FASHION /
WOMEN
2014年12月26日
連載|萩原輝美のファッション・デイズ 「モードではなくスタイル」
萩原輝美のファッション・デイズ vol.79
モードではなくスタイル
ひとりのデザイナーにより、ファッションスタイルが劇的に変化してから100年。これまで多くのクリエイターによってさまざまなスタイルが提案されてきた。“いま”求められるスタイルとは? ここで注目したいのがDRIES VAN NOTEN(ドリス ヴァン ノッテン)のコレクションだ。
Text by HAGIWARA Terumi
着継ぐ服
「私が作りたいのは、モードではなくスタイルよ」
と、宣言したのはココ・シャネル。リトルブラックドレスにシャネルスーツとシャネルスタイルは100年の時を経てなお新鮮です。1年で変わるトレンドアイテムではなく、永遠のスタイルを残したい。今あらためてデザイナーがそう思う時代になりました。
ドリス ヴァン ノッテンはスタイルを確立しているデザイナーです。パリコレでは、エスニックな要素をとり入れながらラグジュアリーブランドに負けない存在感を見せつけています。リアルなのにモダン。
ゆるいのにアルティザナルな技がつまっています。秋冬はマスキュリン&フェミニンなクロスジェンダーをテーマにコレクションを発表しました。メンズライクなオーバーコートの下にジャケットを重ね、フリンジや刺しゅうをほどこしたタイトスカートをのぞかせます。仕上げにマスキュリンな紐靴を合わせるのが、新鮮です。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/