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2024年11月1日
未来の新しい暮らしが想像以上にリアルだった!〜VR体験レポート〜
LOUNGE|CEATEC 2024
近年、オンラインの恩恵によって都市を離れ、移住や二拠点生活をする人が増えつつある。好きな土地で暮らし、働いたり、時に学んだりできる生活は理想だ。そんな新しい社会をデジタルで体験できると聞きつけ、訪れたのは、2024年10月15〜18日に幕張メッセで行われた「CEATEC 2024」のIPAブース。
Text by OPENERS
IPAとは?
IPAと聞いて、クラフトビールのことかと勘違いする人も多いかもしれないので、ここで説明しておくと、IPA(Information-technology Promotion Agency, Japan)とは、「情報処理推進機構」のこと。“誰もがITの恩恵を享受できる社会”を目指し、産学官をつないでデータと人材が連携・循環するエコシステムの構築を推進する独立行政法人だ。
デジタルによる恩恵をあらゆる人に行き届かせ、一人ひとりの可能性をそれぞれの場所で最大限引き出し、人々の暮らしを豊かにすることがIPAのミッションだ。
LIFE 2050 生きたい場所で、生きられる未来へ。
IPAが目指す、誰もが生きたい土地で暮らし、学び、働ける未来の社会の一端を音楽・空間・映像によって体感できるのが、今回のインスタレーションというわけだ。
やや重ためのVRゴーグルを装着して、OPNERS編集部もいざ体験ブースへ。
廊下の先に見えるのは、8畳ほどの誰もいない部屋。靴を脱いで部屋に入ると、隣人からのお裾分けの家庭菜園で採れたと思しきズッキーニが届いたとのメッセージが。
そうか、2050年には家そのものがコンシェルジュのように機能するのかと納得しながら、ふと振り返ると、誰かが現れて、思わずびっくり。4人のミュージシャンが輪になって演奏を始めたではないか……!
居間に突如現れた、ユザーン、高木正勝、武田カオリ、閑喜弦介によるカルテット
しかもよく見ると、タブラを叩くのはユザーンだし、ピアノは高木正勝、ボーカルは武田カオリ、ギターは閑喜弦介と、豪華なメンツが勢揃い。
目の前の信じられない状況にしばし戸惑いつつ、恐る恐るピアノの鍵盤やタブラに触れてみると、伸ばした手はただただ空を切るのみ。
「そうか、触れないのか」と気づき、失礼は承知の上で、大胆にもユザーンの頭に触れてみたところ(あのアフロヘアに一度触れてみたかった)、もちろんこちらも感触は感じられない。
実際には見えているだけで物体は存在しないのだが、それにしてもなんてリアル……! 4人のミュージシャンの輪の中にいるだけでただならぬ緊張感すら感じた。
目の前で一流ミュージシャンらが演奏する足元で、子どもがおもちゃやクレヨンなどを広げてマイペースにお絵かきに興じる光景も、なんだかカオス(笑)。
だんだん楽しくなり、目の前の光景をあらゆる角度から食い入るように観察してしまった。ミュージシャンたちを365度あらゆる角度から眺めても、立体的で、まるでそこにいるかのよう。
演奏される音楽に関しても、かなり質の高いスピーカーが導入されているのか、まるでライブを観ているようだ。
障子の向こうは、まさかのオーシャンビュー
そうこうしているうちに、右側のドアや天井、続けて奥の障子が開き、一面に海が見渡せる光景に圧倒される。
しばし縁側でその光景に圧倒されていると、左手に軍艦か?というくらい巨大なクジラが波飛沫とともに海上に跳ね上がり、驚きはピークに達した。
自宅に帰るなり(自室想定の)、ユザーンをはじめとするミュージシャンの演奏が始まるわ、障子を開けるととめどないオーシャンビューが広がるわ、巨大クジラが自宅前に現れるわ、次々と想定外の光景が繰り広げられ、まるで理解が追いつかない(笑)。
縁側に座ると、足元が濡れて浅い海を歩き回ることができた(実際に水が張られていたようだ)。いつの間にかさっきまで居間で遊んでいた子どもが海に入り、そこらへんで水遊びを始めている。遠くには、夕焼けのような広い空と、陽の光が水面に反射しながら静かに波打つ様子が見渡せる。
引き潮のせいか、海の水面が浅いので、思わず縁側から離れ、少し先まで歩いてみると、「これ以上は行き止まりです」と静止の声が入り、一気に現実に引き戻された。
以上が、OPENERSが体験した未来のビジョンの一端だ。
あらためてそう遠くない未来に、デジタルトランスフォーメーションを通じて、場所を超えたあらゆる体験や感動、学びや喜びが待っていると思える体験だった。
最先端のデジタル活用のビジョンをチェックするためにも、IPAの活動から今後も目が離せない。
問い合わせ先
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)
https://www.ipa.go.jp/