スーパーセブンに似合う赤(その2)
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2015年5月7日

スーパーセブンに似合う赤(その2)

スーパーセブンに似合う赤(その2)

鈴木正文×近藤かねよし(L&KONDO)

photo by UZAWA kay

試着でご満悦の鈴木さんです

皮革の魅力とこだわりを語る

鈴木正文:近藤さんのプロダクトで皮革は欠かせませんが、どうして皮がいいんですか。

近藤かねよし:革は自然のもので、制約がものすごくあります。原皮の大きさを考えても、生き物そのものの形で、リアルですからね。たとえば鈴木さんの皮と僕の皮だと、同じ男の皮でも育ちが違うので、染まり方も違います。極端に言えば、考え方まで違いますね。それを一緒に染めるわけで、アウター一着をつくるのにカーフなら3~4枚、シープのパンツなら約6枚は使う。一枚一枚まちまちだから面白いのかな。今でも「なぜ皮革が面白いのか」を探しているのかもしれません。仕事していると皮が呼んでますからね(笑)。

鈴木:なめしはどちらですか?

近藤:イタリアが一番多いですね。

鈴木:ピサ辺りですか。

近藤:そうです。

鈴木:イタリアではトスカーナ地方が本場なんですよね。どうしてイタリアがいいんですか?

近藤:水はもちろん良いんでしょう。あと地場産業なので規制が若干緩いところもあると聞いています。それも歴史の事実でしょうね。

スーパーセブンに似合う赤(その2)鈴木正文×近藤かねよし(L&KONDO)

近藤かねよしさん

松阪牛の革はどうでしょう

鈴木:原皮の現状はいかがですか?

近藤:一概に全否定はできませんが、世界的に見ても、モノは良くないし、質が悪いですね。

スーパーセブンに似合う赤(その2)鈴木正文×近藤かねよし(L&KONDO)

鈴木正文さん

鈴木:よくそう聞きますが、原因はどこにあるんでしょうね。

近藤:もちろん様々な要因が重なり合っていますが、世界中に干ばつが起きていて、動物がエサや水分を充分に摂れない。そうすると肌がカサカサになって虫食いが始まるんです。つまり質の悪いぱさついた皮になる。それをどうするかというと、2次加工、3次加工や洗いできれいに仕上げるようなテクノロジーが出てきます。

鈴木:なるほど。人間はさらに革新を考えるわけですね。

近藤:今、原皮状態できれいな皮を手に入れ続けるのは大変ですよ。僕もこの8年ぐらいレザーを扱っていますが、今で3社目との取引ですね。まず原皮が手に入らない。そうすると納得するモノができないわけです。

鈴木:ヨーロッパで一番美味しいと言われている牛肉は、ローヌ川沿いにあるシャロレーの牛だそうですね。でっかい牛なんですよ。

レザーコレクションより

近藤:美味しい牛の皮は良いんですよ。逆に言うと、皮の良い牛は美味しい(笑)。

鈴木:じゃあ、日本なら松阪牛の皮はいいことになりますか?

近藤:それは絶対いいですよ! 是非この「バーブルージュ」の肉も食べてみたいですね(笑)。

鈴木:美味しいと断言できる理由は?

近藤:それは肉質が出て皮になるわけですから、肉が良いというのは皮が良いにつながるでしょう。

鈴木:なるほど。

(3)に続く

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L&KONDO(ル・コンド)

デザイナーの近藤かねよし氏がフリーランスを経て、93年に設立した『KONDO』からブランドのキャリアをスタート。2002年にブランド名を『L&KONDO』に変更、レザーを通して感じられる“優雅な時の流れ”をテーマに、高感度なハイクオリティアイテムをつくりだしている。
http://l-kondo.com

           
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