日本、中国、韓国、東南アジア各国から約340人ものゲストを招待して開催されたイベントでは、1884年の創業からを現在まで数多くの名品をリリースし続けてきたブランドストーリーを展示。ブースの各所には、世界的クロノグラフ・コレクターであるフレッド・マンデルバウム氏が所有するブライトリングのヴィンテージウォッチも陳列。1915年に世界初の独立した専用プッシュボタンを備えたクロノグラフ腕時計を開発して以来、パイロットウォッチの先駆者といわれてきたブライトリングの歴史と伝統が見事に視覚化された夜となった。

祐真　「20代でスタイリストの仕事を始めた頃。雑誌『POPEYE』でFDG（エフデジェ＝フランス版プレッピー）や渋カジのスタイリングに、ブライトリングの腕時計をよく使っていました。クロノグラフのパイオニアで洗練されたミリタリーテイストが格好よかった。当時の僕にとっても憧れの時計でしたね」

ブランドヒストリーの展示では1960年代のヴィンテージに惹かれたという編集大魔王。特に自身の生まれた年である1965年のブースに展示されたダイバーズウォッチ「スーパーオーシャン」は、ガン見するほどその造形に目が釘付けになったという。

祐真　「ブランドの歴史をたどっていくと、パイロット御用達だったり飛行機のコックピット搭載用計器にも用いられたりしただけあって、初期はガチな機能寄りのモデルが多く見られました。ポップカルチャーが花開く60年代以降には、文字盤やデザインにもファッション性が感じられるようになり、スタイリッシュなデザインや「007」映画に使われるようなシックなモデルもリリースされるようになっています。パイロットウォッチからスタートしたブランドが時代の変遷とともに進化してゆく経過は、見ていてすごく面白かったです」

Page02. イベント後の晩餐会では……

イベント後の晩餐会では、昨年夏にブライトリングのCEOに就任したジョージ・カーン氏がステージに登壇。ブランドが受け継いできた豊かな遺産や、これから語り継がれるべき未来への取り組みを語り、同時に新作の「ナビタイマー 8」を発表。タフで男らしいパイロットウォッチというイメージから、エレガントでラグジュアリーなタイムピースへと変革を遂げる意欲を大いに語った。

祐真　「自分がブライトリングの腕時計をスタイリングに使っていた30年前は、ブライトリング＝タフな空軍の腕時計というイメージがあったので、当時のストリートファッションにあわせることがクールに見えたものでした。それが今後、よりクラシックでエレガンスな雰囲気の腕時計をリリースしていくというのは興味深いですね。コレクターの方のお話を聞いていても、ブライトリングには歴史と技術という大きなヘリテージがある。そして今回のイベントで改めてアイコニックで新鮮だと思ったのが、ブライトリングの『B』のロゴ。これからの展開が非常に楽しみです」