ART|『「フクシマ」へ門を開く -福島第一原発観光地化計画展 2013』
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2015年4月2日

ART|『「フクシマ」へ門を開く -福島第一原発観光地化計画展 2013』

ART|寄り添うだけではない“ポスト311建築”“ポスト311アート”

東浩紀らによる『「フクシマ」へ門を開く -福島第一原発観光地化計画展 2013』

昨年、思想家の東浩紀(あずま・ひろき)が立ち上げ、大きな議論を巻き起こした「福島第一原発観光地化計画」。今年11月にはその提案をまとめた書籍も発売された。この書籍成立にかかわった作品群などを展示する『「フクシマ」へ門を開く -福島第一原発観光地化計画展 2013』が、12月24日(火)から28日(土)まで、品川区・五反田のゲンロンカフェなどで開かれる。

Text by YANAKA Tomomi

第二会場は「被作品化」への同意が必要となる参加型インスタレーション

原発事故後25年後の2036年をめどに、福島第一原発近くにあるJヴィレッジを大胆に再開発、事故跡地を開放し、誰もがみることのできる、見たい場所にするべく立ち上げられた「福島第一原発観光地化計画」。昨年、ジャーナリストの津田大介や社会学者開沼博、建築家藤村龍至、アーティスト梅沢和木といったジャンルの異なる8人のメンバーを集めて研究会を始動。今年11月には書籍『福島第一原発観光地化計画思想地図β vol.4-2』として結実した。

この書籍に収録された作品や制作過程の記録が紹介される本展では、藤村龍至による『ふくしまゲートヴィレッジ』模型などを展示。また、ネット上にある画像を使いコラージュする作品で知られる梅沢和木は『ツナミの塔』のスケッチ案、写真家新津保建秀によるチェルノブイリや福島の写真も呈示される。

そして、第二会場は参加型インスタレーション。会場の様子は監視カメラでネット中継され、来場者は震災の経験に巻き込まれることになる。中継作品はのちに梅沢作品の素材として使われる可能性があり、鑑賞をするためには「被作品化」への同意が必要となり、監視カメラに囲まれた原発事故現場立ち入りへ対してのアレゴリー(諷喩)にもなっている。

フクシマ 02

さらに、震災後の梅沢のすべての活動の出発点となった、約2メートル×5メートルの大作絵画『うたわれてきてしまったもの』も特別公開される。

社会運動としての側面とともに、既存の“ポスト311建築”“ポスト311アート”への意義の申し立てという面ももちあわせているという「福島第一原発観光地化計画」。ただ被災者に寄り添うだけではない復興のカタチ、そして、あたらしいアートの息吹きを私たちは目撃することとなる。

『「フクシマ」へ門を開く -福島第一原発観光地化計画展 2013』

会期│12月24日(火)~28日(土)

時間│15:00~21:00 ※24日は18:00~、27日、28日は13:00~18:00

会場│第1会場:ゲンロンカフェ

東京都品川区西五反田1-11-9 司ビル6F

Tel.03-5719-6821

第2会場:ゲンロンオフィス

東京都品川区西五反田1-16-6 イルモンドビル2F

Tel.03-6417-9230

入場料│1500円 ※ワンドリンク付き

           
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