写真・遺品合わせて180点を公開。写真家、沢田教一が戦場で見つめた悲しみと希望

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ベトナム戦争の報道写真で活躍し、母子が戦火を逃れて川を渡る様子をとらえた「安全への逃避」でピュリッツァー賞を受賞した写真家・沢田教一の回顧展が日本橋高島屋で開催されている。

青森県に生まれた沢田は、1965年からベトナム戦争を取材。

主に米軍の作戦に同行し、最前線での激しい戦いや兵士の表情などを数多く写真に収めた。

そして、1970年、カンボジアでの取材中に銃殺されるまでのわずか5年という本格的なキャリアの中で、ピュリッツァー賞のほか世界報道写真コンテスト2年連続大賞、USカメラ賞、ロバート・キャパ賞(死後受賞)などの輝かしい実績を残した。

米軍の重要作戦をカバーし続け、1968年の「フエの攻防」では、ベトナムの古都で繰り広げられる激しい市街戦の模様を世界に伝えた沢田。

本展では妻・サタさんの全面協力のもと、こうした戦場カメラマンとしての業績とともに、故郷・青森を写した作品や東南アジアの人々を切り取った姿など、写真作品約150点とともに、カメラやヘルメットなどの遺品や愛用品も約30点展示される。

沢田の写真に通底するのは、優しい眼差し。

疲れ果てた名もなき米兵、家を追われたベトナムの市民、故郷・青森の貧しい漁民など、状況の異なる被写体を捉えながら、彼らがすがるかすかな希望や、懸命に日々を生きる姿を写し出している。

沢田は、「そこに生きる人々を撮りたいんだ」と語り、戦争カメラマンと呼ばれるのを嫌っていたという。

ベトナムでの大活躍の先に見ていた未来とは…。

サタさんをはじめ関係者の証言を紡ぎながら、34歳で殉職した「写真家」の業績をたどる、貴重な展示だ。

「写真家 沢田教一展―その視線の先に」
開催期間|~8月28日(月)
開催場所|日本橋高島屋8階ホール
主催|朝日新聞社
入場料|一般800円、大学・高校生600円、中学生以下無料
※入場時間|午前10:30~19:00(19:30分閉場)/最終日は17:30分まで(18:00閉場)
公式ページ|https://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/sawada.html

問い合わせ先

日本橋高島屋

03−3211−4111

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