伊藤嶺花|いとうれいか|青木カレン|スピリチュアル対談(後編)
Lounge
2015年3月4日

伊藤嶺花|いとうれいか|青木カレン|スピリチュアル対談(後編)

スピリチュアル対談 vol.13|ミュージシャン 青木カレン

伊藤嶺花が“視た”ゲストの肖像

「巫女として、王妃として、
シンガーとして、人びとに“愛”を語りつづける女神」(後編1)

さまざまなステージで活躍するクリエイターをゲストに迎え、スピリチュアル ヒーラーの伊藤嶺花さんが、ひとが発するエネルギーを読み解くリーディングと複数の占星術を組み合わせ、クリエイターの創造力の源を鑑定。現世に直結する過去世や、秘められた可能性を解き明かし、普段は作品の陰に隠れがちでなかなか表に出ることのない、クリエイター“自身”の魅力に迫ります。

Photo by KADOI TomoText by OPENERS

“現代女性の先導となり、心の癒しとなるメッセージを歌にのせて届けつづけるディーヴァ”──第13回目のゲストは、ジャズ・シンガーの青木カレンさん。前編では、これまでの意外な経歴も明らかに。青木さんの「自分が腑に落ちないと納得できない」という強さを「過去世にも関係している」という伊藤嶺花さん。伊藤さんが見た、青木さんの過去世とは……?

ひとの心に響くものを発信したいという想い

伊藤 青木さんの強さは過去世も関係していますし、来世も関係しています。今という瞬間瞬間には、過去も未来も詰まっていますから。今の現実や心の状況に近しい前世を拝見していると、昔のヨーロッパのいわゆる王侯貴族、王妃さまとしての過去。家柄やしきたりや、女性であることによって、いろいろな制約を受けて暮らしていたけれど、そのなかで「自分らしさ、幸せとは何か」ということをいつも考えて行動されていた。

でも自分ひとりではかなわない社会の情勢だったりとか、いわゆる階級だったりとか、そういったどうにもできない疑問をいつも感じながら暮らしてらっしゃったと思うんですね。だから今回の人生でやりたくてしょうがないのは、大勢のひとの心の一部でもある自分の想いを表現すること。ひとの心に響くようなものを発信したいという想いが強いですね。だからいろんなところに行きたいし、いろんなひとに会いたいし、とにかく自分の目で見て聞いたりしたい。

青木 本当に……! いろいろなところに行ってみたいです。

伊藤 現実をしっかりと目に焼き付けたい、体験したいという気持ちが強いのかな。前世では貧しい時代とはいえ、守られた生活をしていらっしゃって、なかなか自由に外出もできなかった。でも人間の階級のようなものにも「おなじ人間なのにどうして?」と疑問をおもちだったし、「外の世界ではどうなっているんだろう?」という興味と好奇心と疑問と、いろんな想いで葛藤してもいたし。

いまの人生では、飛行機に乗ればどこにでも行けるという、自由な時代。行く先々にはいろんなひとたちがいて、いろんな暮らし、いろんな想いがある。そこで出会うひとたちに向けて、音楽という共通言語を使って、何か響くメッセージみたいなものを届けたいなという気持ちを、青木さんはもっていらっしゃると思うんですね。

いまはそれをもっと世界的に、制約なんて気にすることなくどんどん活動のステージを広げていく時期に入っています。ちょうど1年半前くらいからそんな流れに変わってきていますね。

青木 あ! ちょうど1年半前くらいに、イタリアでレコーディングさせていただきまして。そういう気持ちになったかもしれないですね。海外の方と一緒に仕事をして、一緒に音楽を作って。やっぱりジャズという共通言語があると、何も問題がないっていうか。今回のアルバムのタイトルが、『voyage』なんですけど、世界中にこのアルバムをもっていきたいっていう願いをこめての『voyage』と、心の旅、というダブルミーニングでつけました。それを考えはじめたのが去年の5月くらいで、先日の台湾でのライブで出会ったひとたちもとても素敵な方々で……そういう意味ではそうかもしれないですね。

伊藤 つぎのステージに向けて、もう準備ができました、という段階に入っていますね。

青木 年を重ねていきながら、女性の苦しみとか悲しみとかよろこびとか、深い感情を私自身が学んでいくことで、もっとたくさんの女性たちとそういう想いを共有していければいいと思いますね。

