祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.11 JUJUさん
LOUNGE / MUSIC
2016年11月9日

祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.11 JUJUさん

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今回のゲストは、大ヒット邦楽カバーアルバム「Request」シリーズの第3弾、80年代の歌謡曲をカバーした「スナックJUJU ~夜のRequest~」をリリースしたばかりのJUJUさん。幼い頃から慣れ親しみ、思い入れのある場所だというスナックの魅力を語ってもらった。

Interview by SUKEZANE TomokiPhotographs by HATA Junji (Cyaan)Text by HATAKEYAMA Satoko

スナックJUJU開店! 80年代歌謡曲をカバーした極上アルバム完成

祐真朋樹・編集大魔王(以下、祐真) 先日はライブにお誘いいただいてありがとうございました。一曲目がいきなり明菜ちゃんで、アリーナの観客全員が総立ちになったのは壮観でした。JUJUさんと観客の息も合っていて、本当に素晴らしかったです。

JUJUさん(以下、JUJU) ありがとうございます。観に来ていただいた「-ジュジュ苑スペシャル- スナックJUJU」は、スナックをテーマにした初めてのライブだったんです。前回の「ジュジュ苑」アリーナツアーがスナック感の強いライブだったので、今回は完全にスナックにしようと思って。本当にいい公演でした。

祐真 そのテーマでもあるアルバム「スナックJUJU ~夜のRequest~」が10月26日にリリースされましたけれど、もろ昭和歌謡にフォーカスをあてていますよね。僕的にはすごくツボなんですけれど、選曲に関してはどういう基準で選んでいるんですか?

JUJU もともとみなさんのリクエストで曲を構成する「Request」というシリーズがあるんです。第三弾となる今回はスナックアルバムをどうしても作りたかったので、曲はすべて昭和歌謡にしようと。それなら全国のスナックのママからリクエストを取るのが一番いいんじゃないかと思って、まずは全日本スナック連盟に連絡をさせていただいて。

祐真 えーっ、そんな連盟があるんですね!?

JUJU はい(笑)。調べていくうちに、玉袋筋太郎さんが会長のこの連盟にたどり着いて、そこから全国のスナックのママに「もしJUJUがお店に来たら何を歌わせたいですか?」っていうリクエストをとったんです。そして、その中から選ばせていただいたのが今回のアルバムの収録曲というわけです。

祐真 そういえば、会場にもスナックのママたちが大勢来ていて、一人ずつ立って挨拶をしていましたもんね(笑)。

JUJU 26人のママたちが(笑)。ママさんたちのリクエスト票がまずあって、その中から私の思い出深い曲を選んだので、今回のアルバムに収録されている曲は、全部好きな曲ばかりです。

祐真 全部リアルタイムで聞いていました?

JUJU はい。子どもの頃に聴いていたし、歌っていた曲です。今回はたまたま1980年代の曲をメインにしたんですけれど、それ以前の70年代の曲も好きなものがいっぱいありますよ。

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祐真 JUJUさんにとって、スナックというのはどういう場所ですか。

JUJU 子どもの頃の原風景ですかね。大人たちに連れられてスナックに行って、私はゴハンを食べたり、大人たちは子どもが目の端に入るところでお酒を飲んで楽しくなって歌うっていう。そんな大人たちの世界で憧れたものの一つに昭和歌謡の紫色の世界があって「大人って楽しそうだな」ってずっと思っていましたから。

祐真 スナックでゴハンを食べるって、生姜焼きとか?

JUJU 焼きうどんですね。私、スナックデビューは幼稚園なので(笑)。大人と一緒にいるのが好きな子どもだったこともあって、スナックはなんて楽しい場所だろうと思っていました。子どもも「歌え」と言われたら歌いますけれど、率先して歌うと怒られるんですよね。そういう大人の場所ならではのルールも面白かったです。

祐真 JUJUさんはその当時、何を歌っていたんですか。

JUJU テレサ・テンの「つぐない」です。償ったこともないくせに「つぐない」が上手いって言われていました(笑)。言葉の意味もまったくわかってなかったんですけど、ちゃんと感情を込めて歌っていましたよ。でも結局のところスナックって『夜にここに来れば大人がいますよ』っていう場所でもあったんじゃないですかね。もし何かあれば、駆け込み寺じゃないけれど、スナックに来れば誰か知っている大人がいるから安心っていう。だから拠り所みたいな感じもしていました。

祐真 そんなスナックの風景で、子ども心に「大人って○○だな」って思ったことはありましたか。

JUJU 「大人って不埒だな」って思っていました。子どもの世界にはないやりとりをしているなって。

祐真 酔ってママを口説くおじさんがいるとか?

