Divine of Creation|伊藤嶺花×佐藤オオキ(前編)
さまざまなステージで活躍するクリエイターをゲストに迎え、スピリチュアル ヒーラーの伊藤嶺花さんが、ひとが発するエネルギーを読み解くリーディングと複数の占星術を組み合わせ、クリエイターの創造力の源を鑑定。現世に直結する過去生や、秘められた可能性を解き明かし、普段は作品の陰に隠れがちでなかなか表に出ることのない、クリエイター“自身”の魅力に迫ります。
スピリチュアル対談 Vol.4|佐藤オオキ(デザインオフィス nendo 代表)
伊藤嶺花が“視た”ゲストの肖像
「日常生活の楽しさは無限大にあることを伝えていくエンターテイナー」(前編)
デザイナーらしからぬデザイナー?
第4回目のゲストは、デザインオフィスnendo代表の佐藤オオキ氏。建築からインテリア、家具、プロダクト、グラフィックまで幅広く活躍。最新作の「24 ISSEY MIYAKE」では、ロゴなどのグラフィックからインテリアまでトータルにブランド全体のデザインを手掛けるなど、さらなる飛躍の一歩を踏み出した氏の素顔に迫ります。
Text by OPENERSPhoto by Jamandfix
前生は世界中を飛びまわっていた旅芸人
佐藤 よろしくお願いします。いきなり質問なのですが、どのようなきっかけでこのお仕事をされるようになったのですか?
伊藤 体質的なものといいますか、幼少のころからいろんなものが視えていたんです。
佐藤 視えるっていうのは?
伊藤 ひとによっていろいろなパターンがあるのですが、私の場合は視覚的に飛び込んできます。亡くなっているかた、生きているかた、生きているかたの意志のエネルギーだけという場合もありますし、肉体をもったことのない天界の存在もビジュアライズされて視えますね。前生のエネルギーとかは、その方を被せるように視えてきます。
佐藤 僕の前生も視えるのですか?
伊藤 はい。佐藤さんの前生は、世界中を転々としていた旅芸人ですね。一カ所にとどまらずに各地で公演をしていたようです。
佐藤 確かに、いまも移動が多いですね。一年中転々としています(笑)。芸人というのは、ステージに立っていたのですか?
伊藤 演じてはいたようですが、どちらかというと舞台全体の演出を手掛けたりしていたようです。演出家や監督といった立場なのでしょうか……。お芝居をするというよりは、世界観をつくることが本職のようですね。前生が移動の多い生活だったので、今回の人生では安定した基盤が欲しいと思っていらっしゃるのかな。
佐藤 だから僕ひきこもりなんですね!
伊藤 あははは!
佐藤 いや、本当にひきこもりなんですよ。インハウスデザイナーって言葉がありますけど、僕は文字通りの意味でインハウス(笑)。本当に家が好きなんですよね。外出は半径500メートル以内で散歩とか。だから友達とかすごく少ないんです。あっ、こういう相談する場所じゃないですね(笑)。
伊藤 いえいえ、かまいませんよ(笑)。
佐藤 携帯のメモリーも20件くらいしか入っていないんですよ。床屋、歯医者……あとは親族くらい。よく取材などで「クリエイターのかたってお休みの日はなにをされているんですか?」って聞かれるんですけど、本当になにもしてないんですよね。
伊藤 普通のことをしたいと思ってらっしゃいますから。
佐藤 やっぱりそうなんですね。
伊藤 精神的な安定基盤を求めていらっしゃるので。前生では、劇団のメンバーが家族ではあるけれども、本当の自分の居場所はどこなのか、と思っていらっしゃったようです。
ミラノサローネをきっかけに結成した「nendo」
佐藤 さきほど移動が多いといいましたが、海外に行っても全然嬉しくないんですよね。観光もまったくしないですし。
伊藤 前生でさんざん見てきていますからね。
佐藤 でも、海外の仕事のほうが圧倒的に多いんですよ。もっと日本の仕事も増やしたいのですが。2003年の春に「ミラノサローネ」で発表した作品が出発点ということもあって、結果的に海外のクライアントが多い現状。「ミラノサローネ」が出発点というのも、たまたまなんですけどね。卒業旅行でミラノに行って、そのときに見た「ミラノサローネ」がすごく楽しくて。それまでは、自分のなかの建築って堅苦いイメージだったんです。窮屈に感じていたというか。そんなときにイタリア旅行をして、世界中のプレスやデザイナー、メーカーが集まって、一年分の取材をしながら一般のひとも巻き込んでしまっているサローネを見て「自分もこういうところでお仕事できたらな」って思ったんです。そこで結成したのが「nendo」という組織。いまもなんとなくそれがベースになっていますね。マネージメントの人間もそのころから一緒ですし。
伊藤 前世でもご一緒だったと思いますよ。
佐藤 それは気持ち悪いなぁ。本気でゲイにまちがわれるんですよ! クライアントにホテルをとっていただくときも、打ち合わせが楽だからという理由でツイン1部屋にすることが多いんです。そうすると、フロントのかたが気を遣ってくださって、部屋に入ったらダブルベッドが用意されていたり!