伊藤 そうですね。青木さんは何かお仕事するうえでは、チームだったり、プロジェクトだったり、全員で大きなひとつのものを作りあげていくプロセスに何よりも喜びを感じる魂をおもちですから。ご自身はわりと凛とした、孤高なものをもっているんですけどね。わりと、自分の内面というものをつね日ごろからアウトプットするということが、あまり得意なほうではないと思うんですよ。だからこそ創作活動に落とし込んでらっしゃると思うんですけど。これからはもっと、かかわっていくひと、一緒に仕事をするひとが増えていきますよ。よりそのひとたちとのコラボレーション、調和からハーモニー、それからハーモニクスへ……っていうプロセスを作る先導役というか。道先案内人のような役目を背負っていますね。

今までの経験がどんどんつながって、奥行きが出てくる時期

青木 そういう意味では、今まで起こったいいことも悪いことも、全部意味があったのでしょうか。

伊藤 それはもちろん!

青木 ジャズの世界だとふつう、早いひとだと3歳くらいからはじめているんですけど、私は遅くて20代の中盤くらいからなんです。ですので、なんていうか、「私でいいのかな?」という気持ちがどこかにあって。

伊藤 なんだか不安?

青木 そうそう、そんな気持ちがずっとあったんですけど……まぁ、それはそれでいいのかな、って最近ちょっとずつ思えるようになってきたかもしれないですね。なんとなく。

伊藤 スポーツの世界でもどんな世界でも、子どものころから、ずっと練習をしている方がすばらしいというふうに感じがちじゃないですか。でもひとそれぞれにタイミングというものがあって、ある程度ふつうに人生経験を積んだうえで何かをスタートするひとたちって、何かの納得感、腑に落ちるというものがないと、心にひっかかるのかもしれないですね。

青木 そうですね。

伊藤 学生のころからのいろんな経験が、これから先どんどんつながってくると思います。「あのとき思っていたことは、こういうことなんだ」っていう。奥行きというか意味がわかってくるというか。

スピリチュアル対談 vol.13|ミュージシャン 青木カレン

伊藤嶺花が“視た”ゲストの肖像

「巫女として、王妃として、
シンガーとして、人びとに“愛”を語りつづける女神」(後編2)

自分自身をちゃんと肯定することで、今この瞬間を大切にできる

青木 質問してもいいですか? ライブ中に、お客さんのなかで気になるというか、ようすがちょっとちがうな、と感じるひとがいると、その方に向けて歌うことがあるんです。今後はできるだけそれを、すべてのお客さまとできたらいいなって。よりそのお客様の心を癒すというと大袈裟ですけど。そういうことは、あまり深く考えずにやっていけばいいことなんでしょうか?

伊藤 そうですね、考えないほうがいいです。そのときのライブならではの躍動感、臨場感、いろんなものが一体になっている空気のなかで、「このひと何かいま辛いことがあったのかしら」ということを、感じ取っちゃっているんだと思うんです。それこそ自分の家に小さい子どもが遊びに来たら、「アイス食べる?」なんて言いながらアイスを出してあげる、というような感覚でいるほうがいいですよ。青木さん自身が昔からもっている愛情の部分なので、そんな変に計算したり考えたりしないほうがいいです。

青木 そうなんですね。じゃあ自然のままで、いけばいいのかな。

伊藤 気になるひとにはちょっと話しかけてあげる。要するにお客様とのキャッチボール。そうするとその方も自分という存在についてだったり、ハッと気づかされるかもしれないし、元気になれる。

青木 なるほど。そうします。あと、なんだか最近、前と感じ方が変わってきているところがあるとしたら、時の感覚みたいなものがちょっと変わってきている感じがあって。あれこれ考えなくなってきたというか、その瞬間その瞬間のことしか考えなくなった。過去も未来もそんなに気にしなくなったんですけど、それでいいのかな?、と……。子どものころの、“ジャングルジムに登っているときにはジャングルジムのことで頭がいっぱい”というような、あの感覚が、ちょっともどってきたような感じがするというか。

伊藤 いい。いちばんいいことですね! 「いま、この瞬間を生きつづける」というのが、いちばんスピリチュアルなことなので。今の仕事や自分自身に対して、ちゃんと肯定してあげられる気持ちが強くなったのだと思います。これでいいのだという。それが出てくると、そこ、今この瞬間瞬間の大切さ、この瞬間の自分自身の感情だったりを感じようとするので。

