MOVIE|アイルランドを舞台にした心温まる感動作『ダブリンの時計職人』
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2015年2月2日

MOVIE|アイルランドを舞台にした心温まる感動作『ダブリンの時計職人』

MOVIE|アイルランドを舞台にした心温まる感動作

不器用な大人たちの人生の再生を描く人間ドラマ『ダブリンの時計職人』

冬のアイルランドを舞台に不器用な大人たちの人生を再生を描く人間ドラマ『ダブリンの時計職人』が3月29日(土)より、新宿K's cinema、渋谷アップリンクほかで全国順次公開される。

Text by YANAKA Tomomi

ドキュメンタリー出身のダラ・バーン監督がメガホン

「ケルトの虎」と呼ばれた好景気が過ぎ去ったアイランドの“いま”を、ドキュメンタリー出身のダラ・バーン監督が描いた『ダブリンの時計職人』。仕事と住むところを失った時計職人のフレッドを軸に不器用な男女3人の人生の秒針がいま、動きだす。

主人公の時計職人フレッドには、アイルランド国民から愛されるベテランの演技派コルム・ミーニー。帰る場所を失い、車上で生活する不器用な中年男性を、悲しさを含ませながらもユーモラスに演じている。またテレビドラマ『魔術師マーリン』のマーリン役で日本でも人気のコリン・モーガンが明るく振舞いながらも心に傷をもつ青年カハルを熱演した。


『ダブリンの時計職人』 02

未亡人のピアノ教師に一目ぼれするフレッド

ロンドンで失業し、故郷ダブリンに戻ってきた時計職人のフレッドは、職と家を失い、ホームレスとなった悲しい現実を受け止めきれずに落ち込んだ毎日を送っていた。しかし、“隣人”としてあらわれた青年カハルとの出会いで、次第にあたらしい自分を発見していく。そんなふうに前向きに新生活を送っていたフレッドだが、ある日、偶然行ったスイミングプールで未亡人のピアノ教師、ジュールスに一目ぼれしてしまったのだ。

『ダブリンの時計職人』 03

『ダブリンの時計職人』 04

寂しげな雰囲気をもつ彼女となにももたないホームレスの自分。身分ちがいの恋だと諦めようとしたけれど、カハルの後押しもあり、彼女と会うために水泳教室に通うことを決意したフレッド。しかし、一方でカハルには過去の因縁があり、麻薬を巡るトラブルに巻き込まれ――

ダラ・バーン監督が多くのホームレスの声に耳を傾け、つくりあげられたフレッドというキャラクター。ダブリンの片隅に住むひとたちの声なき声を代弁するとともに、ほろ苦いけれど心をぽっとあたためてくれるウイスキーのような物語だ。

『ダブリンの時計職人』
3月29日(土)より、新宿K's cinema、渋谷アップリンクほか全国順次公開
監督│ダラ・バーン
出演│コルム・ミーニー、コリン・モーガン、ミルカ・アフロス
配給│アップリンク
2010年/アイルランド、フィンランド/90分
http://uplink.co.jp/dublin/

           
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