AAF通信|建築学生ワークショップ滋賀2011 リポート
LOUNGE / ART
2015年2月13日

AAF通信|建築学生ワークショップ滋賀2011 リポート

AAF通信|島ひとつをモチーフにした2ヵ月にわたるプロジェクト

建築学生ワークショップ滋賀2011 リポート

全国の大学で建築や環境デザインを学ぶ学生たちが、琵琶湖の自然環境をサスティナブルなものにするためにアイデアを出し、原寸大の空間として実現化する「建築学生ワークショップ滋賀2011」をこの夏、琵琶湖に浮かぶ竹生島を舞台に開催しました。ここでは、一連のワークショップ開催のようすを紹介していきます。

Text by Art & Architect FestaPhoto by SHIGETA Satoshi ©Nacasa&Partners.Inc.

神の棲む島、竹生島

今回のワークショップの舞台となったのは、古来、信仰の対象となった島で、“神の棲む島”とも言われる竹生島。もともとは新仏一体の聖地でしたが、現在は弁才天社から改称した都久夫須麻神社(竹生島神社)と、西国三十三箇所三十番の札所でもある宝厳寺にわかれています。都久夫須麻神社の本殿には、桃山時代を代表する優雅できらびやかな装飾がほどこされ、国宝となっています。また、宝厳寺の竹生島弁才天は、相模の江島神社、安芸の厳島神社と並んで日本三大弁才天のひとつに数えられています。

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参加説明会・基調講演

ワークショップの開催にあたり、参加を希望する学生に向けて参加説明会を実施したさい、東京会場では建築家の吉村靖孝氏、京都会場では建築家の三分一博志氏による基調講演をおこないました。

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現地説明会・現地調査

2011年7月2日(土)におこなった現地説明会では、現地にて課題テーマの発表・説明と、フィールドワークを実施。午前中にはワークショップのテーマ発表と説明をおこない、その後、対象敷地を実際に見学してまわりました。午後からはmegumi船内にて成安造形大学付属近江学研究所の加藤賢二氏によるレクチュアも開かれ、地域環境の歴史的、文化的特性について学びました。その地域の住民にとって、あるいは、地球環境にとってなにが本当に必要なことなのか。そのための手段や方法を検討し、具体的な提案まで構想することが求められました。

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提案作品講評会

2011年8月6日(土)から 7日(日)にかけては、1泊2日の日程でビアンカを貸し切り、提案作品の講評と、制作プランについて打ち合せ。1日目には、提案作品の発表をおこない、参加講師による講評会が開催されました。2日目には、前日の講評結果をふまえたうえで、制作素材や手段、方法などを具体的に検討。各グループ、制作手配や材料発注のための打合せをおこなっていました。

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合宿での原寸制作

2011年9月6日(火) からは、いよいよ1週間の合宿形式による原寸制作がはじまりました。湖上に浮かぶ島という性格上、各班とも念入りな準備をして制作に臨みます。湖底100メートルから最高標高約200メートルまでそびえ立つ「湖底の塔」のような地形上、島内は傾斜がきつく、資材の搬入は想像を絶する作業となりましたが、日ごろの生活とは異なる環境での制作は、学生たちの完成に向かう気持ちをより強くさせていったようです。

船上公開プレゼンテーション

2011年9月11日(日)ビアンカ(琵琶湖汽船)船上にて、琵琶湖クルージングを楽しみながら、建築家や構造家、環境学者の講師をむかえ、公開プレゼンテーションを開催。竹生島のもつ豊かな自然環境や、歴史的な背景に触発され、フレッシュな発想力のもと実現した作品に対して、審査員の先生方に、さまざまな観点から講評をいただきます。講評後の表彰式では涙を流す学生の姿も見られ、およそ2ヵ月以上にわたり取り組んできたワークショップの成果が実ったフィナーレとなりました。

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