リシャール・ミル|Richard Mille|S.I.H.H. 2010
WATCH & JEWELRY / SIHH&BASEL
2015年3月27日

リシャール・ミル|Richard Mille|S.I.H.H. 2010

Richard Mille|リシャール・ミル

自由奔放なアイデアと新素材
時計界の「F1チーム」は、10年目もトップを独走中

その斬新な発想力で、腕時計の世界にセンセーショナルを巻き起こしたリシャール・ミル。10年目を迎えた今年も、革新機能と未来感覚を融合させた新作を我われに見せてくれた。

文=渋谷康人

今から9年前の2001年、“複雑機械式時計=伝統的”という過去の文法にとらわれず、ブランドの枠を超えた時計技術者たちの叡智をみずからの人脈で結集させ、夢の時計開発・製造チームを編成。リシャール・ミルは、宇宙航空分野の先端素材を大胆な導入で高級スポーツウォッチの概念を革新し、センセーションを巻き起こしたウォッチコンセプターだ。

ブランド誕生10年目に当たる2010年、彼は世界の高級時計をリードする老舗名門が集うジュネーブサロンを、新作発表のステージとして選んだ。

クラシックの王道を行く老舗や名門ブランドの新作群とともにその新作を鑑賞すると、“まるで未来から来たような”突き抜けた革新性にあらためて感銘を受ける。

未来的なイメージで人気の高い「RM021」の発展モデル「RM022 エアロダイン デュアルタイムゾーン」と超薄型レクタンギュラー(角形)モデル「RM016」のケースにトゥールビヨンを組み込んだ「RM017 トゥールビヨン」。また、昨年発表されたダイバーズの新作「RM028」――どれもリシャール・ミルでなければ考えられない大胆なデザインと革新的な機能を備えた意欲作だ。

この9年間、彼のプロダクトに触発された腕時計がさまざまなブランドから登場した。だが、時計の未来を競うレースで、彼のチームを脅かすライバルはいまもまだあらわれていない。独走状態は、まだまだ今後もつづきそうだ。

東邦時計
Tel. 03-5807-8162

           
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