フェラーリ70周年イベント、日本でも開催|Ferrari
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2017年10月18日

フェラーリ70周年イベント、日本でも開催|Ferrari

Ferrari|フェラーリ

フェラーリ70周年イベント、日本でも開催

10月12日から14日にかけて東京は両国国技館を起点に70周年を祝うフェラーリ70周年記念日本イベント「Driven By Emotion(情熱に突き動かされて)」が開催された。

Text & Photographs by UCHIDA Shunichi

グローバルで開催されている70周年記念行事

フェラーリ70周年を祝うこのイベントは、3月12日に正式にワールドワイド セレブレーションとしてスタート。ヨーロッパをはじめアジア各国で開催されている。特に9月9日と10日にはマラネッロに世界各国から500台以上ものフェラーリによるパレードが行われたほか、過去最大級のワンメイク オークションもあり、35台のフェラーリがオークションにかけられ、その中に830万ユーロで取引された特別な「ラ・フェラーリ アペルタ」も含まれていた。この収益金は世界中の恵まれない子どもたちに教育を受ける機会を提供するセーブ・ザ・チルドレンに寄贈されたという。

またフィオラーノサーキットでは、120台を20のクラスに分け「フェラーリ70 コンクール デレガンス」も開催された。「この優雅さと高い希少性を備えた歴史的な名車による壮大なディスプレイは圧巻でした」と、フェラーリ極東・中東エリア統括CEOのディーター・クネヒテル氏がコメントするほどすばらしいものだったという。

Ferrari 70th|フェラーリ 70周年

Ferrari 70th|フェラーリ 70周年

日本でも両国国技館で開催

日本では大きく2つのイベントとして開催。ひとつはフェラーリエキシビションとして、両国国技館の入り口にフェラーリ70年間の歴史を彩ってきた歴代車両約40台を展示。その中には、世界に一台の「SP1」、や世界6台限定の「セルジオ」、10台限定の「J50」などのほか、フェラーリ テーラーメイド アトリエが作成した、フェラーリの歴史を彩る代表的なクルマからイメージを得た、フェラーリ70周年記念限定テーラーメイド車輌も5台が公開された。

「このすばらしい車両の数々は、我々のことを、情熱を持って何十年も支え続けてくれたカスタマーの皆様が提供してくれたものです」とクネヒテル氏。

もうひとつは、エクスクルーシブ ジャパン ラリーで、これは13日から14日にかけて行われた70台のフェラーリによるラリーだ。両国国技館を起点に、富士山や静岡県竹島周辺のエリアを経由して名古屋で一泊。翌日は最終目的地の伊勢神宮まで総走行568kmのルートをドライブした。

Ferrari La ferrari Aperta|フェラーリ ラ・フェラーリ アペルタ

Ferrari|フェラーリ

フェラーリ70周年イベント、日本でも開催 (2)

初公開された70周年記念テーラーモデル

フェラーリ70周年記念限定テーラーメイド車輌は、フェラーリ70年の歴史の中で、フェラーリを最も象徴していると思われる70のカラーリングを選定。これを現在のフェラーリのラインナップの全5モデルに適用し、合計350台が作られ、完売している。

そのうち5台が日本でお披露目された。

488 GTB」をベースにしたデザイン番号#18 “The Fangio” ファンジオは、「290MM」(1956)から着想を得ている。290 MMは、アルゼンチン出身の伝説の名ドライバー、ファン・マヌエル・ファンジオが 1956 年のミッレ・ミリアに出場するために作られた。アルゼンチン国旗の色、ブルーとイエローのレーシングカラーが施されている。

Ferrari 70th tailor made model #33 "The Surtees"(Ferrari California T)|フェラーリ 70周年記念テーラーメード #33 ザ サーティース(フェラーリ カリフォルニアT)

#33 "The Surtees"

#65 "The Plein Air Pleasure"

デザイン番号#33 “The Surtees”サーティースは「カリフォルニアT」がベースで、「158 F1」(1964)デザインを応用。レーシング界のレジェンド、ジョン・サーティースは、この158 F1をドライブして1964 年の世界選手権タイトルを獲得している。そこでカリフォルニアTをビアンコ イタリア、トリプルレイヤーの外装と、フロント ボンネットにブルーマリンでラインとカーナンバーをあしらったデザインに仕上げられた。

F12ベルリネッタ」をベースにした、デザイン番号#52 “THE GTO”は、「GTO」(通称288GTO)からインスパイアされたデザイン。リミテッドシリーズを目的としたGTOは、1984年のジュネーヴモーターショーのデビューし、ニーズに合わせて生産台数が増やされた。今回はクール ホワイトのボディとブラックとオレンジのインテリアを備えている。

Ferrari 70th tailor made model #70 "A is for Aperta"(Ferrari California T)|フェラーリ 70周年記念テーラーメード #70 A イズ フォー アペルタ(フェラーリ カリフォルニアT)

