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2020年8月5日
CHAPTER2 高度な堅牢性をともなう実用機としての起源は、ダイバーズモデルにあった|TUDOR
TUDOR|チューダー
フランス、アメリカをはじめとする世界の海軍が、チューダー製ダイバーズウオッチを正式採用
1950年代以降、チューダーは世界中の海軍へ、ダイバーズウオッチを提供してきました。それは類稀なる堅牢性や信頼性の証明でもあります。その哲学は、現在のコレクションにも息づいているのです。
1954年、チューダー初のダイバーズウオッチは、当時急拡大していたスキューバダイビングのプロダイバーたちに向けたものでした。信頼性、堅牢性、そして水中での正確な時間測定を可能にする腕時計として、チューダーのダイバーズウオッチは誕生したのです。以降、チューダーは世界の海軍に腕時計を提供するサプライヤーとして名を馳せ、確固たる品質と先駆性を持つダイバーズウオッチを提供していきました。
1954年、チューダー初のダイバーズウオッチは、当時急拡大していたスキューバダイビングのプロダイバーたちに向けたものでした。信頼性、堅牢性、そして水中での正確な時間測定を可能にする腕時計として、チューダーのダイバーズウオッチは誕生したのです。以降、チューダーは世界の海軍に腕時計を提供するサプライヤーとして名を馳せ、確固たる品質と先駆性を持つダイバーズウオッチを提供していきました。
Text & Edit by TSUCHIDA Takashi
THE FRENCH NAVY
チューダーと海軍の物語は、1956年に端を発します。その年、フランス海軍は、チューダー オイスタープリンス サブマリーナー(Ref.7922)を試験的に採用しました。そしてその性能が認められると、ほどなくして正式採用。過酷なフィールドテストのなかで、フランス海軍が次に求めたのは、200メートル防水性能でした。
その条件を満たすために改良を重ね、「ビッグ・クラウン」の愛称で呼ばれる新たなオイスター プリンス サブマリーナー(Ref.7924)が誕生。フランス海軍はその後もさまざまなモデル(Ref.7928、7016)を採用し続け、過酷な任務の中で使用していました。
フランス海軍に提供された中で、最も有名なダイバーズウオッチと言えば、ブルーダイアルのサブマリーナー(Ref.9401)。「スノーフレーク」針と呼ばれるデザインの時針は、暗闇のなかで水中に潜る際の視認性を確保するために生まれたものです。
ケースバックにはフランス海軍の頭文字である「MN」(マリーン ナショナーレ)の文字とともに、提供された年が刻まれており(1977年に提供されたものには「MN77」の刻印)、ブレスレットがつかない状態で軍へと納められました。その腕時計はフランス海軍内で作られた黒のファブリックストラップや、状況によってはパラシュート素材を使用したストラップを取り付けて使用されていたようです。その後、チューダーのサブマリーナーは、1980年代半ばまで標準採用され、提供自体は2000年代前半まで続きました。
THE UNITED STATES NAVY
チューダーとアメリカ海軍との関係は、1950年後半に提供されたチューダー オイスター プリンス サブマリーナー(Ref.7924)が始まり。そして、最も関係が深いと言われているのが、その後のRef.7928です。自動巻きキャリバー390を搭載するこのモデルは、幾度の改良を重ね、特徴的なリュウズガードとダイアルデザインを持つモデルへと進化を遂げました。そしてそれはアメリカ海軍の特殊部隊Navy SEALsをはじめとするさまざまな部隊に採用されることになりました。
1970年代後半になると、アメリカ海軍は「スノーフレーク」針を搭載したモデル(Ref.7016、9401、9411)を採用し始めました。ストラップはフランス海軍の場合と同様に、軍から隊員へ提供され、それは同時に腕につけるコンパスや温度計用にも併用できるように設計されていました。
一方で、アメリカ海軍に提供されたモデルについては、ケースバックに様々な刻印の種類が存在するものの、フランス海軍のように年次の刻印はされませんでした。
チューダーとアメリカ海軍の知られざる繋がりとして「コマンドー」と呼ばれるプロジェクトが存在します。1967年に開始されたその試みは、当時採用されていたRef.7928に代わるモデルを開発するというものでした。この新たな腕時計は、アメリカ政府によって取り決められた基準を満たす必要があり、最新の調査のもと、技術者たちの叡智を結集した人間工学に基づく機能性が導入されたのです。すなわち、4時位置にリュウズを備えるプロトタイプが完成し、当時初となるベゼルの機能は特許出願されました。しかしこのプロトタイプは結局定番化されなかったのでした。
THE AMERICAS
カナダ海軍もまたチューダーと長きにわたり繋がりを持つ海軍です。1960年代にRef.7928を採用すると、それは1980年代まで提供され続けました。それと同時に1960〜’70年代にかけて「スノーフレーク」針を搭載するモデルも採用しています。しかしコレクターたちにとってカナダ海軍が想起させるモデルとは、Ref.76100、79090などの三角形のアワーマーカーを備えたモデルかもしれません。
アメリカ大陸の南の端、アルゼンチン海軍もチューダーの時計を採用していた過去を持ちます。1950年代後半に「ビッグ・クラウン」と呼ばれているものです。ケースバックに刻まれた「ARA」の文字は、Armarda de la República de Argentina、スペイン語でアルゼンチン海軍を示す言葉の略称です。その後は後継モデルとしてRef.7928、7016、9411などを採用しました。
そのほかにもイタリア、南アフリカ、ジャマイカなど、さまざまな国の海軍が、チューダーのダイバーズウオッチを採用しました。こうした事実のすべては、チューダーのプロフェッショナルダイバーズウオッチの信頼性を証明するものです。
問い合わせ先
日本ロレックス / チューダー
Tel.03-3216-5671
https://www.tudorwatch.com/ja