカラーも用意され、カブリオレのソフトトップもブラックである。ホイールは、19インチ 911ターボ II ツートンカラーホイールで、ホイールのリムから覗き見える対向4ピストン アルミニウム製モノブロックキャリパーも、ブラックで塗装されている。さらに、実用的でかつボディをシックにまとめるグレーバンドフロントウインドウが標準装備されるなど、徹底的に黒にこだわりぬいた仕上がりだ。
インテリアは、エクステリア同様、落ち着いた黒でまとめあげられ、シートはパーシャルレザーが標準。オプションでレザーインテリアを選択することも可能となっている。ステアリングホイールはスポーツデザインタイプが装備され、メータパネルもブラック。グローブボックスリッドには、911 ブラックエディションが限定生産であることを示すプレートが取りつけられ、ステンレススチール製ドアエントリーガードには黒字で“Black Edition”のロゴが刻まれる。また、ダッシュボードの装飾トリムやシフトレバー(セレクターレバー)、エアベントは、アクセントとしてアルミニウムルック仕上げがほどこされている。
サウンド面ではBOSEサラウンドサウンドシステムが標準装備。車内の音響特性を踏まえて特別にチューニングされたというこのシステムは、アクティブサブウーファーとセンタースピーカーをふくむ合計13個(カブリオレでは12個)のスピーカーと総出力385Wの7チャンネルデジタルアンプを備えている。このほかパークアシストシステム、クルーズコントロール、自動防眩ルームミラーおよびドアミラー、レインセンサーなどを装備している。
日本への割り当て台数は未定
パフォーマンスはベースとなった911 カレラとおなじとみていい。リアに搭載された水平対向6気筒エンジンは、排気量3,614 ccで最高出力254 kW(345 ps)/6,500 rpmを発生。6速トランスミッションとの組み合わせで、最高速度はクーペ、カブリオレともに289 km/h。0-100 km/h加速は、クーペが4.9秒、カブリオレが5.1秒となっている。いまやスポーツカーメーカーといえども避けてはとおれない燃料消費量は、欧州複合燃費換算でクーペは10.3ℓ/100km(9.7km/ℓ)、カブリオレの場合は10.4ℓ/100km(9.6km/ℓ)と比較的良好な数値をはじき出している。
もちろん、PDKも選択可能で、クーペでは0-100 km/h加速が4.7秒、カブリオレが4.9秒を達成。「ローンチコントロール」機能と迅速なシフトチェンジを可能にする「レーシング・シフトプログラム」が備わる、オプションのスポーツクロノパッケージ・プラスを装着すると、レスポンスはいっそう高められ、加速タイムがさらに0.2秒短縮されるという。さらに燃費面でもマニュアルモデルより優秀で、クーペが9.8ℓ/100km(10.2km/ℓ)、カブリオレが9.9ℓ/100km(10.1km/ℓ)を実現している。
そのほかのオプションとしては、スポーツ性能と快適性を向上させるポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム(PASM)、または車高を20mm低くしてLSDを装備したPASMスポーツシャシー(クーペのみ)、制動力をいちだんと高めるポルシェ・セラミックコンポジット・ブレーキ(PCCB)などが用意される。
ほぼ最終型の997。より洗練された走りが楽しめそうな一台だが、日本への割り当て台数や価格については、まだアナウンスされていない。