萩原輝美 連載 vol.154|どこよりも早い2017年春夏東京コレクション
2017年春夏東京コレクション
技を秘めた大人のエレガンス服—サポートサーフェス(研壁宣男)
女らしさにエッジを効かせたラマルク(森下慎介)
ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、そしてパリよりも早く東京でのコレクション発表が始まりました。バイヤーに向けたビジネスチャンスを睨んでのこと。サポートサーフェスは技を極め、アイテムの幅を広げて大人に発信しています。ラマルクは日本の生地にこだわったコレクションです。
Text by Terumi Hagiwara
女らしさにエッジを効かせたラマルク(森下慎介)
2017年春夏コレクションが始まりました。今シーズンは、See now Buy now(今コレクションで発表したものを今買う)に、メンズ、レディスを分けずに1回のコレクションで見せるブランドが登場。今までのコレクションのあり方が変わりつつあります。
東京コレクションはロンドン、ミラノ、パリに続いて10月に発表されるのですが、今シーズンは世界に先駆け9月から発表するブランドが増えました。
ラマルク(デザイナー森下慎介)は2011年スタートしたブランドです。レースやしなやかな素材でフェミニンなコレクションを発表しています。東京で一番乗りの8月に発表した17年春夏コレクションは、デニムやライダーズジャケットなどのアイテムを加えコーディネイトの広がりを見せました。光沢感あるランダムプリーツのスカートや透け感あるニットも量感を加えモダンです。胸のボタンを外してゆったりと着るコンビネゾンや、深いスリットを入れたパイソンのタイトスカートは大人の着こなしを見せます。
イタリアのプリントメーカーと襦袢をイメージしたガウンをミラノで発表したり海外でのコレボレーション、展示会にも参加しています。
技を秘めた大人のエレガンス服—サポートサーフェス(研壁宣男)
研壁宣男がデザインするサポートサーフェスはエレガントなコレクションを発表しました。デザイン線による構築的なシルエットが、ドレープと組み合わされてバランス良い量感を出します。羽織るようにドローストリングで止めて着るブラウスは、どこから見ても美しいシルエットです。薄い布を重ねることで、カッティングが浮き立ちボディにしなやかに寄り添っています。透けるオーガンジーやパンチングレザーのコートが新鮮。大胆なレース使いやプリント柄を加えて、大人のエレガンスを表現しています。技を秘めたコレクションです。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/