
特集|年末年始を楽しくする音楽・本・映画 Vol.1
特集|カルチャーの達人に訊け! Vol.1
カルチャーに精通した達人たちが薦める、音楽・本・映画とは?
ピーター・バラカン
ブロードキャスター
――2015年の抱負は?
インターネット・ラジオの自由化を実現させること。

MUSIC
『ランディニ』
アウレリオ・マルティネス
ライス・レコード
ホンデュラス国籍、ガリフナ民族の歌手です。カリブ海とアフリカの音楽が見事に溶け合い、哀愁も漂うメロディも心に響きます。

BOOK
『Respect: The Life of Aretha Franklin』
デイヴィッド・リッツ
Little, Brown and Company
20世紀後半を代表する天才的な歌手の伝記。自分の内面を一切語ろうとしてこなかった彼女を極めてリアルに描いた名著です。日本語訳が出るかな?

MOVIE
『JIMI:栄光への軌跡』
監督|ジョン・リドリー
東京テアトル
2015年4月より全国ロードショー
ギターを燃やすあのモンタレイ・フェスティヴァルの直前までの一年のジミ・ヘンドリックスとスウィンギング・ロンドンを描いたこの作品は意外に深いです。
© MMXIII AIBMS, LLC. All Rights Reserved.
Peter Barakan
1951年、ロンドン生まれ。現在フリーのブロードキャスターとして活動。「Barakan Beat」(インターFM)、「ウィークエンド・サンシャイン」(NHK-FM)、「ジャパノロジー・プラス」(NHK BS1)などを担当。著書に『わが青春のサウンドトラック』(光文社文庫)、『ロックの英詞を読む』(集英社インターナショナル)、『ぼくが愛するロック名盤240』(講談社+α文庫)などがある。
http://peterbarakan.cocolog-nifty.com/
諏訪綾子
フードアーティスト
――2015年の抱負は?
軽く柔らかく強く。
Photo by Rowland Kirishima
MUSIC
『ボレロ|展覧会の絵』
山下洋輔スペシャル・ビッグバンド
ジャムライス
脳のパーツが分解していく感覚に想いをめぐらす。

BOOK
『ナチュラル・ファッション 自然を纏うアフリカ民族写真集』
ハンス・シルヴェスター
DU BOOKS
人間という動物の美意識について想いをめぐらす。

MOVIE
『愛と哀しみのボレロ』
監督|クロード・ルルーシュ
紀伊國屋書店
誰かの感情の起伏に想いをめぐらす。
SUWA Ayako
石川県生まれ。2006年より「フードクリエイション」の活動をスタート。2008年に初の個展を開催。現在までに東京、パリ、香港など、国内外でパフォーマンス「ゲリラレストラン」をおこなっている。2014年、初の作品集『フードクリエイション 感覚であじわう 感情のテイスト』(青幻舎)を刊行。現在、金沢21世紀美術館で体験型の個展『好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム』を開催中。
http://www.foodcreation.jp
http://www.ayakosuwa.com
川上シュン
アートディレクター/アーティスト
――2015年の抱負は?
よりグローバルに、
そして本質的なアートとデザインの新たな可能性の模索。

MUSIC
『You And The Music Compiled by DJ KAWASAKI』
DJ KAWASAKI
Selective Records
僕らartlessがジャケットデザインをさせてもらった、DJ KAWASAKI選曲のコンピレーションアルバム。ジャパニーズ・ハウスの立役者として一躍シーンのトップに躍り出たDJ KAWASAKIが、あえて4つ打ちではなく、モダン・ブギーにフォーカスした選曲が新しい。

BOOK
『等伯(上・下)』
安部龍太郎
日本経済新聞出版社
僕が憧れる安土桃山時代に活躍した同時代を代表する絵師「長谷川等伯」。水墨による詩情性に溢れた湿潤で大気的な松林を描いた『松林図屏風』。あの想像力を広げる空気感、余白、かす……いつか辿り着きたい境地。この本は、順風満帆というより、苦節の連続であった等伯の軌跡に引き込まれる素晴らしい作品です。彼の作品を知っている分、文章から景色が鮮明に見えた。

