坂本龍一|第18回 「生きる」について言いきる
第18回 「生きる」について言いきる
教授みずからの回答ですべて解決!する「上から」言いきる。
今回のお題は、影響を受けた本と、ダイエットについて。
回答=坂本龍一Photo by JAMANDFIX
はじめまして。
坂本さんはかなり本を読まれるようですが、いままでの人生のなかで自分の考えや価値観をガラッと変えさせられてしまうような、影響を受けた本がありましたら教えてください。何冊でもかまいません。よろしくお願いします。
吉本隆明と埴谷雄高
影響を受けたのは、吉本隆明と埴谷雄高です。時期は、高校に入ったころですね。
高校に入って、高校の図書館で借りて読んでいたんですよ。家にもあったんだろうけど、探すのが面倒で(笑)。吉本さんは『共同幻想論』ですね。埴谷さんは一冊挙げろと言われれば『虚空』です。
高校で上級生に薦められて読んだ一人が埴谷さんで、家では父が電話で埴谷さんの名前を言うのを聞いていたり、よく名前は出ていました。
彼らには考え方に影響を受けました。高校から大学にかけて読んだ本が、いまものを考えるときのフレームワークのようになっている。その時期はいちばん本を読めるときですよね。いまは“積ん読”ばかりでなかなか読めないですけど。
ツイッターやメールに時間をとられて、現代社会は邪魔するものが多いんですよ(笑)。
民俗学者・国学者の折口信夫全集は、引退したときの楽しみにとってあります。
ダイエットについてお訊きしたい。煙草をやめた途端、太ってしまいました。
教授は体型を維持するために、日常していることがありましたら、教えていただきたいです。
脳を使え!
誰もが歳をとってくると、新陳代謝が悪くなって太ってきますね、それは僕もおなじです。
人間の器官のなかで一番エネルギーを使うのは脳で、たとえば浅田彰クンに1日つきあったり、『スコラ』テレビの収録が終わると、体重が減っているんですよ。いかに普段、アタマを使っていないかという……(笑)。
スポーツで体重を減らすのは大変ですよ。ダイエットにいいのは、脳を使うこと!