舘鼻則孝が伝統産業を再定義したオンライン展覧会「江戸東京リシンク展」 開催中

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現代美術家の舘鼻則孝が展覧会ディレクターを務めるオンライン展覧会「江戸東京リシンク展」がオンライン上で開催中です。本展は、東京都指定有形文化財である和敬塾(旧細川侯爵邸)を会場に、2月に発表された舘鼻則孝と江戸東京の伝統産業事業者によるコラボレーション作品などを展示し、各作品の展示演出を舘鼻が行っています。

現代美術と江戸東京の伝統産業を組み合わせた展示をオンラインで楽しめる

舘鼻は今回、「東京くみひも 龍工房」、「小町紅 伊勢半本店」、「刃物 うぶけや」の3つの伝統産業事業者をコラボレーターとして迎え制作を行いました。
 東京くみひも 龍工房とのコラボレーションで作成した舘鼻の代表作であるヒールレスシューズは、舘鼻が普段から制作に用いるカラーパレットから選ばれた色に染められた2色の組紐を使用。また、結び目をアクセントとして活かしているのが特徴です。
 小町紅 伊勢半本店とのコラボレーションでは、紅の美しい玉虫色に染まったヒールレスシューズと舘鼻の代表的な絵画シリーズ『Descending Painting』から派生した『Descending Layer』シリーズの立体作品を制作。紅から発色する玉虫色は、その色を引き出すことが非常に難しいといわれている中、約1年間の研究から綺麗な玉虫色を皮革に染め付けることに成功し作品となりました。
 刃物 うぶけやとのコラボレーションでは、アクリルのかたまりを削り出すことで形作られる『Void Sculpture』シリーズに花鋏を用いた作品を制作しています。

展覧会ディレクターを務めた舘鼻は、「通常、展覧会とは会場に足を運ぶものとして認識されるが、そのようなオフラインとオンラインを比較するのではなく、本展では展覧会ディレクターを務める私の視点を鑑賞者と共有することで見えてくる「伝統産業の今までとこれから」に焦点を当てることが主旨となり、そのようなことが私の創作活動の概念「リシンク」の真意で、本展の最も重要なメッセージとも言える。オンラインで鑑賞するという体験によって、より一層そのような意識へ誘引されることになるだろう。」と語りました。

本展では、伝統産業事業者の方々のインタビュー映像や歴史的背景などの紹介、舘鼻則孝の本展覧会やコラボレーション作品を制作した伝統産業に対する想いを込めた映像も見ることができます。

「江戸東京リシンク展」オンライン開催概要
【公開日時】2021年3月1日(月)~
【サイトURL】https://edotokyorethink.metro.tokyo.lg.jp
【主催】東京都
【出展事業者(社)】東京くみひも 龍工房 江戸小紋 廣瀬染工場 江戸切子 華硝 刃物 うぶけや
           紋章上繪 京源 小町紅 伊勢半本店 江戸木版画 高橋工房 暖簾 中むら

江戸東京きらりプロジェクトとは
江戸東京の伝統に根差した技術や産品などを、東京の「宝物」として光を当て、その中から意欲ある優れた取組をモデル事業として選定し、新しい視点から磨き上げてその価値を高めるとともに、さらに効果的なプロモーションで世界へと発信していく取組。また、モデル事業の磨き上げと発信の取組を通して、東京ブランドの確立やものづくりの本場・東京の再興、伝統ある産業の魅力向上、技の継承を目指している。
https://edotokyokirari.jp/

和敬塾 旧細川侯爵邸とは
会場となる和敬塾 旧細川侯爵邸は、昭和初期(1936年)に建てられた代表的な華族邸宅として、現在は東京都指定有形文化財として登録されている。
https://www.wakei.org/honkan/

舘鼻則孝(たてはなのりたか)プロフィール
1985年東京生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で、幼少期から手でものをつくることを覚える。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。「イメージメーカー展」(21_21 DESIGN SIGHT、2014)、「Future Beauty」(東京都現代美術館 ほか国際巡回、2012)、個展「呪力の美学」(岡本太郎記念館、2016)、個展「It’s always the others who die」(POLA Museum Annex、2019)、個展「NORITAKA TATEHANA: Refashioning Beauty」(ポートランド日本庭園、2019)等の他、ニューヨーク、パリ、 オランダなど世界各地で作品を発表。また2016年3月にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を開催するなど、幅広い活動を展開している。作品はメトロポリタン美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されている。

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