iPad for Creatives|DJ 松浦俊夫 お薦めアプリケーションをご紹介!
特集|iPad for Creatives
DJ・プロデューサー 松浦俊夫 編
iPadの出現によってDJが増えるかも?
United Future Organization (U.F.O.)として1990年デビューし、今日にいたるまでワールドワイドな活躍をつづけてきたDJ 松浦俊夫が注目したのは、やはり音楽ツールとしてのアプリ。実際にDJプレイの現場にお邪魔して話を聞いた。
文=オウプナーズ写真=西田周平
自分のなかの“世界”が大きく変化していく
──どのくらいアプリをダウンロードされてますか?
まだ手に入れて間もないため、音楽系アプリが数点。
──普段どのようなアプリを活用されてますか?
iPadを購入する1番の動機になったのは、最近導入したばかりの「TOUCH OSC」というアプリなんですが、レコードやCDなどの音楽ソフトを使用せず、コンピューターでDJプレイする“デジタルDJ”の環境にぴったりだと思ったんです。
ノートPCに搭載された「Traktor Scrach Pro」というDJソフトウェア&システムに、iPadのマルチタッチインターフェイスをコネクトしてフィジカルコントローラーとして使用しています。また、ターンテーブルやCDJといった外部のハードウェアを必要としないため、場所を選ばずにDJ環境を構築することができます。僕の場合仕事で海外へ行くことも多いので、イベント会場に向かう飛行機や列車など、移動中やホテルなどでの空き時間にセット内容を考えたり、実際に音を出してリハーサルすることができるので、今後ますます重宝するでしょうね。
──iPadを手に入れてから生活に変化を感じますか?
心無しか持ち歩く荷物が減ったような気がします(笑)。そもそもなぜDJプレイにiPadを導入したかというと、20年にわたるDJ活動や音楽制作になにか“あたらしい風”を送り込みたかったからなんです。たとえば何気ない日常のなかで思いがけずインスピレーションを受けたとき、その感動やアイディアを、おなじくインストールしている「KORG iELECTRIBE」などの音楽制作ツールとともに、その場で音を出してかたちにできるということはとても大きいと思います。
TOUCH OSC
コンピューターなどの機器における音楽ソフトを無線LAN経由でリモート操作できるフィジカルコントローラー。同時に5つの作業を可能にする抜群の通信感度が魅力。
カテゴリー|ミュージック
価格|600円
0.4 MB
言語|英語 ※日本語非対応
© 2008-2010 RJ Fischer
KORG iELECTRIBE
過激なサウンド、ユニークな機能、直感的なトラックメイクスタイル、そして64種のプリセットパターンを搭載するバーチャルアナログビートボックス。
カテゴリー|ミュージック
価格|2300円
5.6 MB
言語|英語 ※日本語非対応
© 2010 KORG INC.
また、自身のファッションブランド「M line」のプレゼンテーションにも利用できると思われ、可能性は使用するひとそれぞれの個性やアイデア次第で自由にカスタマイズできることが1番の魅力ですよね。iPhoneではむずかしかったメールも躊躇なく打てるので、即レスの早さに磨きがかかるでしょう(笑)。
──iPadの出現は音楽シーンにも影響をあたえるでしょうか?
気軽に音楽制作やDJプレイができるようになったことはひとつ大きな変化ではないでしょうか。
これまではただ聴いていただけの音楽を自分の手でつくることができる──ゲーム感覚ではじめたら夢中になって、そのままDJになりました、なんて若者も今後出てくるかもしれませんよ。
もちろん音楽の道に進まずとも、単純にこれまで以上に音楽に触れる機会が増えることがうれしいです。
iPadが音楽シーンにもたらす影響……世界的にはどうなるかはわかりませんが、自分のなかの“世界”は大きく変化していくと思います。
──ありがとうございました。
松浦俊夫|MATSUURA Toshio
1990年にUnited Future Organization (U.F.O.)を結成。日本におけるクラブカルチャー創世記の礎を築く。12年間で5枚のフルアルバムを全世界32ヵ国で発売、高い評価を得た。現在DJ活動にくわえ、海外アーティストのエージェント業務や自身のファッションブランド「M line」のデザイン、そしてInter FM「TOKYO MOON」のパーソナリティを務める。