JUJU そうです(笑)。どう考えても普通のカップルじゃなさそうなワケありな人たちも来るわけじゃないですか。「あー、大人たちって不埒だな」と。

祐真 すでに女子目線が入っていますね(笑)。

JUJU そうですね。私の周りの大人たちが、子どもに聞かせちゃいけない会話を平気でする人たちだったんで。「あそこの奥さん、旦那さんが亡くなってもう6年ぐらい経つけど、今じゃあ若いツバメを囲っているね」とか。そんなことを聞いていると、知っているおばさんの家にいる若い男の人って「若いツバメ」って名前なのかと思うわけですよ。そして次の日にその家の前を通ったりすると、その若いツバメが車を磨いている。そこですかさず「あ!若いツバメだ!」って言ったりして(笑)。

祐真 うわー(笑)。それって酔っている大人たちが「子どもだから意味がわかんないだろう」って喋っているんでしょ。

JUJU 子どもの前だからっていう倫理観を持った大人があんまりいなかったっていうのもありますね。子どももいつか大人になるんだから、早いうちから聞かせておいたほうがいい、みたいな教育方針があったような気もしていますけどね。いろんなことを外で覚えてくるぐらいなら私たちが教えたほうがいいみたいな(笑)。

祐真 スナックっていいところですよね。僕も何度かJUJUさんと一緒にスナックに行かせてもらいましたけど、JUJUさんが歌い出すと、酔っている人でもバチーッと目が生き返るんですよね。「む、誰かいるな!?」って。

JUJU でも気づかれはしないっていうね。よく「歌手になったほうがいいよ」って言われますから(笑)。

Page02. JUJUさんにとってスナックとは

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JUJUさんにとってスナックとは

祐真 JUJUさんは、ウィスキー好きですよね。最近のお気に入りは?

JUJU 相変わらずマッカランですね。マッカランと山崎。ここのところは毎日、マッカランか水しか飲んでいないです。

祐真 いつからその良さに気づいたんですか。

JUJU お酒はひと通り飲みましたけれど、同じのばかりを飲んでいると酔いづらくなってきて、最終的にいきついたのがウィスキー。20代なかばに付き合っていた人がずっとウィスキーを飲んでいて、別れたあとに「そうだウィスキー飲んでみよう」って飲んでみたら美味しいなと思って。以来ずっとウィスキーですね。

祐真 その時に飲んだ銘柄は覚えていますか。

JUJU デュワーズです。そこからウィスキーが一番身体に合っているというのに気づいたんですよ。

祐真 ウィスキーは僕も合っているんですよね。不思議なんですけど、あまり酔わないですよね。

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JUJU 「酔わないです」といいながら、見ているとベロベロですけどね。お互い自覚しましょう、あれだけ酔えば上等ですよ(笑)。

祐真 あ、そんなに酔っていましたっけ。まあ飲んだら酔うしかないですからね。実は今、断酒をしていてもう85日ぐらい飲んでないんですよ。10月10日のジュジュ苑じゃないですけど、11月11日に解禁しようと思って。

JUJU えーっ、なぜですか。

祐真 最初は2ヵ月間だけ抜こうと思っていたんですよ。2ヵ月抜けば一回きれいになりますよって聞いたことがあって。でも、2ヵ月=62日ってなんか中途半端だし、どうせなら100日やってみようということになって、数えたら11月8日でちょうど100日。だったらキリのいい11月11日から飲もうっていうことにしたんです。だから、その日が来るのがすごく楽しみなんですよ。

JUJU 楽しそうですね。私も断酒をしていた時期があります。お酒は、飲まなければ飲まないでラクじゃないですか。でも最初の5日ぐらいは寝付きが悪いし、「ああ私はもうお酒すら飲まないつまらない人間に成り下がっていくんだ」って落ち込みました。犬の散歩をしながらオープンカフェでビールを飲んでいる人を見ると、「ああいう華やかな所にはもう行けないんだ」とも……。でもソフトドリンクを飲むのに慣れてくるとそれはそれで楽しくなるものですよね。「酔っ払いって愚かだなー」とか思いながら(笑)。

