more trees|more trees展スタート!
more trees|森を感じる12日間
六本木アクシスビルでmore trees展スタート!
いま、六本木アクシスビルは木の香りに満ちている──それは10月27日(水)から11月7日(日)の期間開催される「more trees展 森を感じる12日間」のためだ。4Fの「アクシスギャラリー」をメイン会場とし、B1Fまでの各フロアにさまざまな展示が展開される本展では、more treesの新プロダクトやアーティスト 鈴木康広氏が手がけるインスタレーション、そして写真作品など、多彩なクリエイションを楽しむことができる。オープン前日の26日(火)にはレセプションパーティも開催され、数百名の関係者やゲストがおとずれにぎわった。
Text by OPENERS
都会の中の“森”の展示会
プロダクトとして、インスタレーションとして、写真のフレームとして、森のめぐみである木材が六本木にやってきた。舞台は六本木アクシスビルだ。イベント開催のきっかけは今年の春。10月30日(土)からスタートする「DESIGN TIDE TOKYO 2010」に合わせて、木材を活用したプロダクトの新作発表会を実施できないかと、more treesがアクシスに打診したことがきっかけだ。
この数十年のあいだに日本国内では木材利用のあり方が変わった。家屋や家具に使われ、日本文化を支えてきたヒノキやスギなどの木材は、高度経済成長によって急速に変化した生活スタイルに合わなくなった。
おりしも、同時期に木材の貿易自由化が実施されたことで、外国から家具づくりやインテリアアイテムとなる良質な木材が、大量かつ安価に仕入れられるようになった。ここから、国内の木材自給率は減少の一途をたどる。2010年現在の自給率は28パーセント程度だ。2007年に立ち上がったmore treesは、こうした状況に歯止めをかけるべく、森づくりはもちろんのこと、国産材を活用したオリジナルプロダクト開発や、間伐促進のための啓発活動の一環として森林とアートをつなぐ「TOUCH WOOD展」などを展開してきた。
今回のイベントは、過去にmore treesが展開してきたイベントのなかでも最大規模のものとなった。そこで全体の会場構成を手がけたアクシスギャラリーも、ビル全体で“more trees”というメッセージを伝えるためこだわったという。まず4Fの空間には、more treesの新プロダクトである国産杉材を使った「スティックモビール」が200セットも飾られ、そのようすは圧巻の一言。触れると木がぶつかりあい、美しい音色がするのも楽しい。
また、B1Fには、木でできた無数の『漢字の木』がつり下げられた鈴木康広氏のインスタレーションが展開されている。
ひとつひとつが手づくりで風合いが異なるため見ていて飽きない。さらに、1F中庭にはヒノキのチップが敷き詰められ、そこから10数メートルもある巨大な『透明な木』が生えている。これも鈴木氏の作品だ。作品名は『空気の森』。スギをイメージしたバルーンが4本展示され、視点を変えることで距離感、大きさ、景色の映り込みが変わるというものだ。
more trees|森を感じる12日間
六本木アクシスビルでmore trees展スタート!
more treesのチャレンジ
more treesが4Fで発表している新プロダクトもユニーク! コンセプトは「Play the Living」。国産材を活用した「りんごのけん玉」や、日本の山岳シルエットを樹種のことなる木材で表現したまな板「カッティングボード」をはじめ、木のランプシェード「サンライト」、ヒノキをつかったアクセサリー「エメラルドのブレスレット」など、新作約10点が木でできた円卓の上に勢揃いした。
会場内にはmore treesがすでに発表してきたプロダクトも一堂に会すなど、充実した展示内容となっている。そして今回のイベントのもうひとつの目玉がB1Fのアクシスギャラリー「シンポジア」でおこなわれている「TOUCH WOOD展」だ。著名写真家20名のアート写真が5万円と10万円という破格の価格で購入することができ、そしてその売り上げの20~40パーセントがmore treesの森林保全活動に寄付されるという仕組みだ。プリント手法やアートとしての価値にもこだわった本企画、チャリティだからこそ実現した顔ぶれと価格だと、more trees関係者は語る。
すでにレセプションと初日を合わせて、50枚の作品が完売したという。写真を飾る国産ヒノキ材を使用したフレームもシンプルで美しく、見るものに深い印象を残す。
“森”を堪能できる展示会
レセプションにおとずれたひとたちは誰もが木の香りのすばらしさに驚いたようだ。日本の森の現状が理解できるだけではなく、第一線で活躍するデザイナーや写真家たちの作品に触れ、さらに購入までできる今回の取り組み。製品の販売はB1Fの「LIVING MOTIF(リビングモティーフ)」(新製品は一部販売)にて、写真は展示会場で直接購入することができる。期間は11月7日(日)まで。六本木におとずれるさいには、ぜひアクシスに足を運び、“都会に現れた森”を存分に堪能してほしい。
more trees展─森を感じる12日間
会期|10月27日(水)~11月7日(日)
開館時間|11:00-19:00(最終日は17:00まで)
入場料無料
会場|アクシスギャラリーほかアクシスビル内
東京都港区六本木5-17-1
参加クリエイター|深澤直人、鈴野浩一、鈴木康広、小林幹也、清水慶太、倉本 仁、熊谷有記、角田陽太
参加アーティスト|市橋織江、井上佐由紀、今井智己、澁谷征司、鈴木心、瀧本幹也、田島一成、辻佐織、津田直、泊昭雄、長島有里枝、新田桂一、端裕人、蓮井幹生、平間至、広川泰士、ホンマタカシ、松江泰治、MOTOKO、若木信吾(50音順)
主催・企画|moretrees+アクシスギャラリー
会期中にはトークショー、ワークショップも開催!
くわしくは以下ホームページより。
http://www.touch-wood.jp/
more trees|http://www.more-trees.org/
アクシスギャラリー|http://www.axisinc.co.jp/
アクシスギャラリー
Tel. 03-5575-8655