Chapter 3 TOYOTA BLADE meets Fashion|ファッションディレクター森岡 弘が語る(後編)
Watch & Jewelry
2015年5月4日

Chapter 3 TOYOTA BLADE meets Fashion|ファッションディレクター森岡 弘が語る(後編)

Chapter 3

TOYOTA BLADE meets Fashion

ファッションディレクター森岡 弘が語る

乗り手の世界観を感じさせるクルマ(後編)

自らを彩る、ブレイド、ファッション、そして時計――
そんなテーマのもと、モダンかつシャープなスタイリングで人気のファッションディレクター森岡 弘氏が、トヨタ ブレイドにふさわしい“大人しくない大人”な装いを、自身のスタイリングと時計セレクションで提案します。

文=小川フミオ写真=Jamandfix撮影協力=新宿パークタワー

あくまで上品──ブランパン「フィフティ ファゾムス」

前編で森岡 弘さんが語った「匂い」という言葉は、ファッションディレクターとしての腕時計選びの際も重視するキーワード。今回、森岡さんがブレイドにマッチするものとして選んだのは3本だ。

ひとつはブランパン「フィフティ ファゾムス」。同社のスポーツコレクションのなかの1本で、スポーティさと品のよさを併せ持ったところに特長がある。森岡さんが選んだのはオールブラックのSSケースのものだ。

「これみよがしの派手さではなく、あくまで上品。ブランパンを選ぶひとはこだわりも強いと思います。今日はブレイドでドライビングを楽しむから、このスポーティなモデルしかないのだ!というほどの強い思い入れがあるほうが、カッコいいですね。自分は着回しという概念があまり好きでなく、“何にでも似合う”ものより、“これしか似合わない。けれどものすごくよく似合う”という価値観を重要視しています。ブレイドとフィフティ ファゾムの組み合わせは、それだと思います」

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ブレイドのインテリアによく似合う――RADO「r5.5」

もう1本、ファッションディレクターの「目利き」ぶりを発揮してくれた選択が、RADO「r5.5」。5.5という曲率をケースのカーブに採用したという凝ったデザインは、英国のプロダクトデザイナー、ジャスパー・モリソンの手になるものだ。セラミックスケースに、テーパーのかかった凝ったデザインのベルトをもつデザイン性が高く評価されているモデルである。

「この時計はかっこいいですよね。精密腕時計にこだわるひとは選ばないかもしれない。でもブレイドのデザイン性が高いインテリアにこのモデルはとてもよく似合うと思います。そういう合わせ方が大事なのではないでしょうか。うっかりすると、性能とかブランドとかを重視するあまり、マッチングを考えなくなってしまう。でもブレイドに乗っている大人で、スポーティなセーターとかの袖口にr5.5が見えたら、このひとはオシャレだなと思われるはずです。もちろんこの腕時計を選ぶひとは、いくつも腕時計を所有しているはず。高価なモデルばかり偏重するのでなく、シチュエーションに合わせて上手に使いわける。それも“削ぎ落とし”の美学だと思います」

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古典と現代性との合わせ加減が好ましい――ゼニス「ニュー・ヴィンテージ1969」

そして3本目に森岡弘さんが選んだのは、ゼニス「ニュー・ヴィンテージ1969」。モデル名の由来はゼニスの傑作ムーブメント、エル・プリメロ発表40周年を記念したもので、ムーブメントの優秀性もさることながら、微妙なカーブをもつ風防と、直線基調を上手に使った小ぶりのSSケースが魅力的に見える。

「ニュー・ヴィンテージ1969に着目したのは、古典的なデザインをフレーバーとして採り入れていて、現代性との合わせ方の加減がじつに好ましいからです。強すぎる主張はいまのファッションでは敬遠されがちなように、この腕時計は着用するひとのセンスで、モダンにも見えるし、オーセンティックにも見えるはず。それを自分では“まとめる力”と呼ぶのですが、そのセンスがあるひとは、服が主張しすぎず、とてもいい雰囲気で自分を見せることができるのですね。乗り心地がよさそうとかオーセンティックな価値をもちつつ、ダッシュボードの造型や表皮などには現代的な要素を採り入れて、クラシックにはならない、そんなブレイドにも通じるものがあると思います」

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酸いも辛いも噛み分けた大人が乗るショート・プレミアム

クルマを着る、という言い方があるが、これは通常、スポーツカーのように自分の身体感覚と近い操縦性を持ったクルマのこと。でも、もうひとつ、自分を主張する道具として「クルマを着る」という表現を使ってもいいかもしれない。ファッションや腕時計が、時と場所と状況に合わせて自分を表現する最適の道具だとしたら、クルマだって自己表現の道具であってよい。酸いも辛いも噛み分けた大人が、「ショート・プレミアム」という価値感で創られたブレイドに乗る。それこそがカッコいい大人しくない大人の選択なのだと、森岡弘さんの話から結論を引き出すことができた。

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ブランパン「フィフティ ファゾムス」

ブランパンが誇る名作ダイバーズウォッチ「フィフティ ファゾムス」にくわわったオールブラックモデル。精悍な印象のブラックケースには、DLC加工がほどこされている。このブラックモデルのほかに、夏の日差しによく似合うオールホワイトモデルもある。自動巻き、SSケース×セイルキャンバスストラップ、152万2500円。
ブランパン ブティック銀座 Tel. 03-6254-7233

ラドー「 r5.5 クロノグラフ」

ラドー「 r5.5 クロノグラフ」

英国のプロダクトデザイナー、ジャスパー・モリソンがデザインをしたクロノグラフ。5.5mmの曲線をもたせたスクエアのセラミックスケースに、デザイナーのこだわりが反映されている。同コレクションにはクロノグラフのほか、3針モデルもある。クォーツ、マットセラミックスケース&ブレスレット×チタニウム製バックル、36万7500円。
スウォッチ グループ ジャパン ラドー事業部 Tel. 03-6254-7331

ゼニス「ニュー ヴィンテージ1969 オリジナル」

ゼニス「ニュー ヴィンテージ1969 オリジナル」

毎時36000振動を刻む、ゼニスのクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」。誕生40周年となった昨年、1969年初搭載モデルの復刻版が登場した。当時を思わせるクッションケースのサイズは3mmサイズアップ。色の異なるインダイヤルのデザインが美しい。自動巻き、SSケース×アリゲーターストラップ、92万4000円。
LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス Tel. 03-3613-3946

MORIOKA Hiroshi|森岡 弘
ファッションディレクター/スタイリスト。早稲田大学卒業後、婦人画報社(現アシェット婦人画報社)入社。『メンズクラブ』編集部にて、ファッションエディターとして従事。同社を退社後、1996年にクリエイティブオフィス「グローブ」を設立。俳優やアーティスト、アスリート、文化人などのスタイリングをおこなう。企業のユニフォームのデザイン・制作、アパレルブランドやライフスタイルブランドのプロデュース、広告や雑誌での
ファッションディレクションやスタイリングを手がけるなど、ファッションを中心に幅広い分野で活躍している。

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