青木 そうそうそう! 感じようとしている。

伊藤 考えるのではなくね。感じる。自分の好きなことや、好きな道、ライフワークはここなんだな、ということがわかってきたんだと思います。それまでは「私でいいのかな」とか、「どうしよう、期待に応えなきゃ」とか、いろんなプレッシャーだったり感情があったんだと思うんですね。どうしても思考がすごく働いたんだと思うんです。でもそれを経験したうえで今はどんどん楽しくなってきているし、より多くのひとたちに自分の想いを届けていけたらいいなという気持ちが、強くなってきていますね。

手を叩くことで、簡単にバリア(結界)を張れる

青木 ありがとうございます。あと、質問があるとしたら……やっぱりステージに立つときって、オーラというか心の状態がすぐに出てしまうから、透きとおった状態でいたい。けれども身体が疲れていたり、睡眠不足だったり、直前に何かメンバー間のトラブルがあったり、そういうことがあるとどうしてもそっちに気が取られちゃう。そういうときには、できるだけ気持ちを鎮めるようにはしているんですけど、なにかいい方法はあるんでしょうか?

伊藤 青木さんは自分自身や周りの感情もふくめて、すべてのエネルギーに敏感ですから、一回ちょっとバリアを張りましょう。シャットダウンするのではなくね。たとえばステージ10分前で集中しなくちゃ、っていうときは、肩をちょっと痛いくらい叩くなど身体に何か合図をするんです。音や香りって、結界を張りますから。寺や教会でも鐘を鳴らしたりお香を炊いたりするでしょう? いちばんベストは、朝出かけるときと夜帰ったときに必ずパンパンパン、と自分の身体の周りを叩くこと。そうすると自分のエネルギーと外からのエネルギーふくめ、いらないものが切れます。昔から「夢じゃないかな?」ってほっぺをつねったりするじゃないですか。要するに我にもどるということです。自分自身の軸、私はここにいますっていう。おうちにいるときはアロマを炊いたり、リラックスできる好きな香りを炊くといいと思うんですけどね。

青木 なるほど。私は本当にエネルギーに敏感なせいか、何かが気になったままステージに立ってしまったことが今まで何度かあって。そのリプレイをあとで聴いても、もしかすると聴感上はいつもと変わらないかもしれないけれど、多分何かが変わっていると思うんですよね。どこかに気がいってしまっているというか。そうですね、まず自分を切り替えないと。

伊藤嶺花|青木カレン|スピリチュアル対談(後編)04

ジャズシンガー 青木カレンさん

伊藤 グラウンディング、センタリングです。頭と心と身体が一体になったうえでの自分ですから、そこの軸を合わせてあげる。そのために身体的な五感を一度触発させるといいです。テニス選手もラケットを3回まわしたり、その場でスキップしてみたり、何かしらやっていますよね。

青木 なるほど。

伊藤 ゲームで負けつづけたときは、ちょっと気を変えることをするといいです。手を叩くのはいちばんてっとり早い(笑)。

青木 ライブ前、私は香水をかなり強めにつけるのですが、香りが強いと負けない感じがしますよね。

伊藤 自分らしさを感じられる五感に包まれるということが、大事なんです。簡単だけど、即効性ありますからね。

エネルギーチャージと、邪気をブロックする方法とは?

青木 逆に、今の私に必要なことばというものを聞いてみたいです。

伊藤 青木さんはストイックなので、無理しやすく身体の不調が出やすい。しかもハートチャクラで感じている部分が多いので、いちばん大事な喉の部分にあるスロートチャクラというエネルギーセンターに影響が出やすいんですね。そうすると声が出にくかったり、詰まるっていう感覚を感じやすいと思うんです。その症状が出てきたときは、いろんなことを気にしていたり、考えすぎたり気にしすぎたり、集中できていないときで、要するに頭と心と身体が一致していないときだと思ってください。そうなったときはできれば、1日1回でいいので腹式呼吸で、朝起きたら窓を開けて外の空気を吸って、大きく深呼吸をしてほしいんですね。朝と夜、自分自身の気の流れを良くする、リセットしてあげるとより体調も良くなりますし、なんだか急に調子悪い、という感覚も少なくなってくると思います。それと1週間に1回でいいので、自然に接すること。

青木 そうですね。

伊藤 簡単なことでいいんですよ。植木鉢の枯れた葉っぱを見つけたらお手入れしたり、自然界のエネルギーを発しているものに自分からかかわっていく。自然界のものは安定、エネルギーを整える助っ人だと思ってください。時間が取れないときには、移動中に公園の噴水があるところで一瞬休んでいくだけでもちがいますよ。

