ART FAIR TOKYO 2014|アートフェアの核となるセクションとパートナーブースの魅力を公開!
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2015年2月2日

ART FAIR TOKYO 2014|アートフェアの核となるセクションとパートナーブースの魅力を公開!

ART FAIR TOKYO 2014|アートフェア東京2014

アートフェアの核となるセクションとパートナーブースの魅力を公開!(1)

150軒以上の出展者を迎えて開催される今年の「アートフェア東京」は、さまざまな枠組みを越えた、歴史的なつながりをいっそう感じられる祭典になる。しつらえにも趣向を凝らした古美術エリアには、20店もの古美術ギャラリーが軒を連ね、日本の近代と現代をつなぐ特別企画「アーティスティック プラクティス」も開催される。また、現代美術エリアでは従来のギャラリー展示に加え、企画性を追求した新設の「G-plus」セクションを展開する予定だ。特集第3弾では、アートフェアの核となるセクションとパートナーブースの見どころをご紹介する。

Text by YAMAKOSHI Noriko(ART FAIR TOKYO)

古美術の「北斎漫画」から日本を代表する現代美術まで

約200年ほど前、弟子達に絵の手ほどきをするために葛飾北斎(かつしか・ほくさい)が描き始めたのが始まりと言われる、北斎漫画。以降、広く人々に読まれてきたこの作品を40年来に渡ってコレクションをし続けているのが、浦上蒼穹堂の浦上満氏だ。同作品は世界の美術家にも影響を及ぼしているという。そのコレクションを今回のアートフェアで観賞できる。

浦上満氏は「虫の絵はエドゥアール・マネが模写していて、パリ国立図書館に保存されています。またひさしをかぶって運動をしているおじさん達は、実はパウル・クレーも模写しています」と語る。森美術館で開催中のアンディ・ウォーホル展では、ウォーホルお気に入りのものを集めたタイムカプセルの中に、北斎漫画が掲載されている本もあるという。

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北斎漫画/浦上蒼穹堂

また今年も特別企画「Artistic Practices(アーティスティック プラクティス)」を開催。“いつの時代にも、どんなジャンルにも実験的芸術がある”というコンセプトで2011年にスタートしたこの企画、今年のテーマは「日本が創った近代」だ。日本の近代美術から現代までの道のりとその歴史を紐解いてゆく。近年「具体」や「もの派」など、戦後の日本美術の流れを振り返る動きが世界に広まっている。「そのような断片的な事象をつなぎ、歴史の継続性を提示する試みはいまだになされていない」と本展の監修を務める山本豊津氏(東京画廊+BTAP代表)が語る。

いまの日本で目にする現代美術、そこにたどり着く以前の日本人アーティストたちは、 “日本の近代”という時代風土の中でどのように進化・変化していったのだろうか。洋画を中心に近代の日本人画家にしか描けなかった作品が、一堂に会するこの特別展。本展を通して、日本人独特の感覚と美術観のルーツ、そして今に息づく歴史のつながりを感じてほしい。

そして、現代美術エリアには、新設された「G-plus」に注目。日本を代表する現代美術ギャラリーを中心に17軒が参加、企画性の高いプロジェクトを展開する。ミヅマアートギャラリーからは青山悟の新作「About Painting」が、インスタレーション形式で展示されるほか、TARO NASUからは昨年の太宰府天満宮アートプログラムへの参加も記憶に新しいサイモン・フジワラの作品を出展。Take Ninagawa からは「具体」草創メンバー、山崎つる子の作品が出品される。

SCAI THE BATHHOUSEでは、名和晃平のキュレーションによって選ばれた作家たちの作品が展示される。さらに、古美術を取り扱うロンドンギャラリーを軸に据えた展示を企画している山本現代+ARATANIURANO+NANZUKAなど、今回は複数のギャラリーのコラボレーションも見逃せない。

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本堀雄二「薬師如来、十二神将」2013 ©Yuji Honbori Courtesy of NANZUKA

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山崎つる子「Work」2009 ©Tsuruko Yamazaki Courtesy of LADS, Osaka and Take Ninagawa, Tokyo

ART FAIR TOKYO 2014|アートフェア東京2014

アートフェアの核となるセクションとパートナーブースの魅力を公開!(2)

Text by YAMAKOSHI Noriko(ART FAIR TOKYO)

企画パートナーブースも必見!

さまざまなアート関係の企業が企画するパートナーブースも充実した展開。まずは、先日閉幕した「第17回文化庁メディア芸術祭」のブース。近年の作品も含めた受賞作品群をスクリーニング上映する。会期中には、過去に大賞を受賞し、今回も制作チームの一員としてエンターテインメント部大賞を受賞した真鍋大度氏や、海外で積極的に日本の現代美術を紹介している石井孝之氏(タカ・イシイギャラリー)らによるトークイベントも開催予定。

そして、日本の芸術写真・映像分野のマーケットの確立と発展、若手写真家の支援・育成などを目的に、昨年に設立された「日本芸術写真協会」によるブース。日本を代表するフォトギャラリー7軒が出展する。石内都(サードギャラリーAya)や今道子(フォト・ギャラリー・インターナショナル)、 高梨豊(タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム)などのベテラン勢から、若手の須藤絢乃(ピクチャーフォトスペース)や、浮遊感あふれる印象的な作品で知られる林ナツミ(MEM)など、見応えのある作家の作品が展開される予定だ。

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林ナツミ「Today's Levitation 05/08/2011」,2011 © Natsumi Hayashi, courtesy MEM

さらに、日本人特有の細やかさと器用さが成す“技巧”をもって、日本美術の未来と可能性を見出す展覧会「巧術」より「巧術 AFT Classic」というブースが登場する。2010年に開始以来 “技巧”を新たな武器とし、その鍛錬、修練によって、自身と作品を更なる高みへ運ぼうとする作家達の活動を紹介している。池内務氏 (レントゲンヴェルケ)のキュレーションのもとに、量産化された製品をモチーフにした作品で知られる佐藤好彦のギターを用いたオブジェ作品や、桑島秀樹の多層レイヤープリント作品などが出品される。8作家以上の作品を通して、日本独特の表現様式とその“モノガタリ”を感じられる展示だ。

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佐藤好彦「プレゼント・アームズ・アークタイプ(キャンディ・アップル・レッド)」,2011

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キービジュアルコラボレーション

「ART FAIR TOKYO」初のキービジュアルコラボレーション

最後に、今回はアートフェア東京史上初、アーティストによるキービジュアルコラボレーションも発表される。コラボレーションするのは、アートフェア東京のビジュアルイメージを毎年手がけている古平正義氏とアーティストの金氏徹平氏。

金氏氏によるアルファベットや絵の具の素材と古平氏デザインによるメインビジュアルが組み合わさり、新しくデザインされたバナーやボードなどが、会場に出現する予定だ。また、アンケートに答えると金氏氏デザイン アルファベットによる「ART FAIR TOKYO」ボールペンを先着順でプレゼントする。

アートフェア東京2014

日程|3月7日(金)11:00~21:00

3月8日(土)11:00~20:00

3月9日(日)10:30~17:00

会場|東京国際フォーラム

東京都千代田区丸の内3-5-1

入場料|1-DAYパスポート2000円、3-DAYパスポート3500円

アートフェア東京実行委員会事務局

Tel. 03-5808-1451

http://artfairtokyo.com

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