ブルガリCEOに聞いた回顧展『アート オブ ブルガリ』|BVLGARI
LOUNGE / ART
2015年10月27日

ブルガリCEOに聞いた回顧展『アート オブ ブルガリ』|BVLGARI

BVLGARI|ブルガリ

プロジェクションマッピングで幻想的な世界を演出

ブルガリの原点を見られる貴重な回顧展

現在、東京国立博物館 表慶館で開催されている『アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝』で来日したブルガリ グループ CEOのジャン-クリストフ・ババン氏に今回の回顧展の見所などをお聞きした。

Photographs by KISHIDA KatsunoriText by KAKIHARA Takayoshi(OPENERS)

ブルガリ130年の軌跡を体感

――『アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝』の目的はなんですか。

おかげさまでブルガリは、昨年創業130周年を迎えることができました。そこで、日本のみなさんに、ブルガリの起源ともいえる希少な品々をご覧いただきたく、こうした機会をもうけさせていただきました。世界初公開となるものも含めて約250点ものラグジュアリーピースをご覧いただけます。

ブルガリにとって、日本はとても重要な市場と考えています。日本のお客さまは、ブルガリを流行でなく、ブランドの本質から愛していただいています。そうした愛情とロイヤリティを示してくださるお客さまに対して恩返しの印ということにもなるかと思います。

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今回の展示ですが、過去のアーカイブ、例えば、1920年代~30年代のダイヤモンドやルビー、サファイアといったような商品や1960年代の宝石が展示されているわけです。こういった形式で過去からのアーカイブをご覧いただくことで、現在のブルガリへと継承されているのが、きっとご理解いただけると思います。

今回は日本において、ブルガリに息づくクラフツマンシップ、そして未来に発表されるラグジュアリーピースのDNAまでも感じていただけると考えています。あらゆる素材、あらゆる宝石を組み合わせた作品、そのなかには、世界のセレブリティ、エリザベス・テイラーといった芸術家が所有されていたユニークピースも展示しています。ブルガリを愛した多くの方々の軌跡をみることもできます。

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――展示のなかに日本を意識したアート作品が展示されていますが、どんな目的で展示されているのでしょうか。

日本で開催するからには、日本のみなさまにもなんらかの形で敬意を示したいと思っていました。私たちのブランドのコンセプトだけで、一方的に何かを展示する、提供するというわけではないのです。ブルガリを愛していただいている日本のみなさまの文化に敬意を表したものを特別に展示させていただきました。

私たちはイタリアのローマをルーツとしているブランドです。これまで私たちは、さまざなジュエリーを世に送り出してきました。それぞれの作品には、背景やコンセプトがあります。そうした発想の原点を「日本」としたもののひとつが、今回展示されている「富士山」をモチーフにしたブローチです。ご来場いただける日本のみなさんにぜひ、ご覧いただきたい作品のひとつですね。

――ところで、CEOに就任されて約2年となります。ブルガリが劇的に変化したと感じますが、どんな戦略で改革を進めていったのでしょうか。

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ブルガリのCEOに就任したときにはブルガリの強固なイメージ、そして信頼が世界で確立されていて、ブルガリというブランドは、すでに勢いを増しているというところでした。私は時計ブランドからジュエリー業界へ入ってきたので、あたらしい視点で物事を見ることができました。そういったことが現在の商品の開発に役立ったかもしれませんね。しかし、それ以上にブルガリは多くの顧客のみなさんに支えられた信頼されるブランドであることを再認識しました。

ブランドの勢いを加速できたことはあるかもしれません。しかし、ブルガリというブランドの根本を変えたということはまったくありません。私は、主人公ではないのです。ブランドを実際に大きく動かしているのは、ブルガリのなかに息づいている人たちが文化を作り変化を促していると考えます。

――最後に日本のブルガリを愛するみなさんへこの展示の見どころを教えてください。

ブルガリは、1884年に創業しました。ローマで銀細工にはじまり、そして次第に大胆な色使いのジュエリー、珊瑚など、次々に斬新なデザインを生み、クオリティが向上し、世界で話題となっていきました。そうしたブルガリの初期から現在までの進化を今回の展示ですべて見ることができます。

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展示しているコレクションのなかには、繊細な感情を揺さぶるもの、あるいは愛にかかわるようなもの、例えばウェディングに関連するようなコレクションもあります。そしてもうひとつハイライトをあげさせていただけるのなら、セルペンティの時計のですね。展示されているものの一部は、世界中から取り寄せたものです。1950年代~60年代に製作されたものを中心にブルガリの作品を一つひとつ買い戻してきました。今回みなさんがご覧になる展示物のなかには世界初公開のピースが20近く含まれています。

そして、バーゼルワールドでも発表させていただいた腕時計、ブルガリ・ローマの40周年を記念する商品もあります。今回はこういった包括的なブルガリの歴史を伝える内容になっています。多くが、イタリアの博物館で展示されている希少な品々です。きっと、ブルガリがもっている本物の価値を感じていただけることと思います。

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アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝
会期|11月29日(日)まで
時間|9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
※金曜日と10/31(土)~11/2(月)は、20:00まで開館
休館日|11/4(水)、9(月)、16(月)、24(火)
会場|東京国立博物館 表慶館(上野公園)
料金|一般1400円(1200円/1100円)、大学生・高校生800円(600円/500円)、中学生以下無料。
※( )内は前売り/20名以上の団体料金。障がい者とその介護者1名は無料(入館の際に障がい者手帳などを提示)

問い合わせ先

東京国立博物館 ハローダイヤル

Tel.03-5777-8600

http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1733

           
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