青木 植物に触れていると元気になる感じがしますが、本当にそうなんですね。伊藤さんのおっしゃるとおり、私はどちらかというと身体より気持ちのほうが強いタイプ。

伊藤 やっぱり。

青木 気持ちにひっぱられていると、そのあとたいてい風邪をひいてしまいます。自分が考えなくていいことまで考えてしまうと、すごく無理がたたって、みたいな。眠りも浅くなって、悪循環。本当にすぐに痛くなるんですよね、喉が。悲しいことがあると、本当にすぐ……。

伊藤 そういうときは、ハートの部分、みぞおちのあたりにかかるようなペンダントをされるといいですよ。ここで外気から一度ブロックして、リセットする。天然石のものがいちばんいですけどね。

青木 それにしても伊藤さんがおっしゃられたこと、全部腑に落ちます。唯一気がかりなことがあるとすると、体調だけなんで。いつも。

伊藤 気持ちは元気だし、頭も元気なんだけど、自分自身のハードルも高いですから。こうありたい姿というか、理想もね。そこに思うように身体がついていかない自分というものにフラストレーションを感じやすいから。

青木 そうなんですよね。だから友人には必要と思う以上に休みなさいということを言われたり。できるだけ休めるときは休まなくちゃいけないなとは思ってます。

スピリチュアル対談 vol.13|ミュージシャン 青木カレン

伊藤嶺花が“視た”ゲストの肖像

「巫女として、王妃として、
シンガーとして、人びとに“愛”を語りつづける女神」(後編3)

青木さんの亡くなったおばあさまからのメッセージ

伊藤 それこそ青木さんは妖精みたいな方ですから、妖精になったような気持ちになれる場所と時間というものを、生活のなかに取り入れていくといいですよ。

青木 そうですね。2週間前に祖母が亡くなったときに、家のなかをもう少しきちんと居心地良くしなくちゃいけないなと、ちょうど思ったんです。

伊藤 子どものときにおばあちゃまから聴いていた、童謡か民謡みたいなものって覚えていますか?

青木 いや、覚えてないのですが……祖母は低い声で、地を這うような感じのものをいつも歌っていましたね。ひとが亡くなったあとや、四十九日に。

伊藤 それって聴いたことがあるものですか? それともおばあちゃまのオリジナル?

青木 うーん、よくわからないですね……。おそらく即興だったと思います。

伊藤 それとは別で、お母様も含めて歌ってくれてたようなもの。いま一生懸命おばあちゃまが話しかけてきてくれてるんですけど、うまく通訳できない……童謡みたいなものですね。昔からある。
それこそ子守唄のようなものだったり、幼稚園や小学校で歌うようなものですね。そういう歌を現代ふうにするというか、アレンジして歌うというようなことをすると、ちっちゃい子どもから老人まで、いま一緒に生きているひとたちが世代関係なく一体となって一緒に楽しめる、そういうものを提供することができますよ、あなたの望んでいる世界観が実現できますよ、と言っています。

青木 じつはつい最近そう思って、童謡をスイングさせようと……

伊藤 そうそう、それそれ!

青木 先週話していたばかりなんです! ギターの田辺さん(※前編参照)と話して、スイングさせるといい童謡のリストを作ったんです。『チューリップ』とか『おもちゃのチャチャチャ』とか。

伊藤 みんなひとつですよ、みんな一緒にいますよ、大人も子どももみんな楽しもうっていうことを、青木さんのハートが届けたがっている。そうすると本当に、あなたのやりたがっている国境を越えた全世界へのメッセージというものも、さらには日本語の美しさも届けることができる。ぜひやってください。というよりもう、年内にはじまってきます。おそらく。

青木 あー……すごい。そんなことを本当に話していて。ギターの田辺さんの娘さんが「はろちゃん」っていうんですけど。『ハロージャズ!!』っていいね、って。「Hello Jazz!!」っていうのと、田辺さんの娘さん「はろちゃん」に対してなげかける、のふたつにかけて……っていう話をちょうどしていたんです!