祐真 そう。酔っ払いって同じことを何回言ってんだろう?とかね。この前、お付き合いで飲みの席にいなきゃいけないことがあって、観察していたら酔ってる人は途中から同じことしか言わないわけですよ。各自iPhoneをいじるようになると、そのまま平気で3〜40分も経っちゃう。酔っていると時間の経過がわからなくなるんでしょうね。だから酔わないでいると、時間がめちゃくちゃ長い。

JUJU 一人だけ酔ってないと、人間観察もまた楽しいものですよね(笑)。

祐真 スナックから話がだいぶズレましたけど、スナックの良さって何だろう?。

JUJU スナックってね、楽しいんですよ。カッコつける必要がまったくないから。そういうところがすごくラクだと思います。

祐真 例えばスナックのカラオケで歌うことと、コンサートで歌うこと。もちろんお仕事かそうでないかはありますけれど、自分の中で何か違いはありますか。

JUJU うーん、歌うこと自体はおなじテンションなような気がします。もちろんコンサートは生バンドの音だし、仕事としての責任感は常に感じつつも、スナックで歌うことも知らない人の前で歌うことだし、結局は似たようなテンションなんですよ。ただスナックにはお酒があるから、さらに感情的に歌っているような気はします。

祐真 スナックで歌うにしても、JUJUさんは一切手を抜きませんからね。今までタダでいっぱい聴かせてもらいました(笑)。この前のライブを観て思いましたけど、お客さんたちがみんな嬉しそうでしたよね。みんな昭和歌謡が好きなんだなとつくづく思いました。

JUJU 本当にみなさん楽しそうでしたよね。

祐真 これからも「スナックJUJU」は続いていく予定ですか。

JUJU 続きます。実は来年「スナックJUJU」で全国のアリーナツアーをやるんです。今年は東京で一夜限りだったんですけど、来年は北海道、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡と全部がアリーナ公演。東京は最後になりますけれど、さいたまスーパーアリーナで2DAYSです。

祐真 うわあ、すごいですね。あれは本当に面白かったから、観られなかった方は行ったほうがいいですよ。

JUJU 今回のスナックアルバムは、作りながら本当に楽しかったんですよ。やっぱり私は昭和歌謡が好きだという再確認にもなりました。全国のママからリクエストをいただいた中で惜しくも候補から漏れたものもいっぱいあるので、スナックアルバムは、今後もじゃんじゃん作っていけたらなと思っています。

祐真 じゃあ最後の質問。JUJUさんにとっていいスナックのママっていうのは、どういう人ですか?

JUJU すべてを包み込んでくれるママがいいですね。

祐真 いいですね〜、そんなママに会いたいです。「スナックJUJU」はそういう風にやってくれることを大いに期待しています。そうしたら僕も毎晩飲みに行きますので(笑)。

JUJU はい。皆様を優しく包み込みますので、是非に!


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「スナックJUJU~夜のRequest~」
10月26日発売
通常盤(CD):AICL-3198 / ¥2,593 (税抜き)
1. 六本木心中
2. ロンリー・チャップリン with 鈴木雅之
3. 夏をあきらめて
4. まちぶせ
5. 桃色吐息
6. 駅
7. 二人でお酒を
8. DESIRE –情熱–
9. 恋におちて
10. 夢の途中
11. シルエット・ロマンス
12. つぐない
13. ラヴ・イズ・オーヴァー
14. 恋人よ
15. GOODBYE DAY


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JUJU
シンガーを志し、18歳で単身渡米。ジャズをはじめ、さまざまなジャンルの音楽に触れ独自の音楽性を築き、2004年『光の中へ』でデビュー。今年10月には大ヒットカヴァーアルバム、リクエストシリーズの第3弾「スナックJUJU 〜夜のRequest〜」を、11月には33枚目のシングル「believe believe/あなた以外誰も愛せない」をリリース。2017年には「-ジュジュ苑スぺシャル- スナックJUJU アリーナツアー2017」を開催。
公式サイト http://www.jujunyc.net/

           
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