「日本酒 narai」セカンドシーズンの幕開けは、GRAND HYATT TOKYOでのフレンチペアリング|FEATURE
LOUNGE / FEATURES
2023年9月21日

「日本酒 narai」セカンドシーズンの幕開けは、GRAND HYATT TOKYOでのフレンチペアリング|FEATURE

FEATURE|suginomori brewery

長野県・奈良井宿の町並みをダイニング空間へと昇華。漆黒を基調に、静謐な世界観を演出

長野県塩尻市奈良井にて1793 年に創業、一時、休眠状態にあっ た杉の森酒造は、2021 年秋に「suginomori brewery(スギノモリ・ブルワリー)」として再生。これまでに複数種の酒米と様々な精米歩合を試し、顧客とのコミュニケーションを繰り返してきました。そして今回、蔵元曰く「ついに私たちが自信を持ってお届けしたい商品が完成した」と言います。それが「narai kinmon」と「narai sankei」。両製品は、すでに公式サイトにて、予約注文を受け付けています(商品発送は10月初旬より順次)。この発売を記念して2023年9月7日(木曜)、グランドハイアット東京「フレンチ キッチン」にて、一夜限りのペアリングディナーが開催されました。

Text by TSUCHIDA Takashi

新製品「narai kinmon」「narai sankei」。洗練された酒質設計は、食の枠を越えていく

なんてスタイリッシュな空間だろう! この日、訪れた人たちの心を鷲掴みにしたのは、「narai」という日本酒コンセプトを発展解釈したイベント空間そのものでした。奈良井宿の町並みは、黒基調の和の建築が続いていますが、それを代弁するかのように、「narai」のボトルも黒。それが、モダンフレンチの設えにピタッと寄り添い、何の疑問も抱かせません。ああ、これが世界に羽ばたく日本酒の姿なんだ……誰もがそう感じたと思います。
「narai」というお酒は、ワイングラスで飲みたくなるお酒です――これは、OPENERSの日本酒連載が人気の山内祐治(やまうち・ゆうじ)先生の言葉です。白ワインのように繊細な香りがあり、その繊細さを存分に楽しむには、香りが集まるチューリップ型のワイングラスが適していると言います。
そして、山内先生はこう続けます。
「naraiは、7号酵母の爽やかで清らかな印象と、長野県の酒米が作り出す、中盤からアフターにかけての収斂味や苦味を地域的な個性と捉えて作り出されているお酒です。主軸に酸を置いているおかげで、構成が最後まで崩れず、クリーンな印象。その味わいは奈良井宿の清廉な自然と、その自然が見せる景色の移り変わりにも似ています」
山内祐治先生。この日、「narai」のポテンシャルの高さを再確認しました。
しかも、今回、2種類の酒米が確定したことで、2つの個性が並走していくことになりました。
「narai kinmon」は、酒米・金紋錦を使用。酸に加えて、ふくよかさもあり、ゆっくりと飲み勧められるタイプです。対して、「narai sankei」は酒米・山恵錦を使用。こちらは爽やかな酸が一層際立ち、微発泡と相まってスッキリと味わえる酒質です。
今回、フレンチキッチンの料理長が、この日のために準備したメニューがこちら。
キャビア そば粉のブリニ
真鯛のカルパッチョ ゆずビネグレット いちじく かぶマリネ
きのこのフラン ロブスタービスク
舌平目のムニエル トマト ハーブクルトン レモンとパセリ グルノーブル風 インカポテトのフォンダン
国産牛テンダーロインのロースト ベルシーソース 根セロリのピューレ 芽キャベツのフリット
シャインマスカットのパルフェ バニラアイスクリーム ホワイトチョコレット ナッツ
なかでも、山内先生は、2皿目のペアリングに注目しました。
「鯛は昆布締めにされており、ゆずの爽やかな香りとともに、お酒の持つ柔らかでなめらかな印象に同調。カブの余韻に、コハク酸、グルタミン酸が相乗効果を成し、熟成の旨みへとつながっていきます。7号酵母のよく磨かれた米の作り出す香りは、イチジクの詰まった香りのそれであり、この料理とのペアリングは、大変満足できるものでした」
なるほど、フレンチのなかにも「narai」の持ち味につながる要素があり、その接点を軸として、お酒がまるで第3のソースのように広がっていく。その体験は、ワインのそれとまったく変わりません。
この日の特別メニューを、料理長は「フレンチベースですが、ソースが強くなりすぎないように、和食の技法も取り入れながら構成していった」そうです。そして、「narai」が繊細な味わいだったので、食材が強すぎないように、バランスを気をつけ、なるべく日本国内にある食材を取り入れたとも。
地場の食材を生かして、繊細さを極めていく。今後、日本酒がフレンチに、さらなる変化をもたらしていくのかもしれません。
山内先生は、イベントを後に、こう語りました。
「今回は、いくつか大きな示唆をいただきました。 具体的には、オイルを使ったフレンチやイタリアンにも『narai』がキレイなペアリングを見せていることです。またワイングラスを使うことで、液体に対する高揚感も増し、煌めき度合いが高まった。その意味でも、『narai』はフレンチやイタリアンにも相性の良い日本酒ですね」
narai kinmon(左)
原料|奈良井の山水・安曇野産金紋錦・酵母(協会第7酵母)
容量|720ml
精米歩合|非公開・純米大吟醸クラス
アルコール度数|14度
産地|長野県奈良井宿
narai sankei(右)
原料|奈良井の山水・安曇野産山恵錦・酵母(協会第7酵母)
容量|720ml
精米歩合|非公開・純米大吟醸クラス
アルコール度数|14度
産地|長野県奈良井宿
「narai kinmon」「narai sankei」は、各5500円(税込)。公式ウェブサイト(https://www.narai.jp )にて予約注文することが可能です。
問い合わせ先

suginomori brewery
info@narai.jp
https://www.narai.jp

                      
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