PIAGET|フランク・トゥゾー インタビュー
Watch & Jewelry
2015年3月27日

PIAGET|フランク・トゥゾー インタビュー

PIAGET|ピアジェ

過去から未来へと受け継がれる

ピアジェ薄型ウォッチの伝統

ピアジェの歴史的名品である1960年製の薄型自動巻きムーブメント「Cal.12P」が今年生誕50周年を迎えた。これを機に新開発のムーブメント「Cal.1200P」を発表したピアジェ、同社のウォッチメイキングについて聞くべく、ウォッチ・マーケティング・ディレクターであるフランク・トゥゾー氏をたずねた。

写真=JAMANDFIX文=野上亜紀

ピアジェが、その生誕の地であるスイスのラ・コート・オ・フェに時計工房を構えたのは1874年のこと。自社一貫生産を手がけるマニュファクチュールブランドとして高精度の薄型時計に特化し、数々の開発を行ってきた。同社の偉業としていまでも語り継がれるのが、1957年に発表された厚さ2mmの薄型手巻きムーブメント「Cal.9P」、そしてその3年後に発表された薄型自動巻きムーブメントである厚さ2.3mmの「Cal.12P」だ。いずれもその薄さでギネスブックに登録され世界に名を広めたムーブメントだが、今年2010年、後者のCal.12Pは生誕50周年を迎えた。そのアニバーサリーモデルとして登場したのが、Cal.12Pの後継機である「Cal.1200P」を搭載した新作の「ピアジェ アルティプラノ」だ。この記念すべきモデルについて、そしてピアジェのウォッチメイキングとはなにか、同社ウォッチ マーケティング ディレクターであるフランク・トゥゾー氏にたずねた。

薄型ウォッチの新機軸、Cal.1200Pを搭載の新作ウォッチ

「Cal.12Pはピアジェの偉業として名高いムーブメントですが、このCal.1200Pもおなじくあらたな伝説となるべくして誕生したムーブメントです。マイクロローター搭載の自動巻きムーブメントCal.1200Pは、昨今流行の“大きさ”というトレンドを反映したもの。時計としての径は大きめの43mmですが、ムーブメントの厚さは12Pより0.5mm増しただけの、2.35mm(時計の厚みは5.25mm)です。パワーリザーブも最初は42時間でしたが、最終的には45時間を達成しました。ほかにはスモールセコンドをつけたCal.1208P搭載のモデルもありますが、今後も私たちの愛するCal.1200Pをベースとした、さまざまな作品に挑戦していきたいと思っています」

PIAGET|ピアジェ 01

PIAGET|ピアジェ 02

ムーブメントにもケースや文字盤同様の“美しさ”を求めるのがピアジェの使命、とトゥゾー氏はつづける。その開発に、およそ3年の月日がかかった。
「新作のピアジェ アルティプラノは、3層構造の立体的な文字盤も美しい時計です。ムーブメントが薄くなればなるほど、時計のクリエイティビティは広がるもの。薄さはデザインを左右する重要な要素ですから。今回の新作でことにむずしかったのが、やはりケースとムーブメントが織りなす全体のバランスですね。エレガントな時計というものは、見た目の美しさはもちろん、着け心地のよい時計であるということが肝心です。大きさを求めるという発想は時代に合わせたトレンドですが、この時計はたとえ大きめのサイズであっても薄いため、手首の細い男性の腕にもしっかりとフィットするんですよ」

美しさと実用性を兼ね備えたピアジェのウォッチメイキング

ピアジェのコレクションのなかでもことに「ピアジェ アルティプラノ」のコレクションをトゥゾー氏はこよなく愛する。今年はやはりその思い入れも深く、新作の限定モデルを購入する予定だと教えてくれた。インタビュー当日は昨年発表され人気を博しているモデル「ピアジェ ポロ FortyFive」をスマートにつけこなしていたトゥゾー氏だが、チタンケースとラバーストラップを使用したこの時計も、じつは日々手放せない一本だと語る。

「ピアジェ ポロ FortyFiveも、このスポーティ・シックなデザインがどんなシーンにも似合う時計ですよね。ことに気に入っているのがアルティプラノ同様、スーツのときに身に着けていてもシャツの下にすっきりと収まるという、とても実用的な点なんです。最近はダイヤモンドモデルも好評で、じつは30代くらいの若いひとたちにもジュエリーウォッチは人気があるんですよ。ダイヤモンドセッティングをほどこしたピアジェ ポロ Forty Five(写真)や、アルティプラノのゴールドブレスレットモデルも注目されています」

PIAGET|ピアジェ 03

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ピアジェの時計は実用性と美しさを兼ね備えているからこそ、どんな時代にも、そして何世代にもわたって愛されるのだと、トゥゾー氏は語る。

「再来年には70年代~80年代のアーカイブからインスパイアされたレディスコレクションの発表も予定しています。今後は高級時計のマニュファクチュールであるということを、より強調できるようなウォッチメイキングをおこなっていく予定です。ピアジェがまだ出していないソヌリももちろん考えていますよ、いつとはまだ言えませんが(笑)。出すからにはピアジェの名を冠しても恥ずかしくない“美しい時計”、ほかとは一線を画すような作品を出したいと思っています。あたらしい時計をつくるときはいつも、子どもを育てているような気持ちになるもの。今年のアルティプラノにかんしても、とうとう自分の子が世に巣立っていった、という思いでいっぱいなんです」

ピアジェ カスタマーデスク
0120-73-1874

           
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