萩原輝美|オートクチュールとプレタポルテ、両極で発揮されるクリエイション
萩原輝美のファッション・デイズ vol.56
オートクチュールとプレタポルテ、両極で発揮されるクリエイション
世界にひとつしか存在しないオートクチュールと、たくさんのおなじ型が生産されるプレタポルテ――製作方法がちがえば自ずとそのデザインや手法も大きく変わってくる。そんな両極とも言えるふたつのクリエイションに挑戦しつづける、2ブランドを紹介する。
Text by HAGIWARA Terumi
才能溢れる、ふたりのデザイナー
オートクチュールとプレタポルテ。1点ものと量産品。その両方のクリエーションに挑戦しているのが、アン・ヴァレリー・アッシュとアレクシ・マビーユです。
アン・ヴァレリー・アッシュは、マスキュリンとフェミニンのコントラストを表現することで定評のあるデザイナー。カッティングの冴えるクチュール服をプレタラインに落とし込みます。2012-13年秋冬コレクションは、アシンメトリーなデザインのシフォンブラウスにタキシードパンツの組み合わせ。ほかにもタキシードジャケットにロングスカートなど、時代を超えたエレガンスをデザインしています。
アレクシ・マビーユはオートクチュールコレクションでデビューしたデザイナーです。今はメンズもくわわり、1シーズンで3つのコレクションを発表しています。この秋冬は、トレードマークのパピヨン(リボン結び)のモチーフをニットやプリントにのせた、リアルなコーディネイトを並べました。この春夏のオートクチュールコレクションはドキッとするようなセクシーなロングドレスを登場させて話題でした。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/