特集|伝統と革新の英国ロイヤル文化を巡る旅
特集|伝統と革新の英国ロイヤル文化を巡る旅
美しき英国へようこそ
ウィリアム王子とキャサリン妃によって2011年に執りおこなわれたロイヤルウェディングにつづき、かつてないほど注目が集まった2012年のイギリス。夏季ロンドンオリンピックで興奮したその記憶は、まだ多くの人々の脳裏に鮮明に残っていることだろう。その昔、大英帝国として世界をリードしてきた大国イギリスは、いまや世界の覇者ではなくなったが、伝統や格式を重んじながらも、つねに革新を追い求めている姿こそ英国本来の魅力であり、世界中から注目され愛され続ける所以だ。今回は「伝統と革新の英国ロイヤル文化を巡る旅」と題し、4回の連載に分けて美しきイギリスの魅力をお伝えしたい。
Photographs by MATSUI HiroText by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)
Chapter 1|豪華列車「ブリティッシュ・プルマン」で訪ねる英国田園風景
世界で最も古い鉄道の歴史を持つイギリスは、19世紀初頭に蒸気機関車が誕生して以来、華やかな大陸鉄道の時代が幕を開けた。かつて、パリとアジアの玄関口であるイスタンブールを結ぶ長距離豪華列車として誕生した「オリエント急行」は、現在も豪華列車として、旅人たちの注目を集めている。英国を疾走する「ブリティッシュ・プルマン」ことオリエント急行は、ロンドンを起点にケント州のカントリーサイドを巡り、全長274kmを約4時間半で戻ってくる人気列車のひとつだ。
イギリスの観光地はロンドンだけではない。もちろん、湖水地方やコッツウォルズなども有名だが、今回は“伝統と革新の英国ロイヤル文化”をテーマに、古くから王室のリゾート地として親しまれた田園都市ニューフォレストへトリップ。世界の旅人たちから愛されてやまない英国屈指のカントリーホテル「チュートン・グレン」で美しき自然に癒される。
クルマのドアを開ければ、そこに広がるのは、レザーとウッドが惜しげもなくあしらわれたゴージャスなインテリア。英国王室御用達として知られるイギリスの名車「ロールス・ロイス」に乗車し、ロンドン市内からおよそ80km西北西のオックスフォードへとドライブに出かけ、英国式ピクニックランチを優雅に愉しむ。
「伝統と革新の英国ロイヤル文化を巡る旅」最終回となる今回は、時代を超えて、イギリス王室や政界だけでなく、世界中のセレブリティ、多くのスターたちを魅了しつづけてきた名門ホテル「クラリッジズ」と「ザ・コノート」にステイ。ロンドン屈指の歴史と格式をもつ空間で、ひとときのロイヤル文化を堪能する。