BREGUET|ブレゲのプレ・バーゼル、ジュネーヴで新作を発表
Watch & Jewelry
2015年8月19日

BREGUET|ブレゲのプレ・バーゼル、ジュネーヴで新作を発表

BREGUET|ブレゲ

ブレゲのプレ・バーゼル、ジュネーヴで新作を発表

Text by OPENERS

先の1月20日、スイス ジュネーブにて開催されたブレゲのプレ・バーゼルにて、今年の新作が発表された。登場したのは「トラディション トゥールビヨン・フュゼ シリシオン」。あらたにシリコン素材のブレゲひげぜんまいを搭載したモデルである。

1795年にブレゲの創始者であるアブラアン-ルイ・ブレゲが考案した「ブレゲ式オーバーコイル(ブレゲひげぜんまい)」。ぜんまい外側の先端を内側へとカーブさせたこのひげぜんまいはすぐれた等時性を得るために発案され、いまでもたくさんの時計に採用されているものだ。

通常ひげぜんまいはメタル製でできているため、振動や磁気、重力の影響などによりゆがみが生じることがある。そこでブレゲはこのムーブメントの主要パーツへと、長い時間をかけて探求を重ねてきた。その開発には、酸化を防ぐためのゴールド製ひげぜんまいや、ブレゲの「マリー・アントワネット」に使用されている等時性改善のための円筒形ひげぜんまいなどがある。

シリコン製ひげぜんまいの探求

そして2006年には、シリコン製ひげぜんまいと脱進機を搭載した腕時計を発表、現在ブレゲの4種類のムーブメントにはシリコンパーツが搭載されている。磁気の影響を受けない特性をもつシリコンは、金属製のひげぜんまいとちがってエッチング法で直接シリコンウェーハから型抜き生成をおこなうため、さまざまな時計にあわせて正確なひげぜんまいを作り出すことができる。また軽量であるため重力の影響を受けて変形しにくく、耐衝撃・耐腐食性に富んだ素材でもあるのが特徴だ。ブレゲはその特性を活かしたシリコン製ひらひげぜんまいから、今度は先端をカーブさせたシリコン製ブレゲひげぜんまいの開発を試みる。平らなウェーハから生成されるシリコン製ひげぜんまいは薄さを均一にできるが、金属のような可鍛性をもたない。ゆえに先端を内側へカーブさせたブレゲひげぜんまいを作ることは非常に難関とされてきた。しかしブレゲはひげぜんまいの先端だけを跳ね上げるためのあたらしい製造工程により、その開発を成し遂げたのである。

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あたらしいシリコン製ブレゲひげぜんまいを採用したのが、今回発表された新作「トラディション トゥールビヨン・フュゼ」。トゥールビヨン機構と円錐滑車、鎖引き機構を用いたこのモデルのデザインは、はじめてブレゲがトゥールビヨン機構を用いた懐中時計から想を得ている。現在、チタン製のテンワとシリコン製ひげぜんまいにかんする3つの技術にかんしては特許を出願中とのこと。創業者から受け継がれてきた“発明の精神”を、如実に感じさせてくれるモデルの登場である。

Tradition Fusee Tourbillon with silicon balance spring
トラディション トゥールビヨン・フュゼ シリシオン

1時位置にトゥールビヨンを配した、シリコン製ブレゲひげぜんまい使用モデル。ゴールドダイヤルにはギヨシェ、プラチナケースにはコインエッジの装飾がほどこされている。手巻き、プラチナケース×クロコダイルストラップ、価格未定、入荷未定。

ブレゲ ブティック銀座 Tel. 03-6254-7211

           
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