FASHION /
WOMEN
2015年2月23日
萩原輝美|時代を超え、トレンドを超えたいい服とは?
連載|萩原輝美のファッション・デイズ vol.55
時代を超え、トレンドを超えたいい服とは?
コレクション取材を25年近くしてきたからこそ、見えてくるものがある――いま本当に注目したいもの、大切にしたいこととは? パリ・ミラノをとおして印象に残ったブランドをピックアップしながら、紹介する。
Text by HAGIWARA Terumi
コレクションを見つづけてきたからこそ、感じる変化
パリコレクションを見て、もう25年近くになりました。2012-13秋冬コレクションを振り返るとこれまでとはちがう変化を感じます。ミラノ、パリをとおして印象に残っているコレクションに共通するもの……それはトレンドを超えた良い服ということ。ジル・サンダー、ニナ・リッチ、ハイダー・アッカーマン。この3つのコレクションにとりわけ印象深く共通することは、色や素材、デザインを超えて、丹念に作るクオリティとカタチを追求するカッティングに照準が当てられていることです。
ハイダー・アッカーマンは得意のダークカラーを重ねるロングシルエットの作品を並べました。トープ、パープル、オレンジにブラウン。シルクサテンにダブルフェイス、レザーにツィードを重ねコントラストを表現します。波打つドレープやペプラムをコルセットベルトで抑え、シルエットを打ち出します。バナナスリーブやドルマンのゆったりしたジャケットにロングスカートやパンツがエレガントです。
シーズントレンドを超えて一点、一点大切に着継ぎたい、そんな服が揃いました。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/