坂本龍一|第22回 「愛」について言いきる
第22回 「愛」について言いきる
教授みずからの回答ですべて解決!する「上から」言いきる。
今回のお題は、結婚と上手な別れ方について。
回答=坂本龍一Photo by JAMANDFIX
坂本さん、お久しぶりです。「第9回 上から言いきる」でお答えいただいた者です。
そのせつはありがとうございました。いま、日本では「婚活」という言葉が国語辞典にも載る勢いですが、近ごろ、「結婚」の目的や、必要性がわらなくなってきました。出会いのない女性ばかりの職場ですが、いま、仕事にも充実感を感じ、そこそこ楽しい毎日。ひとり暮らしが長いせいか、ひとりの気楽さに甘んじてるとこもあります。ひとと暮らすって、ぶっちゃけ、面倒ですよね? きっと……。好きなひとができれば、この感覚も変化していくものでしょうが。
でも、40歳になり、出産のラストスパートなどの情報を得ると、焦るべき? 焦らなきゃ? みたいな感覚がざわざわと……。部下を育てるのとはちがう、自分の子どもを育てるという、経験したことのないことに挑戦したい気持ちもあります。が、それだけをメインにとは考えられず……。
私は、有能な男のひとには、そのひとと一緒にいたい、子どもを産みたいと思う女性がひとり以上いても仕方のない摂理のように思います。一夫一婦制自体に無理があると思うのです(私は不倫もしてないし、彼氏もいません)。要は、好きな男のひとの子どもなら、産みたいのですね。
ところで坂本さんは「結婚」を、どう考えていらっしゃいますか?
できれば、「子ども」は抜きでの考察をうかがいたいのですが……。
ひとを好きになるのは、罠
社会の常識はどうでもいいんじゃないと思うんだけど。
答えにはならないけど、結婚するのは紙一枚で簡単だけど、やめるのはたいへんです。すごい労力を使います(笑)。
でもそれも一種の罠なんだろうな。
個体が「DNAの乗りもの」だとすれば、個体が増えるほうでいいわけで、結婚しやすいようになっている。
紙一枚の問題じゃなくて、ひとを好きになるときには、見えなくなるでしょ。それがまさに罠ですよ、人間にかぎったことじゃないけど。
女性とのよい別れ方は?
好きな女と適度な距離でつきあっていけるための条件とは?
よい別れ方、適度な距離はない!
女性とのよい別れ方?
みんな努力してるんだよ。みんな痛みをもって乗り越えていってるんですよ(笑)。
よい別れ方はわからないけど、ずるい別れ方は、自分が率先して悪者になることですよ。
よい別れ方、適度な距離なんていうのはない!
自分が悪いんだと全部背負ってしまうのが一番簡単ですっきりするんですよ、僕の場合ですけど(笑)。それは息子にも伝授しましたけど。
別れるときって、相手のせいにするのがいちばん楽でしょ。相手のせいにすると、ことが流れていく。相手の女性にとっては自分は悪くない、悪いのはあの男だと納得することで、過去のことになっていく。だから男は(女も?)そこを耐えるとバラ色の人生がある(笑)。