萩原輝美 連載 vol.132|バーバリー・プローサム 2016年春夏コレクション
ロンドンファッションウィークの現地レポート
ドキドキに応えてくれたバーバリー・プローサム
秋らしくなりましたね。2016年春夏コレクションサーキットが始まりました。通い続けて30年。それでもいまだにショーが始まる前は緊張でドキドキです。サーキットはいつもの通りロンドンから。そのロンドンでわたしが一番期待するのがバーバリー・プローサム。ケンジントンガーデンに立つ特設会場のテントに近づくと、さあドキドキの始まりです。
Text by Terumi Hagiwara
英国ヘリテージと最新モードを交差させるクリストファー・ベイリー
今回のテントは春夏らしく透明なオープン仕立て。ショーの始まる1時間以上も前からバーバリーレディが集まります。会場の真ん中には大きく円形のオーケストラスペースが作られて、往年の人気歌手、アリソン・モワイエの登場です。ずしりとお腹に響くモワイエの歌声でバーバリーの世界に包みこまれてゆきます。
ファーストルックはなんと黒。レースのミニドレスにシルクのテロンとしたトレンチをはおり、バックパックを背負います。チェーン付きのフラットサンダルがモダン。今シーズンもイングリッシュレースにスイスレースとふんだんにレースを組み合わせています。しかしちょっとカジュアル。そうメッシュを組み合わせて甘さを抑えているのです。切り替えに使われているゴールドのブレードが利いています。これは英国ミリタリーの制服に使われているものと同じディテールです。
英国のヘリテージと最新モードを交差させたデザイナー、クリストファー・ベイリー。テーマは「ファンクションレガリア」、機能的(function)で気品のある装い(regalia)です。ピーコートにもバイカージャケットにもゴールドのブレードがトリミングされます。気になるのはベルトバッグ。トレンチモチーフのベルトとバックルがついた小ぶりのチェーンショルダーバッグです。スエードのバーガンディカラーが新鮮です。ブラック&ホワイトのとってもクリーンなコレクションでみごとにわたしのドキドキに応えてくれました。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/