TAKAHASHI HIROKO|高橋理子が墨田区業平に新スタジオをオープン
TAKAHASHI HIROKO|高橋理子
墨田区業平の新スタジオで、展覧会「TAKAHASHI HIROKO EXHIBITION -RENOVATION-」開催
あらたな表現活動のための環境整備
昨年秋から構想していた新スタジオが、9月に完成。10月より新天地・墨田区業平での活動を開始した。築50年近い元鉄工所をリノベーションした空間は、どんな使い方にも対応できるフレキシブルなデザイン。型にはまらず、つねに自由かつ流動的でありたい私の考えを象徴するようなスタジオの設計は、建築家・長坂常氏。今ではあまり見かけない細い鉄骨を溶接で組みあげた当時の構造を残しながら、そこに加えた要素は必要最低限のもの。飾り気のない一見簡素な空間も、細部に目をやれば見えてくるさまざまなこだわり。私の円と直線の図柄とも重なる、高橋理子らしいスタジオができあがった。
Text by TAKAHASHI HirokoPhotographs by KAWAMOTO Shiori
フレキシブルに使える1・2階
地下鉄半蔵門線押上駅から徒歩2分。空を見上げれば東京スカイツリーがすぐそこに見えるその場所は、下町らしい風情の残る小さな商店街の中。
静かに開く大きく真っ白な自動ドアからスタジオに一歩入ると、まずは工場らしい高い吹き抜けが広さを感じさせる1階フロア。ここは大きな作品制作も可能なスタジオでありながら、ときにはギャラリーやショップ、さまざまなイベントにも対応できるスペース。人とのコミュニケーションを生む場として機能する。
そして、杉板が心地よい階段で2階へ。ドアを開けると、空間の広さに一瞬驚くが、それはずらりと設置された鏡のせい。天井は低いものの、30枚の畳が鏡に映り、一層広い部屋に感じる。ここは、主に私の代表的な作品である着物を扱うための場として機能するが、使い方は自由。展覧会も落語会も、柔道の稽古もできるかもしれない。
3階は、創造のフロア
そして、3階は、創造のフロア。室内テラスと称して、風通しの良い半野外のイメージで植物を育てるスペースを確保しながら、私がパソコンに向かうための小屋のような部屋を設けている。
植物を育てることは、最重要案件のひとつ。生きていく上で大切な「食」にかんして学ぶことを目的に、自分が食べるものを自分で作るという根源的な行為に挑戦している。
約30種の野菜を栽培しているほか、集めている植物は主にシダ植物。私はカラフルで繊細な花のみずみずしさがそわそわして落ち着かないので、つねに傍らに置く植物として、無骨で野性味を感じる花の咲かないシダ植物を選択した。もっと増やして、植物園のようにしたいと考えている。毎日変化し成長する植物の生命力を感じながら過ごす時間は、とても新鮮。ここから生まれる、これからの時間、これからの自分が楽しみだ。
スタジオオープン記念の展覧会を開催
スタジオオープン初日の10月17日(金)より、高橋理子の新作展覧会「TAKAHASHI HIROKO EXHIBITION -RENOVATION-」を開催する。今回の新スタジオリノベーションにインスピレーションを得て制作した着物による展覧会だ。
TAKAHASHI HIROKO EXHIBITION -RENOVATION-
オープニングレセプション|10月17日(金)18:00~21:00
会期|10月17日(金)~11月15日(土)
営業時間|月・火・水 14:00~19:00/金・土・祝日 11:00~20:00
休業日|木・日(状況に応じて不定休)
会場|高橋理子株式会社1階
住所|東京都墨田区業平4-11-2
※会期中も商品を購入できる(一部商品を除く)
※会期終了後、ショップとしての通常オープンは毎週金・土・祝日 11:00~20:00となる
http://takahashihiroko.com/