LOUNGE / TRAVEL
2025年11月20日

すべての行為がマインドフルネス。“ととのい”の国、フィンランドへ

“ととのい”旅なら、生まれ変わったFINNAIR一択!

 
リラックスを目的とする旅ならば、移動時間を我慢の時間とせず、しっかりと寛ぎを感じて過ごしたい。もちろんヘルシンキまでは直行、日本国内に就航している欧州系エアラインの中で最多運航便数を誇るフィンエアーが航空会社選びの筆頭に挙がることは疑う余地がない。
 
日本を深夜に出発し、ヘルシンキには早朝着。ヨーロッパ各都市へ乗り継ぐ場合でも午前中には最終目的地に到着することができ、その日のうちに安全にチェックインできる。目的地がフィンランド国内なら、なおさらだ。また帰国便はヘルシンキ発が夕方なので、最終日も活用でき、旅程に無駄がない。日本からの乗客の行動心理をよく捉えているのである。そのうえ、日本人キャビンアテンダントにより、言語のサポートも即座に入る。機長からのアナウンスをはじめ、必要な情報はすべて日本語訳が入り、サポートの手厚さを感じるはずだ。
 
北緯66度33分、これ以北が北極圏となるが、その北極線を通過したことを知らせる光の演出が印象深い。
 
ロシア上空を飛べなくなり、飛行時間が長くなったヨーロッパ便は、機内でどうリラックスするかがとても大切。それでも北極圏周りを選択できるフィンエアーなら最短11時間台で到着する。
 
日本人クルーの機内サポートがあり、語学の障壁が感じることがない。機長の機内アナウンスもすかさず邦訳。

まるで北欧ソファのようなビジネスクラス

ビジネスクラスの座席は、シートというよりもむしろ北欧家具のリラクゼーションソファと呼びたい。背もたれが座面をぐるっと囲み、体勢を自在に変えられる必要十分な自由度がある。しかも背中を当てる姿勢で背もたれの角度が変わり、自分自身で心地よい体勢を探せるのがこのうえなく素晴らしい。他人の視界がほどよく遮られ、プライバシーが適度に保たれている。これまでのビジネスクラスは、いかに個室感を出せるかが焦点だったが、フィンエアーのビジネスクラスは、もはやその上を行くデザインだ。
 
ビジネスクラスの座席。こちらフルフラットにした状態。キルティング状の敷きパッド、枕、掛布団も配られる。1-2-1の配列で、どの席からも直接、通路に出ることができる。
 
もちろん、このビジネスクラスはフルフラット対応である。背もたれは固定式だが、スイッチ操作で足周りの空間が塞がれ、前方のフラットスペースと一体化してフルフラット面積を完成させる。カットされたピザのピースのように、足先はすぼまっているが、逆に言えば就寝時のアタマ周りは座面分の余裕がある。これなら、寝返りを打つにも十分だ。
 
そして機内は北欧デザインの落ち着いた空間。フィンランドを代表するテキスタイルブランド「マリメッコ」のアメニティ、「イッタラ」の食器が目を楽しませてくれる。サイドテーブルにスマホ向けのワイヤレス充電機能が埋め込まれ、USBケーブルを出さずともスマホを充電できるのも近未来感がある。
 
プレミアムエコノミー席は2−4−2配列。前後ピッチに余裕があり、フットレストが付く。
 
エコノミー席は3-3-3配列。シンプルかつスタイリッシュなデザイン。

機内食とワインのセンスに品の良さが漂う

 
食事の内容も上々。塩加減が絶妙で、味が濃すぎず、かといって薄くもなく、日本人の舌に合う。何より、塩コショウをデフォルトで用意していないのが、彼らの自信の現れだ。ビジネスクラスではハーブを目の前で添えてくれるから、グリーンが鮮やかなのはもちろん、何よりそのホスピタリティの高さが気持ちを和ませる。
 
ヘルシンキに向かう最初のディナー(ビジネスクラス)。前菜2品とメインで、別にチーズとデザートへと進む。ちなみに、ヘルシンキに到着する直前にも朝食の配膳がある。
 
ワインのセレクトも秀逸だ。産地の知名度のみで勝負せず、味わいの幅を踏まえた充実のラインナップを揃えている。ワインを飲みつけている人にとっては、いいセンスだと思える選択だ。そして、メインのお皿の後のチーズが素晴らしい。ライトな青カビと、熟成感が程よいハードチーズ、いちごのコンポートの3点セットがサーブされる。引き続き、ワインを楽しみたい派には小躍りする内容だ。ここで赤ワインを合わせるのもいいが、フィンランドのワイナリーAinoaのラズベリーで造ったデザートワインもおすすめ! 甘酸っぱさが全面に出てくるが、深みがあり、軽やかなチーズとの相乗効果があって、いつまでもスワリングを楽しみたくなる。
 
お酒はしっかり楽しみたい派の心を鷲掴みにする、食後のチーズタイム。これでチビチビやるのがたまりません。

ヴァンター空港の利便性の高さは侮れない

 
ちなみに、ヘルシンキのヴァンター空港は、2023年に大規模リニューアルされたヨーロッパのハブ空港だ。日本語の掲示や日本人スタッフのサポートもあり、初めてのフィンランド旅行・ヨーロッパ旅行でも安心できる。このヴァンター空港を起点に、フィンエアーは夏シーズンに100都市以上、冬シーズンでも70都市以上を結んでいる。
 
シェンゲン協定加盟国側ラウンジには、シャワーブースが3つ。予約不要、空いていれば30分間使用可能で、タオル、歯磨きセットなどのアメニティも完備。長距離フライト後、コネクティングフライト待ちの間の温かいシャワーは、心に沁みるほどありがたい。もちろん、日本のビジネスラウンジとは異なり、食事メニュー、飲み物の種類も段違いに多い。
 
 
フィンエアーは、Skytrax Awardsの「北欧のベストエアライン」に15回連続でランクイン。機内から始まる北欧デザインと無駄のない合理性、シートデザイン、機内食、サービス—すべてに北欧の美意識が現れている。
 
旅の始まりから、すでに“ととのい”は始まっている。フィンランドへの旅は、フィンエアーに乗り込んだ瞬間から、別の時間の流れへと入っていくと心得たい。
 
取材協力
|Visit Finland、Helsinki Partners、Visit Kuusamo、フィンエアー/Finnair
 
 
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