伊藤 たぶん来年リリースされることになりますよ。テレビなどにもどんどん出ることになりますけど、出てください、というおばあちゃまからのメッセージです。なぜなら、それによってはじめて多くのひとに知ってもらえる。

青木 うんうん。

伊藤 大勢を相手にするとやっぱり、いろんなこと言うひとたちも出てきますけど、言いたいひとには言わしとけと(笑)。それよりも1000人、2000人が支持してくれる可能性の方に向かいなさい、その手段としてメディアにもっと出る機会をつくりなさい、と。要するに、ひとに届けるための機会を全部活かせと言ってますね。おばあちゃまはなんていうかな、巫女さんみたいな霊媒師みたいな、やっていることを公にはされなかったと思うんですね。

青木カレンさんのおばあさま。

青木 はい、まったく。

伊藤 その時代だと怪しまれちゃうし、何か特殊だったり特別だったりっていう扱いを受けるし。おばあちゃまも本質をわかっていましたから、自ら公にすることはすまい、ということを知っていたのだと思いますよ。だけど、頼まれると、お役に立てるのだったらぜひ、というスタンスだった。土台はちがうけれど、青木さんもそれを引き継いでおなじ資質をもってらっしゃるしね。今おばあちゃまは本当に青木さんを守ってくださってますし。だからこそ今の時代にあった、音楽をとおしたクリエイションをとおした活動を、どんどんしていきなさい、というメッセージです。

心のこもったメッセージを届けていくのが、使命でありライフワーク

青木 本当に祖母が亡くなってから感覚がちょっと……

伊藤 変わりましたよね?

青木 急にいろんなものの考え方や感じ方が変わったんです。さっき言った「今にフォーカス」というのも、急にそういうモードになったんですよね。だから何か影響があるのかなぁとは思ってたんですけど、いまお話を聞いて、やっぱり影響はあったんだなと、感じますね。

伊藤 いわゆるジャズの世界って、伝統的なものをアレンジしますよね。すると意外とほら、批判であったり、いろんな意見も出ますよね。

青木 はい。

伊藤 ただ、この時代で何かをやるというのは、基礎がないとアレンジできないですから。代々語り継がれて継承されてきている伝統というものを、しっかりと身に着けたうえで、学んで、その上で今のひとたちの心にどうしたら届くかなっていう。その伝統文化が言わんとしていること、やろうとしていること、かつての人びとが皆おなじ想いでいたことを、しっかりと自分なりに消化していく。それを今のひとたちに合うやり方で届けていくというのが使命でもあり、ライフワークですね。

青木 やっぱりそうなんですね。自分がやりたいと思っていることは、使命としてあるんですね。

伊藤 そうそう。世の中やっぱりひとりひとりがみな平等で、おなじだけの存在価値があって、いろんな人生があれど、みんなやっぱりスピリチュアルなものをもっているし、神様から生まれてきたし兄弟ですよということを、もっと音楽をとおして表現していく。ご自身がいちばん「だよね? だよね?」って体現したがっている(笑)。

青木 本当にそのとおりです。そのためだったらひとに何を言われても傷つかないだろうなと思う。

伊藤 そうでしょうね。信念が本当に強いから。

青木 なんだか自分の心のなかにあることが、伊藤さんの言葉となって出てきているから、なんの違和感もないというか。でもこんなふうに、私以外のひとに言っていただくことで、本当に確定していく感じがありますね。

伊藤 これでいいのだってね。

青木 ありがとうございます。私のように大人になってからジャズをはじめると、大人になってからジャズを好きになるひとの気持ちがわかるところがちょっとあって。「ジャズって難しい」って私も思っていたから、そういう方にも「ジャズが好き」ってなっていただけたらいいなと思う。

伊藤 童謡のアルバムをつくられるに当たってプロモーションビデオも撮られるかと思いますけど、そのなかでも、いろんな発信したい世界観を表現してみるといいですよ。目と耳で、両方で楽しんでもらえるような、そういうもの。いわゆる「美しい!」っていうだけの画像ではなく、

青木 うんうんうん。観て楽しい、みたいな。

伊藤 うん。観てワクワクしちゃうような。少し意外性も入ってきちゃいますけど。そういうお茶目な部分もお持ちだと思いますから!

青木 そうかもしれないですね。楽しみです!

voyage

青木カレン|AOKI Karen
幼少を海外で過ごし、大学在学中本格的にアーティスト活動を開始。アルバム『KAREN』はジャズ専門誌ADLIBの「アドリブアワード(クラブ/ダンス部門)」で堂々4位、『SHINING』は翌年同部門でアワードを受賞。ラジオのナビゲーターや、BSテレビのジャズ専門番組のメインキャストなどを務め、2010年11月にはベストドレッサー賞の登竜門ともいえるベストデビュタント賞を授賞。2011年4月には通算6枚目となるアルバム『voyage』をリリース。同年夏公開の大ヒット映画『アンダルシア 女神の報復』の挿入音楽にヴォーカルと作詞で参加。同時に国内外問わず精力的にライブ・ツアーを敢行、現代を生きる女性の先導となり、心の癒やしとなるメッセージを歌いつづける。
           
Photo Gallery