連載｜体感する読書～THE READING EXPERIENCE～｜第2回「少しずつ変化する景色」
新連載｜THE READING EXPERIENCE
今月の3冊｜Jun. 2013
第2回「少しずつ変化する景色」（1）
人生を左右する本との出合い。それは一瞬の出来事かも知れません。そんな特別な1冊を求めて世界を駆け巡るブックハンター、twelvebooksの濱中敦史さんがセレクトした写真集・作品集を3冊ご紹介します。見てよし、触ってよし、飾ってよし。ようこそ、体感する本の世界へ。
今月のテーマは、おなじ被写体を時間や角度を変えて捉える「定点観測」。物事が少しずつ変化する様子に心奪われた写真家たちの3冊をお届けします。
Selected by HAMANAKA Atsushi (twelvebooks)Photographs by JAMANDFIXText by TANAKA Junko (OPENERS)
季節の移り変わりを8×10で
イギリス南西部の自然を25年以上捉えつづけてきた、ランドスケープ・フォトグラファーのジェム・ソーサムの作品集。秋口から春先にかけて5カ月間、デボン州に流れるエグゼ川流域を定点観測的に撮影。微細に変容する景色を8×10で捉えている。巻末に気象学者のリチャード・ハンブリンが綴ったエッセイを収録。
『The River Winter』
著者｜ジェム・ソーサム（Jem Southam）
サイズ｜330×277 mm
ページ数｜96ページ
出版社｜MACK（www.mackbooks.co.uk）
価格｜7770円
販売先｜VACANT、TSUTAYA DAIKANYAMA T-SITE
発売中
新連載｜THE READING EXPERIENCE
今月の3冊｜Jun. 2013
第2回「少しずつ変化する景色」（2）
今月のテーマは、おなじ被写体を時間や角度を変えて捉える「定点観測」。物事が少しずつ変化する様子に心奪われた写真家たちの3冊をお届けします。
Selected by HAMANAKA Atsushi (twelvebooks)
Photographs by JAMANDFIX
Text by TANAKA Junko (OPENERS)
重ね合わせた木
写真界で大きな影響力を持つオランダ発の写真雑誌『Foam』。そのなかでも紹介された注目の若手オランダ人アーティスト、キム・ボスケ初の作品集。「ときの経過」をコンセプトに、おなじ木をさまざまな角度、時間軸で撮影したものを重ね合わせた本作。普段、私たちの肉眼では見ることができない木の全体像が、1枚のイメージに集約されている。
『Mapping』
著者｜キム・ボスケ（Kim Boske）
サイズ｜230×340 mm
ページ数｜60ページ
出版社｜自主出版
価格｜5040円
発行部数｜500部
販売先｜VACANT、FLOTSAMBOOKS
発売中
新連載｜THE READING EXPERIENCE
今月の3冊｜Jun. 2013
第2回「少しずつ変化する景色」（3）
今月のテーマは、おなじ被写体を時間や角度を変えて捉える「定点観測」。物事が少しずつ変化する様子に心奪われた写真家たちの3冊をお届けします。
Selected by HAMANAKA Atsushi (twelvebooks)
Photographs by JAMANDFIX
Text by TANAKA Junko (OPENERS)
堆積岩の周りをぐるり
大規模なランドスケープを撮ることで知られるベルギー人写真家、ヤン・ケンペナースの作品集。約800年前からアイルランドにある「Dun Briste（＝破壊された要塞）」と呼ばれる巨大堆積岩。その周りを1周しながら捉えたランドスケープを、一連の流れそのままに収録。オリジナルプリント付き。
『Dun Briste, Downpatrick Head』
著者｜ヤン・ケンペナース（Jan Kempenaers）
サイズ｜230×330 mm（見開き＝404×510 mm）
ページ数｜30ページ＋カラーのラムダプリント（カラー）付き
出版社｜ROMA PUBLICATIONS（www.romapublications.org）
価格｜5000円
販売先｜FLOTSAMBOOKS
発売中
濱中敦史｜HAMANAKA Atsushi
twelvebooks代表。2010年3月、現代写真を中心に、独自のスタイルをもつ出版社やアーティストの活動をプロモーションするプラットフォームとして、「twelvebooks」を設立。洋書や洋雑誌の国内流通を手がけるほか、写真展の企画や選書、ディレクションまで、書籍やイメージに関わる活動を展開する。www.twelve-books.com
Photo by Daisuke Hamada