特集|カルチャーの達人に訊く、音楽・本・映画Vol.4
カルチャーの達人に訊く、音楽・本・映画 Vol.4
時代の先端を駆け抜ける、そんな達人たちが薦める音楽・本・映画とは──。
Azumi(Wyolica)|アズミ(ワイヨリカ)
シンガー/ミュージシャン
──2012年の目標は?
チャレンジ。
自分にしかやれないことをやる。
めんどくさがらない。
MUSIC
『go quiet a film』
ヨンシー
EMIミュージック
昨年出たヨンシーのソロアルバムの楽曲を本人が弾き語りした映像作品。ウクレレやチェンバロ、オルガン、ギター、時には自分の声をサンプリングして重ねて行く。全部一人。1曲ごとにドラマがあり、そのたびにヨンシーの歌声にきゅん……です。切なくてグッと来てしまいます。こんな作品創りたいな。
BOOK
『岡本太郎の沖縄』
著者|岡本太郎
日本放送出版協会
返還前の沖縄を映した写真集。今にも動き出しそうな躍動感にくらくらします。あまりにパワーのある写真なので、自分が弱っている時はなかなか開けない一冊。
MOVIE
『エディット・ピアフ 愛の讃歌』
監督|オリヴィエ・ダアン
配給|ムービーアイ
シャンソン歌手エディット・ピアフの半生。孤高であり、愛を歌うエディット。心打たれる感情があふれてきます。ステージでの恐怖、満たされない孤独感、彼女の波瀾万丈の人生は、歌うこと以外に幸せになれる場所がなかったのですね。音楽は裏切りません。
東 信|AZUMA Makoto
花屋
──2012年の目標は?
なし。
MUSIC
『Melvins』
Houdini
Atlantic/Wea
深い!
BOOK
『植物の私生活』
著者|デービッド アッテンボロー
山と渓谷社
深い!
MOVIE
『こだわり人物伝 升田幸三 伝説の棋士』
販売元|NHKエンタープライズ
深い!
寺田直子|TERADA Naoko
トラベルジャーナリスト
──2012年の目標は?
2012年は、50代のマイファーストイヤー。40代で積み重ねた経験をソーシャルに活用したいと思っています。走りつづけてきた旅にまつわる仕事も、少しペースダウンさせて、ゆっくりと深く。旅する意味を伝えたいと思っています。
MUSIC
『ドゥー・ワップス&フーリガンズ』
ブルーノ・マーズ
ワーナーミュージック
今回は「友情」をキーワードにチョイス。このアルバムに入っている『Count on me』は、現代版の『You've Got A Friend』。震災後、のびやかなメロディと前向きな言葉がとても元気づけてくれました。『Talking to The Moon』は復興チャリティアルバム『Songs for Japan』にも収録された美しい曲です。
BOOK
『ウォッチャーズ』
著者|ディーン・R・クーンツ
文春文庫
すべての愛犬家とホラー好きへお薦めする一冊。孤独な中年主人公が森の中で出会う一匹の犬との信頼関係を育んでいくようす、アインシュタインと名付けたその犬がひき起こすダークな運命には思わず引き込まれてしまいます。ストーリーテラーで知られるクーンツの代表作のひとつです。
MOVIE
『ヤング・ゼネレーション』
監督|ピーター・イェーツ
配給|20世紀フォックス
30年以上前の映画ですが、色あせることのない青春映画。アメリカの片田舎に暮らすイタリアかぶれの自転車少年とその家族、友達との愛情と信頼の物語。ユーモアとちょっとビターな人生の一瞬を刻みながら、終盤へとゴールインする疾走感はさすが、名匠ピーター・イエーツです。
平沼孝啓|HIRANUMA Kohki
建築家
──2012年の目標は?
これまで、まっすぐに前に進もうと、つくることばかりしてきた30代。40歳になった今年、大きな震災から時代も変わろうとしているなか、来年はひとつひとつ、協力しながらできることにじっくり取り組みたい。そしてあたらしい時代に合わせた若い世代のひとたちのことも考えながら、育んでいくことにも向き合いたい。
MUSIC
『Playing the Piano』
坂本龍一
Universal Int'l
坂本龍一さんの奏でる旋律は、冬の朝方のつめたい空気に触れるように、凛とした感性や感覚を研ぎ澄ませてくれます。
BOOK
『1Q84』
著者|村上春樹
新潮社
人間の創造力とはリアリティある世界に、まったくちがう次元の空間を存在させることができるのだということを、あらためて思い知らされた一冊です。マイケル・ポランニーの暗黙知の次元から、その知への次元性と分析的な知覚では絶対わからない、体得できる脳の働きが創造的なものだと実感させられます。
MOVIE
『イリュージョニスト』
監督|シルバン・ショメ
配給|クロックワークス/三鷹の森ジブリ美術館
フランスの喜劇王、ジャック・タチが娘のために残した脚本を、ショメがアニメ化した映画。ストーリーは台詞を極限まで減らし、サイレント映画のような描写がみせる映像の風合いや質感は、成熟した現代が失った、豊かな環境とは何か気づかせてくれます。
松永麻衣子|MATSUNAGA Maiko
chocolatmag編集長
──2012年の目標は?
子どもに自分が言っている3本柱をもう一度自分に向けて考えたいと思います。私たちが汚してしまった地球をきれいにする努力をしたいです。そして、chocolatmagをもっといろいろな方たちに見てもらえるようにしたいです。
MUSIC
『Un Monstre a Paris』
ヴァネッサ・パラディ & M
Barclay
秋に公開された映画『アン・モンスター・ア・パリ』のサウンドトラック。映画もすばらしかったけど、主題歌がとくに好きです。子どもも大人も楽しい気分になれます。そして、橋の上で踊りだしたくなる。夢を見ることは大切ですね。
BOOK
『OGRES,BRIGANDS ET COMPAGNIE』
著者|トミー・アンゲラー
l’ecole des loisirs
トミー・アンゲラーのベストセラー『すてきな 三にんぐみ』をはじめ他3作がまとまった1冊になりました。ストレートじゃない物語が魅力!
MOVIE
『チェルノブイリ・ハート』
監督|マリオン・デレオ
配給|ゴー・シネマ
現実から目を背けることはもうできない。後戻りはできないのだから、今なにをしなければいけないかをきちっと考えたい。そう思わせてくれる作品です。