特集|カルチャーの達人に訊く、音楽・本・映画Vol.5
カルチャーの達人に訊く、音楽・本・映画 Vol.5
時代の先端を駆け抜ける、そんな達人たちが薦める音楽・本・映画とは──。
生方ななえ|UBUKATA Nanae
ファッションモデル
──2012年の目標は?
正直に、柔らかく。
MUSIC
『Her Morning Elegance』
オーレン・ラヴィー
Adrenaline Music
心地よい音楽に映像(PV)。
やさしい時間が流れます。
BOOK
『アミ 小さな宇宙人』
著者|エンリケ・バリオス
徳間書店
世界11ヵ国で翻訳されているベストセラー。大切なことにあらためて気づかせてくれるすてきな本。さくらももこさんの絵もかわいいです。
MOVIE
『PARIS』
監督|セドリック・クラピッシュ
配給|アルシネテラン
パリを舞台にした群像劇。パリに生きる人びとの息づかいが聞こえてきそうな、そんな作品です。冬になると観たくなる映画。
石坂直樹|ISHIZAKA Naoki
フォトグラファー
──2012年の目標は?
表現のフィールドを広げていきたい。
MUSIC
TOKiMONSTA
ベストではないですが、ベターであれば『TOKiMONSTA』でしょう。在ロサンゼルスの女性アーティストで、hip hopをベースにdubstep要素をふくんだ楽曲はポップなメロディラインがキレイで聴きやすい。
BOOK
『Natural Stories』
著者|畠山直哉
産経新聞社
世界各国の鉱山や故郷の陸前高田などを収めた集大成的な写真集。隙のない完璧な瞬間、構図、光。
MOVIE
『メランコリア』
監督|ラース・フォン・トリアー
配給|ブロードメディア・スタジオ
地球滅亡の世紀末的テーマですがいわゆるパニック映画にみられがちな表現とはまったくちがい、ラース・フォン・トリアーの描く思想や哲学が映像化されている感じ。映像、構成がすばらしい。
永山祐子|NAGAYAMA Yuko
建築家
──2012年の目標は?
新しい生命と出会う年。
新しいことだらけの年になるけれど
挑戦し、それを楽しんでいきたい。
MUSIC
『Modal Soul』
Nujabes
Hydeout Productions
車に乗るときに聴くとスピード感とあいまってとても心地がいい。
BOOK
『生物と無生物のあいだ』
著者|福岡 伸一
講談社現代新書
生命とはなにか? という根源的な問いに真摯に取り組むさまざまな研究者の姿勢を見て、自分のものづくりの姿勢を考えさせられる。
MOVIE
『永遠と一日』
監督|テオ・アンゲロプロス
配給|フランス映画社
最後の海のシーンが胸にささるように美しく、とても印象的。生きるということを考えさせられる。見終わった後にじわっと心に響いてくる。
熊切秀典|KUMAKIRI Hidenori
「beautiful people」デザイナー
──2012年の目標は?
健康に前向きに元気よく楽しい気分で一生懸命仕事したいと思っています。
MUSIC
『ウェイスティング・ライト』
フー・ファイターズ
ソニー
大好きなロックバンドです。すごいビックでリッチなバンドなはずなのに、去年発売のニューアルバムでは自宅ガレージでの完全アナログ録音で、ロックの原点ともいえる手法で、最高にあたらしくかっこいい音になっています。3月には来日するので、コレクション準備真っ只中ですが、スタッフみんなには内緒で行っちゃおうかなと思っています(笑)。
BOOK
『またたびあびたたま』
著者|村上春樹
新潮社
大好きな村上春樹さんの回文集。上から読んでも下から読んでもおなじ言葉。その回文に添えられた、説明もすごくおもしろい。「そうよ、私、したわよ……嘘」とか名作だと思います。じつは今度、こんな考え方で洋服を作ってみようと考えています。
MOVIE
『ONE PLUS ONE/悪魔を憐れむ歌』
監督|ジャン・リュック・ゴダール
キングレコード
ゴダールは少し難しいけど……ローリングストーンズの名曲「悪魔を憐れむ歌」のレコーディング風景をとらえたドキュメンタリー。ストーンズの着ている服もおしゃれで楽しいし、曲がどんどん膨らんで磨かれていくようすとか、かっこよくて、こんなふうに物づくりしているんだと刺激を受けます。
廣川玉枝|HIROKAWA Tamae
「SOMARTA」デザイナー
──2012年の目標は?
世界に向けて、積極的にアプローチしたいと
思います。
MUSIC
『Nijiko』
高木正勝
Epiphany Works
ゆっくりと開くオルゴールの中から、過ぎ去りし日の想い出のなかにある喜びや悲しみ、苦しみや慈愛がつぎつぎに生まれ、そのすべてを包みこんで、柔らかく大きな一輪の花を開かせたような、郷愁を呼び起こし小さな感動を残してくれる曲です。
BOOK
『わたしを離さないで』
著者|カズオ・イシグロ
ハヤカワ文庫
生きていることやひとの存在とはなんなのか、あるいは普段自分が認識している世界の定義とはなんなのかを非常に考えさせられた物語であり、登場人物の静かに激しくうつりゆく、微細な心理描写に深く心を打たれた作品です。
MOVIE
『塔の上のラプンツェル』
監督|バイロン・ハワード、ネイサン・グレノ
ウォルト・ディズニー・ジャパン
塔に閉じ込められていた幼い少女が、大人になったときにはじめて外の美しく刺激的な風景や人びとに出会い、冒険をして成長していくという王道の物語ですが、それぞれのキャラクターがユニークかつ爽快で魅力的なのが楽しい。アニメーションならではの華やかで美しい美術やモーションもみどころで、時間を忘れて楽しめる作品です。