#70 "A is for Aperta"

Ferrari 70th tailor made model #54 "Celebrating an Anniversary"(Ferrari F12 Berlinetta)|フェラーリ 70周年記念テーラーメード #54 セレブレイティング アン アニバーサリー(フェラーリ F12 ベルリネッタ)

#54 "Celebrating an Anniversary"

デザイン番号#65 “Plein Air Pleasure” オープンエアの喜びと名付けられた車輌は、「488 Spider」。「SAアペルタ」(2010 年)をモチーフとされた。SAアペルタは、フェラーリとピニンファリーナの提携80周年を記念して製造されたリミテッドエディションのロードスターだ。ライトブルーのエクステリアとブラックとブルーのインテリアが、オープントップでの走りと、と空と一体化する喜びを表現している。

最後はデザイン番号#70 “A is for Aperta” アペルタのAで、カリフォルニアTがベースだ。「458スペチアーレA」(2014)は、イエローのボディとホワイトとブルーのレーシングストライプを備えたリミテッドエディション。純粋なドライビングプレジャーを堪能できる「458」の成功を祝したモデルであった。

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フェラーリ70周年イベント、日本でも開催 (3)

ラ・フェラーリアペルタも

そして、ラ・フェラーリ アペルタも日本で正式に公開された。世界で209台しか製造されなかったが、その後、210台目が製造され、9月9日に開催されたチャリティー オークションに出品。830万ユーロ(約10億7,700万円)という記録的な価格で落札された。

ラ・フェラーリ アペルタは、2016年10月のパリモーターショーで発表された、フェラーリ創設70周年を記念して発売したモデルで、「ラ・フェラーリ」のオープントップバージョンとして、フェラーリの最も“情熱的な”ユーザーのために開発された最新の限定エディションモデルである。

フェラーリを所有するという夢と、湧き上がる感情

「70周年という節目は我々に、フェラーリの歴史、そしてエンツォ・フェラーリが何を成し遂げたかを改めて振り返る機会でした。そして、振り返るたびにフェラーリが築き上げてきた財産、伝統を改めて発見することができたのです」とクネヒテル氏は語る。

その始まりは創設者であるエンツォ・フェラーリが小さなチームで、会社の“ハート”となるもの、会社の歴史の基準となる12気筒エンジンを開発したこと。そして、1947年3月12日、その自然吸気12気筒エンジンが「125S」に搭載され工場の門をくぐり出たのだ。これ以降、フェラーリの歴史的名車の多くが12気筒エンジンを搭載している。

Ferrari La Ferrari Aperta|フェラーリ ラ・フェラーリ アペルタ

La Ferrari Aperta

Ferrari La Ferrari Aperta|フェラーリ ラ・フェラーリ アペルタ

クネヒテル氏は、「世界で最も有名で、しかも世界中の人々の心を刺激する企業を創設したエンツォ・フェラーリが成し得たことは驚異の一言に尽きます」とし、「今日フェラーリ オーナーになるということは、非常に速い高性能スポーツカーを所有するというだけにとどまらず、それは夢の一部であり、フェラーリオーナーとなって初めて手にすることができる特別なもの、フェラーリを所有しドライブすることでしか得られない湧き上がる感情の世界なのです」という。

今回のイベントのタイトルでもあるDriven By Emotionは、フェラーリがよく使うタグラインだ。これについてクネヒテル氏は、「言葉で表すのは難しいのですが、フェラーリをドライブする機会を得た多くの方々から、世界の他のブランドの車両でもたらされることのない、ある種の感情が湧き上がるという声を聞くことがあります。それこそがまさにブランドの精神なのです」と説明。

Ferrari La Ferrari Aperta|フェラーリ ラ・フェラーリ アペルタ

La Ferrari Aperta

Ferrari La Ferrari Aperta|フェラーリ ラ・フェラーリ アペルタ

さらに続けて「我々はフェラーリのステアリングを握ったすべての人達に、単に速い車輌のエクスペリエンスだけでなく、その人のハートを刺激する別のエクスペリエンスを届けたいのです。我々にはそれを達成させるための小さな秘密があります。それは車輌のテクノロジーに隠されていて、ビークルダイナミクスと呼んでいるものです」と述べる。

「新型モデルを導入するたびに、ドライビングの際にこれまでにない新しいエモーションが湧き上がるような技術的な特徴に注意を払っています」とクネヒテル氏。「そこで、我々が開発した全てのモデルには、以前のモデルとは異なる革新的な技術を採用しており、ステアリングを握った人はそれを感覚で理解出来ます。つまり、どれだけのエモーションを提供するかということを重視して開発しているのです」とフェラーリの“精神”とはつまり、所有する喜びとともに、ドライビングから得られる感情に訴えてくるエモーションが重要であることを語った。

           
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