FASHION /
WOMEN
2014年12月26日
連載|萩原輝美のファッション・デイズ 「セリーヌの結ぶ服」
萩原輝美のファッション・デイズ vol.80
セリーヌの結ぶ服
めまぐるしく変わるトレンドのサイクルに捉われることなく、独自のスタイルを確立するCÉLINE(セリーヌ)のフィービー・ファイロのクリエイションに注目。あらたな時代を牽引するデザイナーのひとりである。
Text by HAGIWARA Terumi
新しいミニマリズムの確立
ファッションはリアクションとリピート。この反作用で進化していくものです。ミニの次はロング、ビッグシルエットの次はボディ・コンシャス。マスキュリンの次はフェミニンなシルエットというわけです。
しかし今、そのサイクルはゆったりと緩慢になって80年代や90年代とはずいぶん違ってきました。目まぐるしく変わるトレンドよりもブランドを大切にしようと思うデザイナーが増えているのです。
新しいミニマリズムを確立したのは、フィービー・ファイロのセリーヌです。シンプルなだけではありません。今シーズンは、トルソーラインに“結ぶ”というひねり技を入れた新しいシルエットを出しています。
結び目になる袖やウエストの布は身頃からつながるカッティング。優しいフレアーも幅を少し広げたセリーヌスタイルです。パウダーピンクに、ライトグレー、エクリュのカラーパレットが新鮮です。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/