和醸和楽|第15回 米どころの町で、小さな酒屋がいだく想い「齋林本店」
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2015年5月27日

和醸和楽|第15回 米どころの町で、小さな酒屋がいだく想い「齋林本店」

米どころの町で、小さな酒屋がいだく想い

~日本酒から地域活性へ~ こごたの地酒屋 齋林本店

「こごたの地酒屋 齋林本店(さいりんほんてん)」は、宮城県北部に位置する美里町(旧こごた町)にあります。奥羽山系が源の江合川・鳴瀬川町内を貫流し、この豊富な水量に恵まれた農業が基幹産業となっています。町の面積の70パーセントが「田んぼ」ということは……、自慢は、やっぱり「米」ですね。なにせ、“ササニシキ・ひとめぼれの里”ですから。しかし、田んぼだらけの、な~んにもない田舎町なんて、よく言われておりますが……そんなことは、ございません!! どっぷりと我が町にひたり、この町がキラッ! と光る酒屋の仕事がなにかあるはず!!

文・写真=和醸和楽

酒屋がはじめた、地域を活かした「酒米づくり」と「日本酒」ファンの掘り起こし

第8回  パンクの女王の倫理的な活動

米職人・直枝 武氏

といっても、酒屋ですので米づくりをしたことがありません。そこで、我が町のロバート・デニーロこと、米職人 直枝 武氏を口説き落とすことからはじまった。

1回目 断られる。
2回目 話だけ聞いてもらえる。
3回目 酒を飲む→飲んでいる日本酒の酒米の話
4回目 酒を飲む→飲んだお酒が、かなり気に入ったようす。まったく日本酒を飲まない奥さまが日本酒デビュー。
5回目 酒を飲む→奥さま好みの日本酒を持参し、奥さまを味方に、口説き落すことに成功。まさに、“飲みニケーション”の成せる技である。

そんなところからはじまった酒米づくり。年を重ねるたびに、自然に集まるひとたち。一軒の農家さんからスタートした「酒米づくり」が近隣の農家さんにも賛同いただき、いつの間にかこんなにたくさんの、ゆかいな仲間たちが集いました。

我が町の農家さんが注目を浴びている。
我が町に、たくさんの人たちが訪れる。

第8回  パンクの女王の倫理的な活動

第8回  パンクの女王の倫理的な活動

ちょっとだけですが、我が町がキラッ! と光った瞬間です。田んぼなんて、身近にあるもの。しかし、みなさん! 素足で入ったことがありますか? 泥のぬくもりに感動し、作業の苦労と豊作のよろこびを100パーセント体感したひとたちは、収穫したお米でできたお酒を口にしないひとはいない。そして、自然に携わったひとたちから日本酒を通じて新あらたな参加者へ!! 日本酒には、こんな伝え方ができる力があるんです! 日本酒から繰り広げられる可能性は無限大と感じます。

そして、未来の飲み手に伝えること。農業体験ということで参加している子どもたち。お父さんのために! おいしいお酒ができるように! と一生懸命な姿。そんな想いがいつしか、20歳になったとき、「私、小さいころに酒米つくったんだ!」なんて思い出話をしながら、家族や友人と日本酒が楽しめたらすてきですね。

日本酒の、ちょっとオイシイ話

「日本酒」は、決して堅苦しい飲み物ではございません。酒米づくりのメンバーも、全員が日本酒ファン! ではありませんでした。旦那は飲むけど……私は……×。なんて奥さまが、「酒米づくり」がキッカケで……。いまではお酒選びの主導権を握っている方もいます。

「日本酒」を飲むキッカケ。ここが重要なポイントではないでしょうか。日本酒は、皆さまの日々の生活のなかに身近に存在し、おいしく! 楽しく! あらゆる環境やシーンに適応可能なお酒だと思います。ブランドや味で選ぶのもよし! 今日のこんな気分に合うお酒→喜怒哀楽で選ぶのもよし! なにかの記念日や仲間と鍋を囲みながら飲むお酒→飲もうとする背景で選ぶのもよし! 失恋してヤケ酒だって、どうせ飲むならおいしいお酒! 口にふくんだら意外と笑顔になれるかも。そんな、いい日本酒との出会いのお手伝いをさせていただくのが私たちの仕事です。日本酒ファンから、これからの日本酒ファンへ“0杯を1杯”に! 米どころの酒屋が、あなたに合う日本酒を提供いたします。

第8回  パンクの女王の倫理的な活動

こんな私ですが宜しくお願いします
(齋藤高史)

<h1>第8回  パンクの女王の倫理的な活動</h1>
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こごたの地酒屋 齋林本店(さいりん)
宮城県遠田郡美里町南小牛田字町屋敷124
Tel. 022-32-2304
営業時間|9:00~20:00
毎月第一・第三日曜日定休
jackie-brown3829@minos.ocn.ne.jp

最寄り駅は「小牛田」。電車でお越しの際は、事前にご連絡ください。歩くとかなり遠いです。
とくに雪の日は、たどり着きません。

           
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