MOVIE
『天才スピヴェット』
監督|ジャン=ピエール・ジュネ
ギャガ
公開中
『アメリ』の奇才・ジャン=ピエール・ジュネ監督による、美しい映像、そして、10歳の天才科学者・スピヴェットが企てた、アメリカ大陸横断という“壮大なる家出”。その映像と心にジンとくるストーリーのバランス。すごくいい。
© ÉPITHÈTE FILMS – TAPIOCA FILMS – FILMARTO - GAUMONT - FRANCE 2 CINÉMA
KAWAKAMI Shun
1977年、東京都深川生まれ。アートディレクター/アーティストとして、東京を拠点にしながら、グローバルに活動する。代表を務める「artless Inc.」は、デザイン・コンサルタンシーとして、その活動領域は多岐にわたり、ブランディングを中心に、アートとデザインの双方から多方面へアプローチをつづけている。NY ADC (Young Gun 6)、D&AD、カンヌ国際広告祭(金賞)受賞等、国内外のアワードを多数受賞している。
http://www.artless.co.jp
http://www.shunkawakami.jp
小松ゆり子
パーソナル・セラピスト
――2015年の抱負は?
自分に本当に必要なものを見極め、身軽になること。
こだわりの質を研ぎすませること。
セラピーの世界を他の世界とつなげていくこと。

MUSIC
『J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻』
キース・ジャレット
ユニバーサルミュージック
子どものころに練習したプレリュード第一番ハ長調からはじまる平均律クラヴィーア。ひとつひとつの音を淡々と積み上げるようなシンプルで清々しいメロディーを聴いていると、余計なものが削ぎ落ちてゆく。バッハはいつでも静謐な気持ちを取り戻させてくれる。

BOOK
『斜陽』
太宰治
角川文庫
もう何度読んだかわからない、美しい日本語の文章を浴びるように読みたい時の一冊。ページをめくりながら、目が洗われていくような気持ちに。主人公のかず子の最後の手紙からほとばしるキラキラした言葉が、新しい人生へ進む勇気をくれる。

MOVIE
『ラブ・アクチュアリー』
監督|リチャード・カーティス
NBCユニバーサル・エンターテイメント
リチャード・カーティスの関わる映画は脇役に至るまでチャーミングな登場人物ばかり。重なり合う群像劇のどのエピソードも人間の機微を感じさせてくれて、自分の人生を俯瞰で見れるように。見終わった後に必ず幸せな気持ちが約束されている、脳が喜び細胞が瑞々しくなる映画。
KOMATSU Yuriko
東京生まれ。大学卒業後、音楽レーベルのプロモーターとして8年勤務。多忙な毎日にストレスケアの重要性を感じ、アロマセラピーに興味を持ちはじめる。30歳を機に本格的に自然療法の世界へ。現在は南青山のプライベート・アトリエ「corpo e alma」を中心に、より密度の濃い「パーソナル」なスタンスでのオーダーメイドなセラピー・セッションを提供。異業種とカルチャーとしてのセラピーを融合する活動をおこなっている。
http://yurikokomatsu.com
服部滋樹
クリエイティブディレクター/デザイナー
――2015年の抱負は?
そろそろ新しい道を。17年前の初心の気持ちを思い返す。
時代を共にするライバル達と共労し先を目指したい。

Photo by Kazue Kawase
MUSIC
『リトル・ガール・ブルー +4』
ニーナ・シモン
SOLID / BETHLEHEM
最近ずっと、20年以上前に聴いていた曲たちを聴きあさっている。新しいのと古いのと。このアルバムは18歳頃の出会い。何年も何年も聴いているんだけど、時折違って聞こえてくる。気づかなかった部分を発見したり。僕にとってもスタンダードになったんだな〜って思う。

BOOK
『地球の食卓 世界24か国の家族のごはん』
ピーター・メンツェル
TOTO出版
『地球家族 世界30か国のふつうの暮らし』の続編。タイトル通り世界の食卓から暮らしを映し出す。民族それぞれの暮らしぶりを食から探る。土地と暮らすってこういうことなんだよね、まさしく。食卓の道具も全ては土地から生まれるんだよね。地球ってのがまた良いでしょ。

MOVIE
『コンタクト』
監督|ロバート・ゼメキス
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
子どものころから憧れだった宇宙との交信をジョディ・フォスターはやってのけるんだ。気が遠くなる研究の成果が……最後に実る。自分以外の領域世界に夢を馳せることって、いつまで経ってもやめられないもんなんだな。これがまた。
HATTORI Shigeki
1970年、大阪府生まれ。美大で彫刻を学んだ後、インテリアショップ、デザイン会社勤務を経て、1998年にインテリアショップで出会った友人たちとクリエイティブ集団「graf」を立ち上げる。建築、インテリアなどにかかわるデザインや、ブランディングディレクションなどを手がけ、近年では地域再生などの社会活動にもその能力を発揮している。
http://www.graf-d3.com