伊藤 あははは! おもしろすぎる。
佐藤 すいません、話がそれてしまって。でも、昔から旅をしていたんですね。
伊藤 知的好奇心が旺盛なので。おもしろいと言われると、とりあえずかじりたい。小さい子どものような、純粋な好奇心。
佐藤 そうなんですよね。ひとから薦められると「へぇ! そんなに面白いんだ!」って。単純なんでしょうね。けど、実際に動くとなると小心者なんです。
伊藤 知ってます(笑)。
佐藤 あれ? 説明もいらない感じですか(笑)?
伊藤 尖ったものや血も苦手ですよね。だから作品も自然と丸いフォルムのものが多くなる。
佐藤 あぁそうか! 確かに! そういうことなんですね。
伊藤 けど、単になんでも興味をもって、なんでもやるということではなくて、どちらかというと、ツボにはまるとストイックに突き進むタイプなので、そのときに出しているエネルギーはとても職人気質というか、頑固一徹。好奇心旺盛なわりには、なにかをはじめるときはすごく計算して慎重になりますよね。論理的で、詰将棋的な。
佐藤 そうですね。自分のなかでの正解っていうのは、なんとなくですが必ず持っていますね。白か黒かで言ったらこっちかなくらいのものですけど。けど、クライアントの方に「こうしたいんです」と言われたり、技術者の方に「無理です」とか言われると、「それもありかなぁ」って心の底から思えてしまうんですよね。デザイナーって、自己主張が強くて頑固なイメージがあるじゃないですか。そういうのはまったくないですね。
伊藤 振れ幅は広くもっているのですが、中心に一本、線がありますよね。
Sato OKI
1977年カナダ生まれ。2000年早稲田大学理工学部建築学科を主席卒業し、02年同大学
大学院修了後、デザインオフィスnendoを設立。建築からインテリア、家具、プロダクト、グラフィックまで幅広くデザインを手掛ける。最新作の「24 ISSEY MIYAKE」では、ロゴなどのグラフィックからインテリアまでトータルにブランド全体のデザインを手掛けてい
る。今年より桑沢デザイン研究所非常勤講師。http://www.nendo.jp/
ITO Reika
株式会社ディヴァイン代表/スピリチュアルヒーラー 服飾雑貨系の製造卸売業、仕入製造小売業の企業にて商品企画、広告宣伝、経営企画の仕事に従事したのち、チャネリングやリーディングによって視えたことを、複数の占星術を組み合わせて読み解く独自スタイルの宿命鑑定と、ヒーリングや催眠療法などを行うライトワーカとして活動を開始。有名企業経営者からの企業鑑定依頼も多く、これまでに10万件以上の鑑定実績をもつ。2009年7月から、自由が丘にて個人セッション再開、満月&新月のワークショップを開始予定。著書に『シンクロニシティ』、『運命好転術』。www.divine-msg.com