『B・G』、2008年を振り返りつつ、2009年の野望を語る(その1)
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2015年3月12日

『B・G』、2008年を振り返りつつ、2009年の野望を語る(その1)

『B・G』、2008年を振り返りつつ、2009年の野望を語る(その1)

あけましておめでとうございます。『B・G』ファンのみなさま、昨年は大変お世話になりありがとうございました。
ブランド立ち上げから丸1年。戸田さん&植木さんの姉弟コンビのタッグはさらに固い絆で結ばれ、その野望もジワジワ広がっている模様。そんなふたりが2008年を振り返り、つづく新しい年をいかに攻めるかの作戦会議、みなさまへ中継してみたいと思います。

まとめ=尾上そらPhoto by Jamandfix

「メモリアル」から「定番」へ成長したアイテム

植木 B・Gをはじめて丸1年、なんだか気づかぬうちに過ぎてましたね。

戸田 2007年、私のライブショウ『ACTRESS』の会場で販売するためのメモリアルグッズがスタートラインだったけれど、その後、本当にいろいろたくさんつくりましたね。

植木 めっちゃアイテム増えました。気がついたら、自分のやってるほうが放ったらかしです(笑)。

B・Gは、おなじものをつくるのでも、段階ごとに「できた!」という手応えが大きいんです。キャップひとつとっても「デザインができた」「型ができた」「見本ができた」「商品ができた」みたいに、商品ができるまで何度も、良いものをつくるための試行錯誤をする機会と、その際の喜びが味わえる。だから、ついのめり込んでしまうんです。

戸田 本当に、ふたりで喧々諤々(けんけんがくがく)やりながらつくってきたから、どのアイテムもすっごく思い入れが深いよね。なんせゼロからつくったものばかりだから。

自分のなかでは……08年夏につくった三連のチェーンをフロントに配したTシャツが、目指していた方向に真っ直ぐ行けた感じがして、あえて選ぶとしたら印象深いアイテムかな。「(つくりたいものは)こういうことか!」というか、上手く言葉にしにくいけれど、「大人も子どもも一緒にロックしようよ!」というテイストが押しつけがましくなく、表現できたと思える。実際、手にした方たちも「カワイイ」「良いね」と言ってくださったし。

『B・G』、2008年を振り返りつつ、2009年の野望を語る(その1)

あと、ブランド誕生以前だったけど、『ACTRESS』用につくった最初のアイテム、エコバッグも特別なもの。最初に打ち合わせの喫茶店で、豪がパソコンを開いて見せてくれたデザインを目にした瞬間「すごくイイ!」と思って、飛び上がるほどうれしかったんだ。実際よく売れつづけていて、うちの定番第一号になりましたから。

植木 僕もエコバッグは特別ですね。あとロンT(長袖Tシャツ)とかもだけど、姉さんから「こういうものつくりたい」という発信がある、その対象が僕のなかにはないものなんですよ。Tシャツは経験ありましたけど、エコバッグやハンドタオル、ブランケットなんか、そもそも自分では持ってもいないようなもの。女性の目線や感性という、それまで自分にとって考えたり研究したりする対象ではなかったことに、姉さんとB・Gをやるようになって接点ができて、普段からの物や人を見る目線が変わったと自分でも思うんです。街を歩いていても、人が持っているエコバッグをつい目で追って、「ウチが勝ってるな」とひとり思うとか(笑)。

戸田 密かに撮影したこともあったよね(笑)。

植木 あ、そうそう。錦糸町を歩いていたら前を行く女性が、B・Gのエコバッグを持ってたんですよ。近づけないから、ムービーで撮れば一瞬でもピントがあってはっきり見えるかもと、密かにその女性の後ろを歩いて撮影し、姉さんに送りました(笑)。

戸田 アヤし過ぎでしょ(笑)。

植木 でも嬉しかったんですよ。あの感動は、自分でつくった人にしか味わえないでしょう。

戸田 たしかに私のライブ会場とかならわかるけど、全然ちがう街で偶然見かけたら、私も嬉しいだろうな。

2009年のテーマも「みんなで楽しむ!」

植木 僕が今つくっているものは、姉さんと一緒でなければ絶対つくる機会のなかったもの。だから僕の目線もいろいろ変わっていくんです。「女性はこういうものが好きなんだ」とか、ちょっとしたことにも目がいく。昔はネイルに凝る女性に対して、「そんなにゴチャゴチャつけなくても……」とか思ってたけど、最近は「女性には女性の感性があるんだ」と認められるようになりましたしね。良い意味でアンテナが広がってきました。別に女性だけに広がっているわけじゃないけど(笑)。

戸田 はいはい(笑)。

『B・G』、2008年を振り返りつつ、2009年の野望を語る(その1)

植木 あと、色に対しての感覚も広がりましたね。それまでの自分は「黒か青」、というセレクト以外あり得なかったんだけど、姉さんが提案するピンクとかの使い方を見て、僕ら男でも「夏はピンクや水色あってもいいな」と思えるようになった。楽しいですよ、色味が増えるって。

戸田 私がつくりたいのは「みんなに楽しんでもらえる」ものだから。年齢や性別に縛られずに楽しめる、着られるものを考えるのは本当に楽しいの。そこには色のタブーなんてなくて、組み合わせが良ければ男女ともに楽しめるピンクや淡いブルーはあると、私は思っているんだ。

ところで、豪は今年B・Gで「コレがつくりたい!」みたいなアイテムはあるの?

植木 僕にはそういう意味じゃ「コレ」ってものはないかな。でも姉さんからの提案で「コレ」と決まったら、それをどうするか自分のなかに提案すべきこと、良いものをつくるためのいろんなアイデアは一杯ストックしておいて、すぐに出せるようにしたい。そういう希望はありますね。姉さんの「つくりたい」想いが、よりたくさん、より良いかたちでアイテムに表現できる方法。たとえばキャップやスカジャンにつけたスタッズ(鋲)とか、そういうこと。ただ流行を取り入れるのではなく、B・Gにふさわしいと思えば、僕らから発信していけばいいだけだし。

戸田 うん、すごく嬉しいこと言ってくれた! 衣類のアイテムは限られていて、でも、やりたいことを考えていくとはじめたばかりだから、まだまだ一杯挑戦は残っているんだよね。Tシャツなんか毎年新しいもの出していいわけだし、ポロシャツやパーカーもやりたい。サイズ展開が大変だけど、パンツや靴だって、興味津々ですから。もちろん今までのアイテムだって飽きのこないデザインばかりだから、おなじものをもう一度買うのも全然アリだけどね。

それと同時に、多くの人に楽しんでいただくためには価格設定はあくまで良心的に、というところはハズせないんだけど。

植木 価格設定、本当に毎回苦しんでます(笑)。

戸田 でも、そこで儲け主義に走ったらB・Gをはじめた最初の志を失ってしまう。そうなったら、ひとつひとつのアイテムができあがるときの喜びも半減してしまうでしょ? 歌を歌うことともお芝居することともちがう、今まで経験したことのない別の喜びと面白さがここにはあって、それはどこか趣味な部分を残した、今のスタンスがちょうどいいんだと思う。その上で、幅広いお客さまにも一緒に楽しんでいただけたら、というのがB・Gのテーマですから。でも「目的」があるから少し利益も上げないとなー(笑)。

戸田恵子

           
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