アーカイブからインスピレーションを得たメタルクロージャー

今季のグッチウーマンは知的でミステリアス、そしてなんともフェティッシュ。女性らしく品のあるスタイルをベースに、ノワールを基調とするダークな色使い、コンシャスなボディライン、鎖骨をみせる大胆な襟元など、フェティッシュなアレンジを加えたタフなスタイルから、危険な雰囲気さえ漂う妖艶な女性像が完成される。そんなエレガンスとフェティシズムの交錯するコレクションを象徴する新作バッグコレクション「レディ ロック」が登場した。

グッチ 2013-14年秋冬コレクション

ハンドバッグは「バンブー」ハンドルとダブルハンドルの2スタイル。クラッチはブリーフケースを思わせるコンパクトなスタイルと、ハンドルのないミニマルなタイプが揃う「レディ ロック」コレクション。アイコンはフロントのメタルクロージャーだ。コレクション全体を覆うミステリアスなムードを印象づけるこの鍵のモチーフは、1950年代に登場したアーカイブからのインスピレーション。存在感のあるクールなメタルに危険な香りを匂わせる。

ここではクラシカルな表情が今季のトレンドにもマッチする、上品なハンドバッグに注目したい。ひとつはブランドのシグネチャーである「バンブー」ハンドルで仕上げたハンドバッグ。なめらかな曲線を描く女性的なフォルムが美しく、サイドから眺めた際のプロポーションも完璧だ。1940年代に生まれた「バンブー」ハンドルは、その名の通り竹を使用したハンドルのことで、竹特有の節を活かした独創的で華やかなデザインが特徴。若い竹の茎に熱をあてながらきれいな半円形に曲げるという繊細な作業を必要とする、グッチのクラフツマンシップが伺える代表作である。

通常は艶やかなブラウンカラーで仕上げられることの多いバンブーハンドルだが、今回はコレクションの世界観に合わせたダークカラーで登場。鮮やかでありながらこっくりと深みのあるボディカラーを引き締める。開閉はハンドルごとバッグの上部が開くプラケットのついたラゲージスタイル。物を出し入れする姿まで品のよいクラシックなムードが漂う。いっぽうのダブルハンドルタイプは秋冬ルックの彫刻的なラインを際立たせるボクシーなシルエットが特徴。シーンを選ばずコーディネイトできるシックなデザインはラージ、ミディアムと、アクセサリー感覚で合わせたいスモールの3サイズが揃う。

どちらのタイプも艶やかなカーフスキンをはじめ、パイソンやクロコダイルなどさまざまな素材が用意され、カラーバリエーションも豊富。開閉の際にチラリと見えるライナーをボディとは異なる色のスエードで仕上げ、さりげなく視線を奪う。いよいよ秋冬シーズンの到来。誘惑的なグッチウーマンを完成させる“キー”アイテム「レディ ロック」とともに、あたらしい季節の扉を開く。

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